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今さら聞けない!非対面型ビジネス入門3 オンライン営業での注意点
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第1回「相手にあわせる」
中小企業診断士の石村飛鷹です。今回から4回にわたって「オンライン営業
での注意点」についてご説明します。
第1回の今回は「相手にあわせる」をテーマにお伝えします。
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>>> オンライン会議ツールは一通り対応できるようにしておく
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オンライン営業といえば、まず思い浮かぶのがオンライン会議ツールではな
いでしょうか。主なものにZoom(ズーム)、Cisco Webex(シスコウェベックス)、
Google Meet(グーグル・ミート)、Skype(スカイプ)、Microsoft Teams(マイク
ロソフト・チームス)などが挙げられます。
「数が多くてどれを使ったら良いのかわからない」というご相談を頂くこと
もあります。まったく初めて取り組まれるのであればトップシェアを誇るZoomを
試用してみることがおすすめですが、今後オンライン営業を強化しようとする
のであれば一通り対応できるようにしておく必要があります。
なぜなら取引先によって普段使っているオンライン会議ツールが異なるため、
相手にあわせる必要があるためです。
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>>> 企業規模や業種によって好まれるツールは異なる
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数あるオンライン会議ツールですが、相手の属性毎に好まれるツールが異な
ります。
たとえば、Microsoft Teamsは大手企業・上場企業が採用していることが多い
です。
先日、ある大手家電メーカーの担当者とやりとりしていたら当然のように
「次回はTeamsでやりましょう」と切り出されました。「次回はオンライン会議
でも良いですか?どのツールをお使いですか?」などの配慮はありません。
つまり、営業活動中に「Teamsとは何ですか?やったことがないので出来ませ
ん。Zoomにしてもらえませんか?」などと言っていては商機を逃してしまうので
す。
また、ITや通信関係の業種は、Cisco Webexが多い印象です。Cisco Systems
(シスコシステムズ)というアメリカにある世界最大のコンピュータネットワー
ク機器開発会社が提供するサービスです。
昔からオンライン会議システムを手掛けてきた信頼感・ブランド力があるの
で通信の玄人に人気があるようです。
Google Meet(グーグル・ミート)はベンチャー企業や中小企業が使用するケー
スが多いですが、大手企業・上場企業の方とやりとりすることは稀です。
Googleアカウントの取得が必要となりますが、大手企業の場合、既に自社ドメ
インメールやMicrosoftのサービス利用が主流で、Googleのサービスを利用して
いないケースが多いためです。
Zoomは、大企業から中小企業・個人事業主まで、幅広く普及していますが、
一部の大企業では使用を禁止していることもあります。
Web会議の開催を提案する際は「普段お使いのオンライン会議ツールはあり
ますか?」と確認すると良いでしょう。
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>>> 泥縄式でも対応は可能
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既に挙げたオンライン会議ツール以外にもBlueJeans(ブルージーンズ)、
sMeeting(エスミーティング)、LiveOn(ライブオン)、bellFace(ベルフェイス)
など多数あり、また今後も新たなツールが出てきます。
「予めすべてに対応することなどできない」と不安に思われるかもしれませ
んが大丈夫です。泥縄式に相手が指定してくるツールを習得していけば良いの
です。
かく言う筆者もそうして対応可能なツールを広げてきました。ただし、商談
中の相手から知らないツールをいきなり指定されてビックリしないように、主
だったツールは一度で良いので触れてみることを強くおすすめします。
まずは同僚や部下との社内打ち合わせに試用してみてください。
以上です。次回は「商談前にすべき準備と起こりやすいトラブル」について
お伝えします。お楽しみに!
