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千葉県産業情報ヘッドライン(連載特集)「中小企業に求められる「ニューノーマル」~その課題と対応方法~」 バックナンバー

  • [2021年7月8日]
  • ID:3008


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                  ◆ 連   載 ◆
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    「中小企業に求められる「ニューノーマル」~ その課題と対応方法 ~ 」
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         第1回 「ニューノーマル」時代の「働き方改革」

 ITコーディネータの野中栄一と申します。
 今回から6回にわたって、中小企業に求められる「ニューノーマル」と題し
て、どのように取り組みを行っていけばよいのか、わかりやすく解説して参り
ます。

 第1回目の今回は「ニューノーマル」時代の「働き方改革」をテーマにお話
しします。

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>>> 在宅勤務やテレワーク、取り組みづらい!?
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 皆さんご周知のとおり、コロナ禍における緊急事態宣言の発令等により、マ
スクで通勤、手指消毒、検温、ソーシャルディスタンスを保っての会議や黙食、
3密を避けるための会食の制限…などなど。まさに「新しい生活様式」及び
「ニューノーマル」と呼ぶ光景が、私たちの日常になりつつあります。
 政府や都道府県が目標値を提示して在宅勤務やテレワークを強力に推進して
いるのもご存知のことと思います。

 しかしながら、大都市圏における2回目の緊急事態宣言の発令後は、初回の
緊急事態宣言時と比較して在宅勤務やテレワークの実施率は高まっていません。

 その主な要因として、いくつかのアンケート調査結果をみると、「出社しな
ければできない業務が多い」「機器や通信環境の整備」「情報セキュリティ対
策」「労務管理が難しい」「コミュニケーションが不足する」等に意見が集約
されるようです。

 実際に、私もいくつかの中小企業様にテレワーク推進のお手伝いをしました
が、なかなか思うように進まず苦戦されている様子が伺えました。

 その理由を端的にお話ししますと、「今までの業務の流れを、そのままテレ
ワークで実現しようとして失敗した」という例がほとんどでした。

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>>> テレワークと業務プロセス改善は一緒に行う
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 最初のポイントとして、「テレワークと業務プロセス改善は一緒に行う」と
いうのがあります。
 今の業務のやり方をそのまま在宅に持ち込もうとするから無理が出るのです。

 そうではなくて、実は「今のやり方を見直す」ことが先で、それに労使双方
にとってプラスになるやり方(=本当の意味で『働き方改革』)を検討してい
くほうがスムーズに進みます。

 これは、総務省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラ
イン」において、「管理職側の意識を変えること」や「業務遂行の方法の見直
しを検討する」という2点が挙げられていることからも理解できます。

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>>> 管理職側の意識を変える
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 例えば「自社は○○業だから、テレワークができない」と最初から諦めてし
まっている経営者・管理職の方はいませんか? 全社一括ではなく、例えば営
業職や事務職など進めやすい部署から進めてみませんか?

 また、「この業務は出社しないとできないはずだ」と思いこんでいませんか?
世間を見渡せば、新しいやり方というのが次々と生まれていて、そのやり方を
知らないだけ、ということも十分有り得ます。

 特に経営者は、働き方改革の意識を持っていないければ、従業員からの業務
改善の声も次第に萎んでいってしまいますので注意が必要です。

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>>> 業務遂行の方法の見直しを検討する
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 管理職の意識が変わったら、次に管理職・従業員ともに業務プロセス改善に
ついて思考停止に陥っていないか、今一度、業務を見直すことが大切です。

 なぜ社内ではこのルールになっているのか。単に昔からそうやっていただけ
で、実はカットまたはスリム化できる業務ではないのか。
 そうやって社内で課題や改善点を洗い出していくと良いでしょう。

 実際に、テレワークを推進しようと思っていろいろと調べていたら、次々と
業務のスリム化や改善点が見つかり、結果的に想像以上に業務効率が改善した、
という企業も多いです。

 ここは経営層だけでなく、従業員の働きやすさにも考慮しながら、少しずつ
でも改善策を実行していくことをお勧めします。

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>>> 働き方改革って、改めて何?
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 働き方改革とは、厚生労働省の定義によると
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「働き方改革」は、働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を
自分で「選択」できるようにするための改革
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とされています。

