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千葉県産業情報ヘッドライン【連載特集】「中小企業のデジタル活用術」バックナンバー

  • [2024年6月12日]
  • ID:3652

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                中小企業のデジタル活用術

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第1回「デジタル化とは何か?何に役立つのか?」


 NPO法人ITCちば経営応援隊・理事長の浅井鉄夫です。

ITコーディネータ(ITC)とは、経営にIT(データ)を活かすために、企業の

業務手順を改善したり、最適システムを検討したりする専門家です。

2001年に「IT立国ジャパン戦略」を推進する専門家として位置づけられ

経済産業省が指導して生まれました。現在全国で約7,000名が登録し、当会には

約90名が所属しています。

中小企業の経営者の立場で、最適なデジタル化(ITを活用した経営)を検討します。


デジタルとは、情報やデータをパソコン・スマホなどの電子機器で扱うことを

指します。

具体的には、デジタル機器(パソコンやスマホ)を用いてアプリ(システム)を

作動させます。

アプリは情報を電子的に表現し、情報の登録・検索・加工・保存・伝送を

することができます。

デジタルは、従来の非デジタル(アナログ)技術と比べて、業務の効率的な

加工処理や複製、高速な伝達が可能であり、さまざまな分野で革新をもたらして

います。

いまやデジタルの無い生活や経営は考えられません。


デジタル技術は、中小企業にとっても大きな効果をもたらすことができます。

例えば、デジタルを活用することで業務の飛躍的効率化や生産性の向上が期待

できます。

自動化によって少人数で業務がこなせることが期待できます。

デジタルを活用することで、情報の共有や管理が容易になり、従来よりも迅速

かつ正確な意思決定が可能になります。

また、顧客との交流(コミュニケーション)や販売戦略立案(マーケティング)

活動も効果的に行うことができ、新たなビジネスチャンスを生み出すことができ

ます。

従来よりも短い時間で、間違いの無い業務を少人数で沢山こなすことが可能に

なります。

コストダウンが可能になります。生まれた時間は、顧客との交流に使えますし、

新たな製品を開発することにも使えます。新たな販売戦略を考えて実行に移す

こともできます。


一方で、デジタルを導入する際には注意点もあります。

例えば、デジタル化には初期投資やシステムの構築が必要です。

それに伴う費用やリスクがあることを考慮する必要があります。

アプリの価値は、視覚的に見えにくいので、価格価値が良く理解できない面があり

ます。

また、デジタル技術は急速に進化しています。便利な最新の技術を取り入れるため

には、継続的な学習と改善が必要です。

公的機関を通して、専門家の支援を受けることも必要です。

例を挙げれば、スマホが普及しはじめてまだ20年しかたっていません。

便利な道具で、もはやスマホの無い生活は考えられません。


デジタルは難しいと感じるかもしれませんが、基本的な概念を理解し、具体的な

ビジネス課題に合わせて取り組むことで、中小企業にとっても実現可能な取り組み

となります。

具体的な取り組みとしては、社内の業務をデジタル化することや、顧客との交流

(コミュニケーション)をタイムリーにすることなどが考えられます。

デジタルを活用することで、中小企業も競争力を強化し、持続可能な成長を実現

することが可能です。


経営者が何を目指して、何を改善するかを決めることが第一歩です。


第2回「どのようにデジタル化していけばいいのか?」


NPO法人ITCちば経営応援隊・理事長の浅井鉄夫です。

今回は、デジタル化をどのように推進するかの概要を解説します。


デジタル化は、経営戦略の一環として極めて重要なテーマです。

今後数年間にわたり、会社をどのように発展させていくかを考える上で、

デジタル化は必要不可欠な要素となってきています。

デジタル化を進めるための基本ステップをご紹介します。

生産性を向上させる効果的な業務手順を構築して、支える仕組みをデジタル化

することに取り組みましょう。


<ステップ1>

企業の数年後の「ありたい姿」を、経営者が従業員に明確に示すことです。

数年後の企業像を具体的にイメージさせてください。

売上高や利益額等の目標値や、従業員数や効率化された業務の流れのイメージ、

顧客満足度の向上イメージなどを出来るだけ具体的にして従業員に示してください。


<ステップ2>

その時の従業員の仕事の流れを、従業員により身近にイメージできるように

してください。

物品販売業務を例にとると、商品を仕入れ、倉庫で現品をみて在庫の管理をして

販売する一連の流れをイメージします。

現在と同じ仕事の流れでは、何も進歩していません。

例えば、顧客から注文を受けたら倉庫に行かなくても、商品在庫を即座にシステム

で確認して納期を回答して、出荷を指示すれば、顧客の満足度は上がり、

納期が短くなり、出荷指示が効率的になっていることを理解してもらいましょう。

作業は、

・現在の従業員数で賄えるだろうか?