第2回「商談前にすべき準備と起こりやすいトラブル」
中小企業診断士の石村飛鷹です。
今回はオンライン会議で商談する際、事前に必要な準備と起こりやすい
トラブルそしてその回避策についてお伝えします。
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>>> 商談前の準備
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オンライン会議の日程調整ができたら商談前の準備を行います。
会議開催用URLやパスワード等をお客様にお知らせします。相手がまだオン
ライン会議に慣れていらっしゃらない場合、時間になってもスムーズに会議が
始まらないことがあります。相手がオンライン会議に不慣れな様子であれば、
事前のアプリインストール方法やアカウント登録方法もお知らせするとスムーズ
です。
主だったオンライン会議ツールであればインターネット上に使い方を解説した
サイトがあるのでそのURLを伝えておくのも手です。また、事前に送ったURLや
パスワードがすぐに見つからずログインに時間がかかる場合もあるので、会議
当日や直前に会議開催用URLを再送してリマインドしてあげると親切です。
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>>> オンライン会議中に起こりやすいトラブル
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筆者の体験談で言うと、オンライン会議中に起こるトラブルとしてネットワ
ークの通信速度が落ちたり、CPUやメモリが不足したりして会議が瞬断される
ことがあります。
会議の瞬断は相手にもストレスを与えるため、事前に防げる要因は予め対策
しておくことが重要です。
在宅勤務でオンライン会議を行う場合は、少しでも通信速度を安定的なもの
にするため、ご家族のwifi利用は控えてもらう、電波強度の強い部屋に移動す
る、wifiではなくLANケーブルで接続するなどすれば通信速度の低下要因を減
らすことができます。
筆者の場合、「急に通信速度が遅くなった」と思ったら家族がネット動画を
視聴していたことがあり、打合せ終了まで利用を控えてもらいました。オンラ
イン会議を行う部屋がどうしてもwifiの電波が弱かったりLANケーブルを用意
できなかったりする場合、市販の無線LAN中継器を導入すれば電波強度を高め
ることができます。
インターネット回線の契約がマンションタイプの場合、更に注意が必要です。
マンションタイプの場合、マンション全体で1つのネットワークを共有する
ため、同じマンション内の住人が動画など大容量の通信が発生すると急激に
通信速度が遅くなります。出来れば夕方4時以降のオンライン会議開催は避け
た方が無難です。
インターネットの“ゴールデンタイム”は夕方~深夜にかけてです。通勤・
通学から帰宅した人たちがネット動画の視聴やオンラインゲームをするため
通信が混み合います。
総務省の取りまとめた調査によるとオンライン上のトラフィック(交通量)
は夕方4時頃から上昇をはじめ夜8時頃がピークとなり深夜0時まで高い
状態が続きます。
ご自身がマンションタイプでなくともお客さんが在宅勤務中でマンション
タイプである可能性もあります。日中に調整できるオンライン会議をあえて
夕方4時以降に調整する必要はありません。
また、バックグラウンドで通信を行うPCソフトウェアが邪魔をすることも
あります。Dropboxなどのファイル共有サービスは大容量の通信を行うことが
ありますので、使用していなければ会議前に終了しておく方が無難です。
Windows10の場合、タスクマネージャーの「プロセス」から「ネットワーク」
をクリックして通信容量の多い順に並べ替えるとバックグラウンドで通信して
いるプロセスを簡単に見つけられます。
通信に問題が無いのにフリーズしたり瞬断したりする場合はCPUやメモリの
性能不足が考えられます。頻繁に起こるようであればオンライン会議ツール以外
のソフトウェアは会議前に終了しておくのが無難です。こちらもWindows10の場合、
タスクマネージャーの「プロセス」からCPUやメモリを消費しているソフトウェアを
確認することができます。
第3回「商談中に気を付けるべきポイント」
中小企業診断士の石村飛鷹です。
今回はオンライン会議での商談中に気を付けるべきポイントについてお伝え
します。
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>>> リアクションは大げさにする
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オンライン会議システムを利用した商談で気を付けたいことは「対面よりも
伝わる情報が少ない」ということです。
微妙な表情の変化やマイクが拾えない程度の声量は対面でのやりとりと比べ
相手に伝わりません。それを意識せずに商談をすると相手からリアクションが
少ないという印象を持たれる可能性もあります。
そのため心がけたいのは「リアクションは大げさにする」ということです。
頷くときは首を大きく上下に動かす、同意を表す「えぇ」、意外感を表す「へぇ」、
理解を表す「なるほど」といった感嘆詞は大げさなくらいの声量で言って問題
ありません。
声にジェスチャーを加えて示すのも効果的です。たとえば、複数名が参加する
会議で同意を求められた場合、大きく手で丸のジェスチャーをしながら「賛成です」
と答えると相手も安心します。
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>>> 画面共有時の注意
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画面共有はオンライン会議システムの便利な機能の一つです。パワーポイン
トやPDFなどのプレゼン資料を見ながら打ち合わせが出来ます。
でも画面共有にまだ慣れていない方は、画面共有開始時に「共有画面が見え
ていますか?」と確認しましょう。稀に、画面共有開始していないのに、して
いる“つもり”で話を進めてしまう方がいますが、話を聞いている側は聞いた
内容が頭に入りません。
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>>> 発言時以外はミュートにしておく
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複数名が同時に参加する際、誰かが説明やプレゼンを始めた後はマイクを
ミュート(スイッチオフ)に設定しておくと良いでしょう。マイクをミュート
にしていないと雑音を拾ってしまい、本題を話している方の話を遮ってしまう
ことがあります。特によくあるのが、救急車のサイレン音、携帯電話着信音、
社内の別の方との会話、お子様やペットの声、咳やくしゃみ、コーヒーをすす
る音などです。
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>>> 同じ部屋から複数のスピーカーで参加しない
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大切な商談においては会議室や食堂といった同じ部屋から上司と部下の方が
それぞれご自分のPCでオンライン会議に参加しようとされる場合があります。
その際に注意しなければいけないのは、複数のスピーカーは使わないというこ
とです。ここでいうスピーカーとはPC本体のスピーカーや液晶画面内蔵スピー
カーなどのことです。
同じ部屋で複数のスピーカーでオンライン会議に参加すると、ハウリングが
起ってしまいお客様との会話ができなくなります。ハウリングとは、1台のス
ピーカーが発した音をもう1台のマイクが拾い、それをスピーカーが発してそ
れをさらにもう1台のマイクで拾って・・・と無限ループで雑音が増幅され、
「キーン」という不快な雑音がする現象です。
では同じ部屋で複数名がオンライン会議に参加するにはどうすれば良いのか
というと、そうしたハウリングに対応したスピーカーマイクを使うと解決され
ます。スピーカーマイクの調達が間に合わない場合は同じ会社の人であっても
別々の部屋から参加すれば問題を回避できます。
以上です。
次回は関心のある方も多い「新規顧客開拓をするまでに気を付けたいこと」
についてお伝えします。お楽しみに!