 ニューノーマル時代においては、出社したほうがよければ出社するし、在宅
で仕事をしなければならない状況(現在のコロナ対策だけでなく、今後は子育
て・介護・病気等)でも、仕事が続けられる体制を整えることが大事です。
 それが結果的に、労働生産性の向上と従業員満足度の向上の両立、離職率の
低下や採用に良い効果をもたらすのです。

 次回は、「情報通信環境の整備」について解説します。


                第2回 情報通信環境の整備

 ITコーディネータの野中栄一です。
 今回は、中小企業に求められる「ニューノーマル」の第2回目として、情報通
信環境の整備について解説します。

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>>> 通信環境がないから在宅勤務やテレワークを諦める…のは勿体ない!
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 企業においてインターネット回線は欠かすことのできないインフラになりま
した。会社のネット回線が止まったり、PCがトラブルを起こしたりすると仕事
がスムーズに進まない!…という経験もお有りかと思います。

 ところが、昨年から今年にかけてよく聞くようになったのは「テレワークを
実施しようと考えたが、貸与するノートPCが会社に無く、従業員宅にネット回
線が無い人がいるので、検討がストップしている」という声です。

 中小企業では、この「情報端末をどのように揃えるか?」と「通信費用の負
担をどうするか?」の2つを乗り越える必要があり、テレワーク普及の妨げに
なっています。
 そこで今回は、この2つを導入しやすくするヒントについてお伝えします。

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>>> 「情報端末をどのように揃えるか?」
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 1つ目のハードルである、情報端末(=ノートPC・スマホ・タブレット等)
をどのように揃えるのか、いくつかのポイントに分けて分けてお話しします。

ポイント1:従業員の私物のPCを業務でそのまま使わせることは可能か?
 → 業種・職種によって「個人情報や機密情報の取扱いが無い」という場合
   があり、このパターンを採用されることも実態としてあります。小規模
   事業者に割と多いパターンです。
   但し、それだと不安だ、という企業も多いでしょうからその場合には次
   に進みます。

ポイント2:社用貸与スマホ・タブレットで業務が回らないか?
 → 最近は社用スマホやタブレットを貸与している企業が多くなりました。
   既に所有しているそれらを活用して、テレワーク業務が出来ないか検討
   してみるのも一案です。
   最近はアプリも進化してきていて、スマホ・タブレットのみで仕事が回
   るケースも出てきています。

ポイント3:社用ノートPCが必要か?
 → 業務によっては、やはり社用ノートPCが貸与できたほうが望ましいケー
   スも多いでしょう。そこでノートPCを買い揃えるわけですが、その際、
   昔と違い「1台15~20万円もするようなノートPCではなく、4~5万円の
   ノートPCでも十分に仕事で使える」ということを知っておきましょう。
   (「ノートパソコン 売れ筋ランキング」等で検索してみてください。)

 上記に加え、在庫の有無の確認、販売会社によって初期設定費や保守サポー
ト費がかかる場合がありますので、何社か見積りをもらうこともお勧めします。
 会社で大量に情報端末を揃える必要がある場合には、上記のポイントを覚え
ておくと、おおよその予算感などがわかります。
 なお、セキュリティについては次回で詳しく取り上げます。

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>>> 「通信費用の負担」を軽くする方法
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 2つ目のハードルとして、「通信費用の負担」があります。
 こちらもポイントをいくつか挙げてご紹介しましょう。

ポイント1:従業員の自宅に光回線など固定回線は来ているか?
 → 従業員宅に固定回線がある場合、それを使わせるというケースがありま
   す。但し、次回説明するVPN(バーチャルプライベートネットワーク)
   とセットで利用されることが多いです。

ポイント2:社用スマホ・タブレットのテザリング機能を使えないか?
 → 社用スマホなどを貸与している場合には、「テザリング機能」を使うこ
   とで、ノートPCにもインターネットを共有して使うことが可能です。
   データ容量を見直したとしても、こちらのほうが安くつきます。

