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千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】

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             ビジネスコーチング
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    第1回「成果を出した職場で行われていたこと、コーチング」

 私達の生活の中ではスポーツのコーチが有名です。

 ビジネスにおける「コーチング」は、「自分自身の考え方や他者への関わり方
を調整して、相手を目標達成に導く手法」をいいます。

 自ら考えて仕事を意欲高く遂行できる人材育成に適した手法です。

 昔からうまくいっている場では、どんな関わり方をしていたかを調査研究して、
そこで見出したそれらの共通の関わり方を体系化したのが「コーチング」とも
言われています。

 「こうすれば人はうまく動く」と分かったのなら、それを意図的に活用しない
手はないですね。

 
 さて、業務において「コーチング」を使うとどんないいことがあるのでしょうか。

 ある食品販売営業所長と営業マンAさんの事例です。

所長:「何で売れないんだ?去年の同時期の半分じゃないか。わかってるのか!」
Aさん:「すいません。がんばります。」
所長:「Aは気合が足りないんだよ、下に示しがつかないじゃないか!」

 よくある胃の痛くなるような対話ですね。

 所長が「コーチング」を取り入れ対話すると、こうなります。

所長:「お!お疲れさん。今、去年の半分なんだね。どんな状況なの?」
Aさん:「すみません。実は今の担当エリアは高齢者が多くパスタには興味がない
ようなんです。」
所長:「そうか、それは難しいな。じゃ君は次はどんな手を考えてる?」
Aさん:「試食販売を和風野菜系ソースで考えています。次に・・・・略。」
所長:「よさそうだね。何か僕が手伝えることはないか?期待してるよ!」
 
どちらが業績アップしそうですか?未来に開けていますか?

 「コーチング」は、相手を認め、問いかけ、傾聴します。行動を重視し「それが
できるようになるためにあなたはまずどうするか」に焦点をあてます。

 このように関わり続けていくと、互いの信頼関係が強化されるばかりでなく、
相手の当事者意識も高まり、自発的に課題に取り組むスタイルができます。

 しかし、相手の答えを待つ「コーチング」はすべてに万能でもありません。
ときには指導する「ティーチング」や、指示命令で動かすことが適している場合
もあります。

 ビジネスパーソンは相手に関わる手法にバリエーションを持ちたいものです。

 なお、「コーチング」は書店ならビジネス書のコーナーで取り扱われています。
是非一度ご覧ください。

次回は第2回「事業成功の鍵は、傾聴力」をお送りします。



           第2回「事業成功の鍵は、傾聴力」

 今回はコーチングの要、傾聴力です。
 私達は、業務以前にまず「人として」人にうまく関わっていくことが大事です。
その最大にして唯一の秘訣は、ただ聴くことです。
 上手に話すより前に、ただ聴く、のです。

 なぜ聴くことなのか。それは「信頼関係」に直結するからです。「人は、自分
の話を聴いてくれた人の話は聴く」のです。

 聴くことは自分の貴重な時間を相手のために使うことです。相手の話を聴くこと
は、相手をそれだけ尊重していることになります。相手を尊重すると、相手は信頼
を寄せるのです。

 皆様のご商売は、お客様の「信頼のおける人から買いたい、信頼のおける人に
頼みたい」でご注文やご依頼が決まりますね。
 お客様の購買意思決定、選択に強力に影響するのが、最前線に立つ人の「傾聴力」
そう、お客様のお話をきちんと聴き続けるチカラなのです。
 
 それだけでなく、経営者、管理職、リーダーは、指示命令だけで部下や従業員
がついてくると思ったら残念ながらそれでは足りません。まず、上に立つ人は
部下からみて信頼できる存在でなければ、誰もついてきません。
 誰でも本音では、自分の話を聴いてもくれない人の話は聴かない、そこなの
です。
 上の立場になればなるほど皆の話を意識的に聴いていく必要があります。