・在庫切れを起こさない様に、また過剰在庫にならない様になっているか?

・システムで自動的に商品の仕入れを管理できているか?

・正確な在庫管理ができないだろうか?

・顧客の満足度は掴めるだろうか?

・同じ従業員数で売上や利益が向上できるだろうか?

など、一連の仕事の流れと現状からの変化をイメージさせるのが重要です。

現状の仕事のやり方では限界がでることが考えられます。

これを、デジタル化して改善します。例えば、売上を30%増加させる「ありたい姿」

に対して、従業員を30%増員させることでは何も改善ができていません。

楽をして・確実に・早く業務を実行する業務の流れを産み出すことです。


<ステップ3>

現在の業務を振り返り改善すべき点を洗い出しましょう。

現在の仕事のやり方を振り返り、デジタル化によって効率化される業務を抽出します。

手作業で行っている集計業務や伝達業務を自動化したり、二重管理を止めたりして

仕事を簡素化させます。手間のかかっている業務を、パソコン等を活用して

自動処理すれば、従業員の業務負荷を削減して効率化することができます。

現在手が回らず、十分に出来ていない業務を洗い出します。

例えば、売上内容分析をして、どの顧客層に何が売れているのかを分析把握して、

次の販売戦略を立てることができます。

在庫が少なくなってきたら自動的に最適量を仕入れたりする仕組みも考えられます。

適時に適量な仕入ができるような仕組みを考えましょう。

過剰な在庫や売上数の少ない在庫はデータで把握し、在庫水準を適正にして

棚卸在庫資産を圧縮できないかを検討しましょう。

製造業であれば、正確に自動的に製造原価を集計分析して、より綿密に製造原価を

改善させることができるように考えるべきです。

品質不良や納期遅れを正確に把握して、原因を分析して、再発しない仕組みを、

データを使って考えられるようになります。

これらができれば、競合他社より競争優位に立てます。


<ステップ4>

ムリ・ムラ・ムダな業務を徹底的に排除しましょう。

デジタル化によって自動化や効率化が可能な業務を見つけ、一つずつ改善していけば、

ムダが排除できます。

先々の業務量を把握して、前倒しで作業して平準化をできれば、ムラが排除できます。

ムリの無い作業計画を見通すことで、ムリな仕事量を回避できます。

従業員の新たな働き方(ライフ・ワーク・バランス)を実現できます。


千葉県産業振興センターに依頼して、ITコーディネ-タのような専門家の支援を受け、

ここまでの討議を導いてもらうことも一つの選択肢です。

デジタル化は一朝一夕に実現するものではありませんが、着実に進めることで、

将来のより良い企業を実現する手助けとなります。

是非、デジタル化を進めるための取り組みを始めてみてください。

この改善策を決めたら、新たな仕事の手順・方法を改めましょう。

その支援をする仕組みがデジタル・システムです。その効果はどのようなのものなのか、

そのためには、どうすれば良いか、次回以降にご紹介します。


第3回「デジタル化がもたらす効果」


NPO法人ITCちば経営応援隊・理事長の浅井鉄夫です。

今回はデジタル化がもたらす効果について解説します。


デジタル化は、経営課題を解決し、業務効率を向上させるための重要な経営手段です。

しかし、その効果が十分に、事前に理解されていない場合もあります。

効果が信じられなければ、デジタル化の投資はしにくいと思います。

ここでは、デジタル化の効果について、具体的に説明します。


<効果1 作業の自動化による人的業務の省力化>

システムの自動化や連動化によって省力化効果が得られます。

デジタル化により作業の自動化や業務の連動化が可能になります。

例えば、従来は手作業で行っていた注文処理や在庫管理などの業務が、

システムによって自動的に処理され確実に社内関連部門に伝達されることで、

業務効率が大幅に向上します。

これにより、人的な手間を大幅に削減し、生産性を向上させることができます。

速やかに・確実に情報が社内関連部門に伝達されます。検索もすぐできます。

少ない人数で、多くの仕事を、正確迅速に、実現出来るようになります。


<効果2 問題の早期発見>

経営上の問題を早期に検知して対策することが可能になります。

デジタル化により、業務の現時点のデータが、把握できて対応することができます。

例えば、売上が急激に落ち込んだり、在庫が過剰になったりした場合、

システムが自動で警告を発することで、迅速な対策を講じることができます。

逆に商品は急激に売れて在庫切れが起きそうなときに、早急に補充することを