ポイント3:モバイルWi-Fiルータを使う。
 → 上記に当てはまらない場合に、モバイルWi-Fiルータを購入します。
   その際、通信会社を選ぶことになりますが、使い放題のWiMAXから、
   ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの法人契約、UQモバイル・
   ワイモバイル等のサブブランド、格安スマホ事業者など、ここ数年で通信
   会社の料金にかなり幅が出てきて、選び方が大きく様変わりをしています。
   安いプランでは980円~/月といったプランから各種出揃っていますので、
   自社の業務にあわせてしっかり見直しましょう。


 ひと昔前の「パソコンや通信料は高いものだ」というイメージは、少し調べ
てみると随分と印象が変わることがご理解いただけるかと思います。

 次回は、「情報セキュリティ対策の留意点」について解説します。
       

              第3回 情報セキュリティ対策の留意点

 ITコーディネータの野中栄一です。
 今回は、中小企業に求められる「ニューノーマル」の第3回目として、情報セ
キュリティ対策の留意点について解説します。

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>>> 情報セキュリティ対策は会社によって求められるレベル感が違う
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 今回、まず最初にお伝えしたいことは、「情報セキュリティ対策は会社によ
って求められるレベル感が違う」ということです。
 簡単に例を挙げると、個人情報を一切扱っていない飲食店と、個人情報の塊
のような社労士事務所を比較して、セキュリティ対策レベルが同じな訳があり
ませんよね? 当たり前のようで、意外と盲点となるポイントです。

 これから説明することは、主にテレワークなどを行う際に気を付けたいセキ
ュリティの話ですが、上記のことを踏まえつつ「うちの会社ではここまで必要
だな」という視点で読み進めて頂けるとよいかと思います。

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>>> 情報セキュリティ対策を「技術的・物理的・人的」の3つで考える
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 情報セキュリティ対策ではよく、「技術的・物理的・人的」の3つで考える
と良いと説明されることがあります。身近な例でいうと、

技術的:OSアップデート、ウイルス対策ソフト、ファイアウォール、
    Webフィルタリング

物理的:機密文書は鍵の掛かる棚に入れて保管する
    個人情報を扱う部署は、物理的に部屋を分ける(入退出管理含む)
    仕事では個人所有の端末を使わせず、会社で貸与した端末を使わせる

人 的:セキュリティルールを会社で規定する
    セキュリティ研修を行う

などで考えると、分かりやすいかと思います。

 この3つをバランスよくレベルを徐々に高めていくことが大事です。とはい
え、いきなり厳しくし過ぎても「仕事ができない!」と現場からクレームが来
ることがありますし、簡単にしすぎても「セキュリティが確保できない!」と
経営側は感じるかもしれません。
 ここで大事なことは、「自社のレベル感に合わせてセキュリティルールを決
めて、後でその難易度を調整すればよい」という考えを持つことです。
 逆に一番いけない方法は、「ルールを決めずに、社員の自己判断に任せてし
まう」ことです。そうすると、会社が想定していない情報漏洩や炎上案件につ
ながってしまいます。

 もし、「どこから手をつけていいのかよく分からないな…」という方は、
IPA「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」
https://www.ipa.go.jp/files/000055848.pdf
をやってみることをお勧めします。さきほどの3つの視点をバランスよく中小
企業でも行動できるレベルで解説してくれていますので、ぜひ参考になさって
みてください。

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>>> テレワークなどでよく使われる技術的なツール等の解説
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 さて、情報セキュリティ対策をどう考えていくとよいのかの基本を知ったと
ころで、テレワークでよく使われる技術的なツールについて一言解説します。

VPN(バーチャルプライベートネットワーク)接続
 →PCやモバイル端末を使って、社外からアクセスしているのに、まるで社
  内から接続したかのように使える接続方式です。例えば、社内の基幹系シ
  ステム(受発注システム・在庫管理システム等)や社内共有サーバなどに、
  社外からアクセスできます。