 こういう話を知って、関西のある典型的な指示命令型の社長が、怒ったり指示
命令するのを控えて、意識的に(しかし半信半疑で)従業員の話をまず聴くこと
にしました。
 1年後、対前年比売上は落ちることなく同程度でした。
「しんどかったで。でも聴いても売り上げは変わらんかった。せやったら聴いた
ほうがみんな調子がええ。ほなら続けますわな。」
にっこり笑って教えてくれました。

 残念ながら売り上げがすぐあがるようなことではないのですが、何よりも従業員
たちの働きやすさは激変したのだそうです。
 怒らない社長、聴いてくれる社長のほうがずっといい、と皆さんおっしゃった
そうです。

 さあ、これを読み終えたら、いつもよりちょっとだけ、自分が話したい、説得
したいのを後にしてまず聴く、に挑戦しませんか?最初は確かに難しいですが、
できるときに、できる相手から、できることだけしてみましょう。
 いつもより、多くうなづき、いつもより長く聴き、促しながら。
 もしできればやや笑顔で。
 そうすると、相手の本音、相手の背景、相手の意志が聴こえてきます。
 あなたのまわりではどんなことが起こるでしょうか。

 次回は最終回「個別対応すれば人は自発的に動ける」です。人が動き出すため
の具体的なヒントをご紹介していきます。

※もしあなたの上司が聴かないタイプなら、部門全員にぜひこのメルマガを転送
してみてください。



       第3回「個別対応すれば人は自発的に動ける」

 今回はコーチングから、ビジネスにもとても役立つ個別対応のヒントです。

 仕事では、自分の成功手法があったらそれを押し付けたり、同じやり方を教え
がちです。私達はこう言われると動けるけど、こう言われても全然響かない、
むしろイライラするということもあります。
 人が自発的に動くための「やる気導火線」「受容体」にはどうやら類型がある
ようです。

【事例1】
 車販売のアベさん。
「イソ様!今度試乗会があります!最新モデルを運転して湾岸ドライブご案内
しますよー!タレントも来ますし、バーベキューもやります!お子さんには
お土産も!!」

 お客様イソさん、反応よくありません。

 アベさん押します。
「今回お買い求め頂くと、夏にはスカイツリーからの花火大会鑑賞会にご招待します!」

 イソさん全然反応ありません。

 アベさんトークを変えます。
「イソ様、失礼しました。予め頂戴しておりましたアンケートでご予算とご希望
車種用件を検討しました。今回ご希望に沿う車種は2台ご案内できます。
特にご重視の居住性はモニターから高い評価を得ています。試乗も可能です。
決定は後で構いません。」

 イソさんは「では、ぜひ」と申し込みました。


【事例2】
 ウノさんは店舗対抗接客コンクールに備え上司のエダ店長に接客特訓を受けました。
 エダさんは休日返上で毎日遅くまで練習につきあいました。

 結果、ウノさん最下位。エダさんに合わせる顔がありません。
「店長あのー今いいですか?
 えー今日すごい寒いですね。
 ホントいつもありがとうございました。
 これから本店ですか?京成線止まってるみたいです。気をつけてくださいね。
 ・・・・あのー。それでコンクールなんですけど、まず蘇我店から同期の・・・・」

 聴いているうちに店長イライラ。トイレに立ってしまいました。

 見かねた先輩がアドバイスしてくれました「端的に結論だけ言ってごらん!」

 出なおしたウノさん
「店長、コンクールは最下位でした。ご指導ありがとうございました。
これからもっとがんばります」

「おう、残念、次頑張れよ」
 エダさん肩をポンと叩いてさわやかに去っていきました。

 躍動的で新しいもの好きのアベさん、
 慎重で情報収集派のイソさん、
 温厚で義理固いウノさん、
 単刀直入のエダさん。

 あなたは誰に近いですか?

 自分とうまくいかない人がまわりにいるとしたら、まずあなたのアプローチ法を
変えてみませんか? 

参考:「コーチング流 タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく」
                           Discover 鈴木義幸


                  and Cs(アンド シーズ) 代表 藤田 潮

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