全社的なIT活用の効果を引きだすためには、一部門内の「部分最適」ではなく、「全体最適化」を第一優先にする必要があります。これは、従来の硬直的な組織や権限や業務範囲に固執しない改革が必要になりますので、各部門の専門的知識を有するメンバーを集めて「プロジェクト・チーム」を臨時的に編成する方法が良いでしょう。
尚、プロジェクトの運営においては、次の点を考慮してください。
1.総責任者は社長クラスが望ましい
総責任者(プロジェクトオーナー)は、社長クラスとしたほうがいいでしょう。
それは、部門間の調整をできるようにするためと、社員にも、会社として取り組んでいる姿勢を明示することが出来ます。
2.プロジェクト・メンバーの所属部署の協力体制
プロジェクト・メンバーは、所属する部門を一旦離れて、プロジェクト終了の時点で、本来の所属部門に戻ることが理想です。しかし、社員数の関係で、現業と兼務で進行せざるを得ない場合は、実施日をスケジュール化し、所属部署の協力を得られるように配慮しましょう。
3.社員全員へのPR
社内のIT化を円滑に導入できるように、プロジェクトの進行途中から、社内報などでPRを丹念に行い、社員全体のモチベーション(ITへのやる気、参加意識)の高揚を図ることも大切です。
4.必要に応じてワーキング・グル−プを追加
必要に応じプロジェクト・チームの下に専門的議論をするためのワーキング・グル−プを増やしていくことも検討してください。
5.外部の専門家の活用
改革の成功のためには、プロジェクト・チームが主体で完成させるべきですが、ITの専門的知識が必要となる場合もありますので、ガイド役として外部の専門家(ITコーディネータ等)の支援も検討することをおすすめします。
「専門家派遣制度」は、こちら「IT主治医の継続的な活用」を参照 |