リモートデスクトップ接続
 →社外のPCなどから、社内にあるPCなどを操作する接続方式です。仕組
  みとしては社内PCの画面をそのまま社外PCに映して、社外PCでマウ
  スとキーボードを操作すると、その信号を社内PCに送っているだけです。
  そのため、社外PCには一切データが残らない(画面を映しているだけ)
  というセキュリティ的なメリットがあります。
  コロナ禍において、NTT東日本とIPAが期間限定で無償提供している
  「シン・テレワークシステム」
  https://telework.cyber.ipa.go.jp/news/
  が一躍有名になり、利用している企業も多いようです。

IT資産管理ソフト・MDM(モバイルデバイスマネジメント)
 →PCやモバイル端末の紛失・盗難に備えたり、業務で使わないアプリの使
  用や不正な操作を禁止したり、セキュリティアップデートが正しく更新さ
  れているかを確認したり、パスワードルールを統一したり…と、会社の情
  報管理者がIT資産を一元管理しやすくするツール群です。


 今回の記事を参考に、自社に必要なセキュリティレベルを確保しながら、会
社だけでなく自宅や外出先からでも仕事ができる環境の構築を検討なさってみ
てくださいね。

 次回は、「労務管理とマネジメント」について解説します。
       

              第4回 労務管理とマネジメント

ITコーディネータの野中栄一です。
 今回は、中小企業に求められる「ニューノーマル」の第4回目として、労務管
理とマネジメントについて解説します。

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>>> テレワークならではの労務管理の難しさ
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 「社労士にテレワーク就業規則は整備してもらったものの、出社の時と比べ
て労務管理やマネジメントが難しい」という声をよく聞きます。

 代表的なものとしては、「今まで出社時間で管理していた」「目の前に従業
員がいないので各々の頑張りが見えづらい」「従業員へ仕事のオン・オフの使
い分けの指導が難しい」などが挙げられます。

 これらの代表的な悩みについて、どう考えていくとよいかのヒントをお伝え
したいと思います。

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>>> まずは正確な「勤務時間」の把握から
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 出社時は「タイムカード」が一般的ですが、在宅勤務やモバイルワーク時で
はどうするか? これは「ITツール」を使うというのが一般的です。

 「勤怠管理ソフト」とネット検索すると、有名なソフトが複数出てきます。
料金はどれも200~300円/人程度からありますので、小規模事業者から大企業
まで無理なく導入できます。

 ツールによっては、GPS機能付きの出退勤管理ができて、いつ・どこで勤
務をしたかを把握できます。シフト調整や休暇申請なども可能で、従業員が自
宅や外出先から、スマホ・PCを使って素早く登録できます。

 勤怠管理ソフトに蓄積された勤務データをそのまま給与ソフトに連携すれば、
給与発行の業務効率も上がります。(勤務時間を管理するつもりでITツール
を導入したら、その他の業務効率も上がったという企業も多いです。)

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>>> 評価の軸は、勤務時間だけ? 成果やプロセスの評価も取り入れよう!
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 ただし、テレワークにおいては「出社時間(勤務時間)」だけを評価軸と考え
るのは、あまり得策ではありません。(上司の目が光っていないので、サボっ
てしまう従業員が出てくるかも?、と心配になります。)

 勤務時間は管理しやすい一方、日本では時間による評価が強すぎる傾向にあ
り、これが長時間労働(残業代をもらいたい等を含む)の原因になるとも言わ
れています。

 そこで、テレワークに取り組む企業には、ぜひ勤務時間だけでなく、成果や
プロセスの評価軸の導入にもチャレンジして頂きたいです。

 私個人のオススメとしては、まずは成果評価です。数値で表現しやすい業務
であれば、積極的に採用したいところです。例えば、1日で何社営業を行うと
か、1週間に何件分の業務をこなすとか、いつまでの期限にこの仕事を終わら
せるとか…。その人が出社したときと同じスピード感を考えて、成果評価を共
有します。

 次に、具体的な成果目標が出しにくい業務については、プロセス評価を考え
ます。例えば、業務開始時に上司に今日やる予定の仕事をメールしてもらった
り、業務終了時に日報メールを書いてもらうなど、簡単なルールを決めて進捗
を把握します。
 他にも、同僚と共同して進めている仕事のメールをCc:で転送してもらう、
グループチャットを共有して意欲を持って仕事に取り組んでいるかを見る、と
いうのも上司がマネジメントしやすくて良い手法です。