連絡してきます。

これにより、業務の停滞や販売損失を最小限にとどめることが可能になります。


<効果3 ペーパーレス化による文書管理の効率化>

業務のペーパーレス化(紙資源消費の削減)を追求できます。

地球資源保護の観点から紙資源の利用の低減がSDGsなど社会的に要請されています。

デジタル化により、業務の文書管理が電子化されるため、ペーパーレス化が実現します。

従来は大量の書類を印刷していた企業も、デジタル化によって情報を電子データで

管理することができるようになります。

書類の放置防止や保管スペースの削減など、さまざまな効果が生まれます。

ペーパーレスが実現すると、紙を郵送することがなくなります。

紙をコピーすることも少なくなります。電子契約書には収入印紙は不要です。

紙ファイルを格納する棚も少なくなります。

紙に印刷した時点で、情報の更新が止まってしまう事もなく、最新の情報に

刻々と更新されて社内で活用されていくことになります。

しかしながら紙がないと、情報機器端末がない限りデータがすぐ使えないことに

なります。

この辺のバランスを考えて、自社にあった業務が実行できる体制を整えなければ

なりません。


現代の情報処理技術は日進月歩で進化しています。

バーコードを読ませて、レジで売上品目を登録することは、今のスーパーでは常識です。

ひと昔前では、レジの担当者が金額を打ち込んでいました。

間違えは起こるし、レジ待ちの長い列ができていました。コンビニがバーコードを

すべての商品に表示させ、それをレジで読ませて売上商品を登録する業務にかえました。

正確に、売上商品が登録できるようになり、レジ打ちの担当者も迅速に作業が

出来るようになり顧客の待ち時間も減りました。

このような効果は日常目にしています。人工知能(AI)や生成型AIの登場から

まだ1年と少しです。

大量のデータを瞬時に検索して必要な情報をまとめてくれたり、

利用者の要望に沿う情報に整理してくれたりします。

残念ながら、与えた情報の中での回答なので100%正確ではありませんが、

一つのヒントになり、経営判断の参考になります。


デジタルは企業の競争力強化や業務効率化を実現してくれる可能性を持っています。

是非、自社の課題を解決するデジタル化に取り組みましょう。

経営者が従業員にこの問題を解決して、どのような効果を目指しているか、

明確にイメージさせましょう。期待している効果を換算して、その期待効果に見合う

投資を考えてください。

経営者のデジタル化を実践する熱意と、自社の課題解決の目標と期待する効果が

従業員と共有できれば、デジタル化は実践できます。<第4回に続く>


第4回「どう実現すれば良いか?「業務パッケージ」の選択」


NPO法人ITCちば経営応援隊・理事長の浅井鉄夫です。

第4回ではデジタル化の進め方の基本について解説します。


デジタル化(DX)プロジェクトを進める際のポイントを解説します。

数年後の会社の「ありたい姿」を経営者が示し、その会社の姿を実現するために

全従業員が業務の流れを改善することが必須であることは、

これまで解説してきました。

現在の業務のやり方ではなく、もっと楽に(効率的に)業務を実施して、

確実に(作業品質が良く)、迅速に業務を実施する方法に改善することが

必要不可欠なことであることも、これまで解説してきました。

さらに、パソコンやスマホなどの、デジタル機器を使って業務を確実に進め、

社内関係部署に迅速に情報を伝達できるようにする変革をすることも、

すでに解説しました。ではそれを実現する方法を解説しましょう。


デジタル化にはパソコンやスマホなどの機器は必須ですが、

そのままでは何もできません。

業務を実施するのは情報機器で作動するアプリ(パッケージ・ソフト)が必要です。

受注登録をする機能を持ったアプリや、在庫管理をするアプリ、製造指示をする

アプリ、発注仕入れを管理するアプリ、支払いや経理処理をするアプリなど

多分野に多数のアプリが必要になります。これらのアプリを「業務パッケージ・

ソフト」と呼んでいます。

今回必要としているのは、どの業務アプリか見極める必要があります。

現在は、多くのパッケージ会社から、多種の業務のために、多種多様なパッケージ・

ソフトが提供されています。自社でデジタル化を目指す業務分野が決まったら、

自社に最適なパッケージを購入するか利用の契約をするのが基本です。

場合によっては、イージー・オーダ方式で自社に適合させるパッケージを

組み上げる方式もあります。その場合は、種々の要求仕様を提示しなければなりません。

