当時アメリカでは軍事におけるコンピュータネットワークの研究に多大な投資をしていました。
アメリカにとって、有事における通信手段を確保することはとても重要であり、それを止められることは戦局に大き な影響を及ぼします。
当時主流のホスト集中型ネットワークは、情報の集中する「ホスト」や「通信網」を攻撃されると、ネットワーク全体が麻痺してしまうという
構造的な弱点を持っていました。
米国防総省ではこうした点を憂慮し、非常事態に耐えられるコンピュータネットワークの構築を検討していました。
それがARPANET(Advanced Research Projects Agency)です。
ARPANETの基本構想は、「米国全土に無数に存在するコンピュータ(大型機のみならずパソコンまで)と、コンピュータネットワークを縦横に
相互接続 (Interconnect)し、どのコンピュータからも等しく情報の受発信ができるようにする」 といったものでした。
これがインターネットの原型です。
しかし当時の米国防総省では軍事のためだけに多数のコンピュータを揃えるのは現実的に不可能であり、本来の目的(軍事)を隠し、
分散環境下における情報共有の研究という名目で大学や研究機関などが参加できるようにしARPANETの実験が始まりました。
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