 なお、注意点として、過度な成果主義はモラル崩壊や従業員のやる気を削ぐ
場合がありますし、上長への報告義務や日報等の提出物が多すぎると従業員の
負担が大きく不評を買います。
 会社の社風や業務内容によって、最適な方法というのは変わるものなので、
管理職と従業員が双方に納得感が出る評価方法を考えていきましょう。

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>>> 従業員に対する仕事のオン・オフの上手な切り替えの指導法
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 テレワークに慣れていないと、仕事のオン・オフが難しいのは当たり前です。
家はくつろぐスペースであり、仕事に集中できる環境ではないからです。
 また性格的なものもあります。1人で集中して仕事をするのが好きな人、皆
と協業して仕事を進めるのが好きな人、さまざまです。

 そこで、一例ですが以下のような指導を取り入れてみてはいかがでしょうか?

・子どもの登校後、子どもの勉強机等に移動して仕事する。(場所を変える)
・仕事用の服に着替える。(服を変える)
・仕事に集中できるBGM(カフェミュージック等)を流す。(環境音を変える)
・1時間に5~10分程度、しっかり休憩を取る。(適度な休憩を推奨する)

 管理職は目に見えないからこそ部下の心身の変化にいつも以上に気を配り、
従業員は無理な長時間労働を避け、自分の性格や得意な仕事の進め方を把握し
て「生産性を高める」方法を身に着けたいですね。


 次回は、「ペーパーレス化への取組」について解説します。

       
            第5回  ペーパーレス化への取組

 ITコーディネータの野中栄一です。
 今回は、中小企業に求められる「ニューノーマル」の第5回目として、ペーパ
ーレス化への取組について解説します。

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>>> ペーパーレス化は、自社がやろうと思わなければ始まらない
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 多くの企業の「コロナ禍における業務効率化」を支援してきて、最近痛切に
感じるのは、「日本にはまだこんなに紙を使う業務が残っているのか」という
事実です。

 業種によって「取引先からの連絡が紙だ(FAXだ)」ということがあるの
は十分存じ上げていますが、それにしては社内の業務まで紙の書類で溢れてい
ます。「ウチはテレワークなんて無理ですよ」と従業員に言わせるほどに、紙
を使う業務が多いのが実態です。

 経営層側も「もっと業務効率化しなければ」とは感じているものの、「取引
先さんが紙(FAX)での連絡なので…」「今までの仕事のやり方のほうが慣
れているので…」と、ついつい及び腰になっているのをよく見かけます。

 ですが、元請企業が電子化(EDIなど)を迫る場合を除き、大半は「ペー
パーレス化は自社がやろうと思わなければ始まらない」のです。だけど、どこ
から手を付けたらよいのやら…。

 今回は、そんな悩みを持つ企業様向けに役立つITツールを紹介していきた
いと思います。

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>>> 紙を電子化するなら、ドキュメントスキャナーから始めよう!
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 冒頭にも述べましたが、取引先との関係で紙の伝票などがやめられない会社
は、まずは「ドキュメントスキャナー」という装置を買いましょう。
 値段は3~4万円程度で、卓上サイズでワンボタンで複数の紙をPDFなどに
電子化してくれる簡単な装置です。「簡単」というのが大事で、これがあるだ
けで驚くほど社内の紙の量が激減します。

 バラバラに保管しているマニュアル類・契約書類、本来保管の必要がないの
に念のために保管している伝票などを、片っ端からスキャンしてPDF化して
みてください。ファイル名には「書類名・取引名・日付」の3つを入れておく
と便利です。後は、会社で許可されているクラウドストレージに保管しましょ
う。

 すると、どうでしょう?在宅勤務やモバイル勤務している従業員も、ファイ
ル名検索ですぐに必要書類を探し出せるようになります。OCR機能(光学文
字認識)を利用したPDFなら、書類の中身の文字まで検索にヒットさせるこ
とができます。