それでも自社に合わない場合は、フル・カスタムで自社向けに作ってもらう方法も

あります。

一般的に、フル・カスタムの場合は、費用も時間も必要となりますが、

完成した時には使い勝手は、最適な業務ソフトとして完成します。

デジタル化する業務をキーワードにして、インターネット検索をすれば多数の

業務パッケージ・ソフトが検索できます。

その中から自社に最適な業務パッケージを導入することになります。

ではどのように業務パッケージを選定すれば良いでしょうか?


<自社業務に見合った機能を装備した業務パッケージを探す>

自社で改善をしたい業務が明確になっていれば、その業務を実行できる機能が

あることを確認します。インターネットやAIツールのキーワードとして

業務の仕様などを入れて検索し、内容を確認してください。

例えば小売店でレジと結びつけて販売管理・在庫管理をして、店舗運営の

効率化向上を目指そうとする場合は、「販売管理」とか「売上管理」とか

「POSレジ連動」とかをキーワードにすれば良いでしょう。

いくつかの業務パッケ-ジ・ソフトが検索されます。

またこの段階では複数の業務パッケージを候補として選定しておけば良いでしょう。


<適合しない機能や装備していない機能を明確にする>

パッケージ・ソフトでは支援されていないが、自社には必要な機能があります。

たとえば、飲食店などで同じ食材の仕入れを、同時に複数の仕入れ先に注文を出すような

例外的機能などです。この不一致機能を、候補のパッケージを利用してどのように

業務をこなせるかが、選定の一つの判断基準になります。

まず適合しない業務機能を3つのタイプに分類してください。


(1)この機能がないと、業務がこなせない機能(必須機能)

(2)この機能があると便利であるが、代替の方法や機能があれば業務がこなせる機能

  (代替可能機能)

(3)この機能はあれば便利であるが、無くても何とかなる便利な機能(便利機能)


ここまで整理してから、パッケージ・ソフトの契約先と連絡をとり、相談をしてみましょう。

契約先では、パッケージ・ソフトの機能に熟知していますが、

皆さんの会社の業務については理解できていないことが多い様です。

業務上この機能を必要とする背景を説明して理解してもらい、パッケージ・ソフトで

業務をどの様に実行すれば良いか相談してみましょう。

特に必須機能や代替可能機能につぃては、納得するまで質問をしてください。


相談の結果として、パッケージ・ソフトの利用方法や工夫で解決できる方法が

ガイドしてもらえます。業務とパッケージ・ソフトの適合性の評価が高まります。

それでも、必須機能が満たされなければ、そのパッケージ・ソフトはそのままでは

利用することは困難な状態にあります。この必須機能が満たすパッケージ・ソフトを

さらに絞り込みます。絞り込みに自信がないときは、専門家に相談して、他社事例などを

調査してみてください。

パッケージ・ソフトを自社仕様に改造して適合させることは、出来たら避けましょう。


さらに、パッケージを確定させるためには、価格やサポート体制を評価しましょう。

他社の同じようなパッケージ・ソフトと比較して、納得できる価格であるか?

自社の経営状態から見て大きな負担にならないか?を評価します。

一時払い料金・月次払い料金・定額保守料金など各社各様に料金体系を持っています。

デジタル化したシステムは通常5年以上使用します。

5年程度の費用負担を年度別にまとめて比較評価してください。


パッケージ・ソフト会社の支援体制も評価してください。

パッケージ・ソフトを契約してしまうと、利用開始までのサービスが悪くなる会社も

中にはあることを聞いています。

導入実績が少ない新興パッケージ・ソフトもあるので、導入実績数だけでは

評価はできませんが、それなりに長く販売してきた実績は評価できます。

パッケージ・ソフトを業務で利用開始するまで、導入サービスを親身になって

支援してくれるパッケージ・ソフト提供者を選定してください。


以上のポイントを踏まえて、業務パッケージの選定を行うことで、効果的なデジタル化

プロジェクトを進めることができます。

デジタル化が未経験の経営者でも理解しやすいように、具体的な例や事例を交えながら

説明してきました。


成功への一歩を踏み出してください。<第5回に続く>


特定非営利活動法人ITCちば経営応援隊 理事長 浅井 鉄夫

https://npo-chiba-keiei-oentai.org/

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