第4回「新規顧客開拓をするまでに気を付けたいこと」
中小企業診断士の石村飛鷹です。
オンライン営業に新たに取り組む背景として、「コロナ禍で既存客からの受
注減を補うため新規顧客開拓を行いたい」と考える企業も多いのではないで
しょうか。
最終回の今回はオンライン会議が出来るようになってから新規顧客開拓をす
るまでに気を付けたいことを中心にお伝えします。
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>>> 商圏が広がることを意識する
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オンライン営業であれば関東圏だけでなく、北海道から沖縄のお客様と気軽
に商談をすることが出来ます。製造業や卸売業・小売業にとって商圏が広がる
という点では販路開拓の大きなチャンスでありますが、逆に言うと、全国の同
業者がライバルになり得るということでもあります。
これまでのように「近いから安心」という理由で新規取引を開始してもらえ
ません。つまり、オンライン営業で新規顧客開拓をするには、全国の同業者と
差別化を図る必要があります。
対面で説明することがないため、まずはホームページの内容を充実させてお
くことが重要です。「オンライン会議にも対応している」旨の記載もあると良
いでしょう。
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>>> ホームページの見直しがカギ
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特にこれまで既存客を中心に売上を得ていた場合、新規顧客開拓を意識した
ホームページの構造になっていないケースがほとんどです。
ホームページを見に来る方にはいくつかのパターンがあります。大きく分け
ると、以下の2パターンがあります。
(1)当社のことをまったく知らずに検索して辿り着くパターン
(2)既に当社のことは聞いたことがあり理解を深めるために辿り着くパターン
どちらのパターンでも辿り着けるよう、対策をしておく必要があります。
(1)の検索で辿り着くパターンを狙うには、ホームページ内にお客様が検索する
だろうキーワードを意識して記載をしておきます。また、最近ではGoogleマイビ
ジネスへの登録やSNSとの連携も効果が高いです。それ以外にもSEO対策としてア
クセス数を増やすには本格的にコストと労力を割いて取り組む必要があります。
しかし、多くの中小企業の場合、SEO対策に多額の宣伝広告費をかけることは
難しいため、(2)のパターンのお客様の対応をしっかりするだけでも効果は十分
です。
(2)のパターンは、採用に例えると「2次面接」に当たります。
つまり「1次面接」は口コミや紹介、展示会での認知で、そこで「良さそうだ」
と思って頂けたお客様がホームページで更に理解を深め、商談に進むべきかどうか
判断されます。
筆者がご支援させていただいているある製造業のお客様を例にご説明します。
その会社は高い技術力を武器にある製品の受託開発を長年行ってきました。
ホームページの閲覧数はそれなりにあるものの、なかなか問い合わせにまで
至りません。ホームページを拝見すると、これまでその業界のプロがリピート
オーダーをしてきてくれたので、ホームページには最低限の情報しか載せてお
りませんでした。
また、記載内容があまりにも専門特化し過ぎているため「敷居が高い」と思
われてしまっていました。その他にも、小ロット対応が強みなのに大ロット対
応を連想させるような記載しかしていない、発注フロー(問合せ⇒打合せ⇒
提案・見積⇒試作開発⇒量産製造⇒納品⇒アフターサービス)が明確でない
など、この会社のホームぺージを初めて訪れるお客様の視点で見てみると改善
点が多く見つかりました。
つまり、口コミや紹介で「1次面接」には合格していたのに「2次面接」で
不合格となってしまっていたのです。現在、ホームページ業者を巻き込んだ
改善を続けています。
以上です。オンライン営業に取り組むには、オンライン会議ツールを使い
こなすだけでなく自社ホームページを新規のお客さんになりきって見直して
みましょう。きっと修正すべきポイントがたくさん見えてくるはずです。
いしむら経営コンサルタント事務所 石村 飛鷹
( https://www.ismrco.com )
公益財団法人 千葉県産業振興センター総務企画部企画調整課 産業情報ヘッドライン
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