 テレワークに効果的なのはもちろん、「必要な書類を探す」という従来の業
務も大幅に短縮されます。

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>>> FAXを電子化する「複合機クラウド保存 」「インターネットFAX」
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 次に、FAXを電子化しましょう。ここでは代表的な2つの方法をご紹介し
ます。

 1つ目の「複合機クラウド保存」は、複合機を活用します。最近の複合機に
は、FAXが届いたら、それを印刷するだけでなく、クラウドストレージに自
動保存する機能が備わっているものがあります。
 この機能を使うと、わざわざFAXを確認するためだけに会社に出社するな
んてことをしなくてもよくなります。

 2つ目の「インターネットFAX」は、専用のFAX番号が1つ貰えて、相
手がFAXを送信すると、自分にはメールの添付ファイルとして届きます。逆
にFAXを送信したいときは、添付ファイルとして文書ファイルをメール送信
すると、相手には紙のFAXとして届くというものです。

 どちらも、一度設定してしまえば、どこからでもFAXの内容を確認できま
すので、一度使うと手放せなくなります。

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>>> 更に電子化が進む「クラウド会計・給与・請求書・契約」
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 最後に、更に電子化を進めた場合の「クラウド会計・請求書発行・電子契約」
について説明します。
 このソフトの登場は新しく、「マネーフォワード」「Freee」「弥生会
計オンライン」などに代表される有名なクラウド会計群の登場を契機に、一気
に採用企業が増えてきている印象があります。

 これらの機能は多すぎるのですが、簡単に説明すればこういうことです。
 まず会社で一番多くの紙が集うのが会計。そこを電子化します。次に、当然
の流れとして、会計に至るまでの流れ(見積書→発注書→納品書→請求書→領
収書→会計)も、見積書を作ったらワンボタンで複写して作成&連携できるよ
うにします。
 そこまで進めば、あとは給与・経費清算・社会保険などの電子化の下準備も
ほぼ完了しているといってよいでしょう。後はこれらソフト群が自動連携して
くれるので業務効率が飛躍的に上がる、という寸法です。

 このあたりは会社の基幹業務に相当する部分ですので、既存ソフトからの乗
り換えがすぐにできるとは限りませんが、導入した後は「企業全体の業務効率
化」「経営の見える化」が一気に進みます。
 ハンコや印紙税が不要になる、という副次的なメリットもあります。


 今回は、主に社内業務のペーパーレス化についてお話ししましたが、社外業
務でもタブレットでプレゼン、スマホで受発注・在庫確認…等々、業務改善に
つながるヒントがゴロゴロ転がっています。
 ぜひ、前向きに検討してみてくださいね。

 次回は最終回、「非対面のコミュニケーションの秘訣」について解説します。

      
         第6回  非対面のコミュニケーションの秘訣

 ITコーディネータの野中栄一です。
 今回は、中小企業に求められる「ニューノーマル」の第6回目(最終回)とし
て、非対面のコミュニケーションの秘訣について解説します。

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>>> 相手の顔が見えないからこそ…、まずは「体」と「心」に気を配る
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 今回のコロナ禍においてもっとも苦戦したのは、移動を制限されたことによ
って非対面のコミュニケーションの機会が増えたことではないでしょうか。
 今までは全員が出社して顔を見ながら気軽に話ができたのに、離れた場所に
いるために「円滑なコミュニケーションが進みにくかった」という意見が多か
ったように思います。

 今回は後ほどコミュニケーションに役立つITツールも紹介しますが、それ
よりもまず先に、「お互いの身体面・メンタル面に十分に気を配る」というこ
とから紹介したいと思います。

 コロナで不要不急の外出を控えつつ、ニュースでも気が滅入るような話題ば
かりが耳に入りがちで、在宅勤務などで従業員が運動不足ではないか、メンタ
ル面で不安を抱えていないかなど、いつも以上に気を配ることから始めてくだ
さい。
 仕事を進める上では、上司から仕事の依頼があり部下に負荷がかかることも
ありますが、心身ともに健康でないといつも通りに業務ができません。

 非対面だからこそ、いつも以上に「調子はどう?」「家での仕事に困ったこ
とはない?」といった、サポートの声かけを多めになさってみてください。

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>>> コミュニケーションツールは「みんなが心地よく使えるもの」を選ぶ
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 最初に結論を書いておきますと、コミュニケーションツールの選択のポイン
トは「みんなが心地よく使えるもの」を選ぶことです。

 当たり前ですが、会社ごとに業務内容が違いますし、ITスキルにも差があ
ります。自社にとって、高機能なツールがもっとも使いやすいとは限りません。
また、コスト面でも違いがあります。操作が難しいと従業員に敬遠されて使わ
れなくなったら意味がありませんし、操作が簡単、単機能、低コストなツール
のほうが実は使いやすかった、ということもあります。
 それを踏まえた上で、いくつかツールを紹介してまいります。

<チャットツール>
 企業でよく使われるチャットツールとして、Slack、LINE WOR
KS、ChatWorkなどがあります。LINEを使っている方も多いので
お分かりかと思いますが、気軽にいつでもコミュニケーションを取るのに最適
です。
 部内・課内など複数人で会話できるチャットグループを作るのもお勧めです。
 「お疲れ様です。〇〇の件、どうなりました?」みたいに、気軽にポンポン
と話せるので、ぜひ導入したいツールです。
 ただ、気軽だからといって、真夜中に上司から仕事のチャットをどんどん送
るのはマナー違反! あくまで、業務時間中の利用を心掛けてくださいね。

<Web会議ツール>
 15分~30分以上話をしたい、となったら、チャットツールでは面倒ですから、
そのときはWeb会議ツールを活用しましょう。代表的なものに、Zoom、
Skype、Teams、Meetなどがあります。
 カメラ有りで顔を見てお話しするのもオススメですし、慣れてきたらカメラ
無しで声の様子だけでも今元気なのか、やる気が落ちていないかなどを把握す
ることができます。
 カメラ無しのメリットは、気軽に応対ができるところです(=部屋の片づけ
をやらなくていいとか、化粧をしなくていいとかいろいろあります(笑))。

<バーチャルオフィスツール>
 もう少し会社に出社している感、人と一緒に仕事している感を出したい、と
いうときには、oVice、Remo、Remottyといったバーチャルオ
フィスツールを使うという方法もあります。
 オフィスにいるようなマップに、自分や同僚のアイコンが表示されますので、
それを近づけると会話が出来る仕組みです。離れていると声が聞こえませんの
で、まるでオフィスにいるかのようにアイコンを近づけて「ちょっとお話しい
いですか?」ができるツールです。

<プロジェクト管理ツール>
 プロジェクトごとにメンバーが異なる場合には、プロジェクト管理ツールが
オススメです。代表的なものに、Backlog、Trello、Redmi
neなどがあります。ガントチャート、カンバン方式などでプロジェクトを管
理したい会社に最適です。

<グループウェア>
 会社・部内・課内など、グループ全体の進捗を把握したい場合があります。
その場合には、グループウェアというソフトを使います。代表的なものにサイ
ボウズ、デスクネッツ、またGoogle Workspace、Micro
soft365といったソフトも候補になると思います。

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>>> 最後に、今一度、自社にとっての「働き方改革」を考えよう!
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 いかがでしょうか? 知らないツールもあったかもしれませんね。会社の目
的に合わせて、使うべきツールというのは違いますので、自社に合うツールを
探すのも業務改善の1つになってくると思います。

 最後に、今一度、今回の連載のまとめを書いておきます。
 厚生労働省の定義によると、働き方改革とは、
-----------------
「働き方改革」は、働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を
自分で「選択」できるようにするための改革
-----------------
ということでしたね。
 出社して働きやすい環境を作るのも大事ですし、従業員のケガ・入院・出産
・育児・介護、また第二・第三の新型ウイルスが蔓延したときに備えて、テレ
ワークができる環境を整えておくことも大事です。
 それが、中小企業における「ニューノーマル」に備えるということではない
でしょうか。

      株式会社ナーツ 代表取締役 野中栄一(ITコーディネータ)
                        https://www.narts.jp/
-------------------------------------------------------------------------------------------------------                            

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