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千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】

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             今、話題になっているソーシャルメディアとは?
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          第1回 ソーシャルメディアとは?

 メルマガ読者の皆様、初めまして、WEBマーケティングコンサルタントの上野
と申します。この連載ではfacebook、twitter、mixiなどのソーシャルメディア
について3回に分けてご説明していきます。第1回は「ソーシャルメディアとは?」、
第2回は「インターネットでの消費者行動の変化」、最終回は「中小企業におけ
るビジネス活用のヒント」になります。皆様のビジネスにお役に立てる情報とな
るよう執筆しますので、どうぞお付き合いよろしくお願い致します。

 早いもので2011年も残すところ4ヶ月となりました。WEB業界ではツイッター元
年、ソーシャルメディア元年と言われた2010年ですが、2011年はfacebook元年と
呼ばれています。本屋に足を運べば「webマーケティングがツイッターで変わる!
!」「Facebookで売上倍増!」等の本が平積みされ、テレビ、雑誌などのメディ
アに取り上げられる機会も多く、まるで群集心理が働いてるかのように、今まで
にないほどの熱気が感じられます。しかし、本当にマーケティングがかわるので
しょうか?そもそも、ソーシャルメディアとは何なのでしょうか?これを理解せ
ず、周りに踊らされてしまっては、時間とお金をドブに捨てるようなものです。

 ずばり、ソーシャルメディアとは、利用者(消費者)の会話のかたまりであり、
場のことです。それは利用者による利用者のための場所。元々そこには企業が入
ることを目的にされておらず、コントロールできる場所でもないのです。主導権
は利用者が握っています。言い換えれば、利用者の会話がインターネットで「見
える化」されている場所。それがソーシャルメディアの本質です。

「従来の会話」はそこにいる人にしか届きませんでした。ところが「facebook、
twitter、mixi上の会話」はネット上に蓄積され、検索やリンクにより閲覧でき
ます。そして結果的にメディア的な側面を持ちました。大事なところなので繰り
返しますが、会話がネット上で「見える化」されてる場所が、ソーシャルメディ
アです。

企業にとってソーシャルメディアは手段です。目的ではありません。目的を達成
するのにソーシャルメディアが効率よいなら、使った方がよいというだけです。
スモールビジネスの場合、比較的早く反応が見えるため、まずは触ってみる、使
ってみることを勧めています。

さて、あなたの会社は何を目的にソーシャルメディアを使いますか?




               第2回インターネットでの消費者行動の変化

 ここ数年、ソーシャルメディアの普及が世界的に進み、日本でも無視できな
い存在になってきました。またスマートフォンの普及により、モバイル環境で
のネット活用、特にソーシャルメディアの活用が伸びています。2011年8月の
Facebook訪問者は1000万人を突破し、今後日本でもこのままの勢いでソーシャル
メディアが普及していくと、コミュニケーションの方法も変化していくと予想
されています。第2回では、今現在起こっているインターネット上での消費者
の行動変化についてご説明いたします。

 「ググる」という言葉を聞いたことはありますか?「Googleで検索する」
という意味ですが、これに象徴されるように今までの消費者行動は「能動的検索」
でした。気になることや調べたいという目的意識を持ち、YahooやGoogleで
検索する。能動的検索時代の企業側としての重要課題は「いかに検索上位に
表示されるか(SEO対策)」「いかに検索数を増やすか」でした。

 しかしソーシャルメディアが普及しつつある現在、消費者が日常的に訪問
するサイトはYahooやGoogleではなくなってきています。消費者は、目的意識
を持たず「友達は何やっているかな?」と日常的に訪れるmixiやfacebook、
twitterへと場所を移しています。そこでは友人の行動がリアルタイムで更新
されています。例えばある友人が「これが美味しい!」と食べ物の写真とそのお店
のHPを紹介して、そこのサイトにたまたま訪れるということが日常的に起こって
います。
 ソーシャルメディアが普及していくと、企業側としての重要課題は「いかに
ソーシャル上で話題に取り上げられるか」「ソーシャルとの連携が取れているか
(SMO)」になっていきます。

 このように、インターネット上での消費者の行動は「能動的検索」から「友人
起点の受動的検索(クリック)」へ変化してきています。SEO対策がいまだに
効果的なのは変わりませんが、インターネット上での消費者行動は常に変化
しており、SEO対策だけではネット上の消費者をカバーすることは難しくなって
います。

 ソーシャルメディア上で話題になるポイントは何でしょうか?それは「発信者
への共感」と「情報そのものへの共感」です。ソーシャルメディア上においては、
まずはアテンション(注意喚起)が大切、という図式は考えなおさなければなり
ません。

 さて、あなたの会社ではどんな話題をソーシャルメディアに流しますか?




                 第3回 中小企業におけるビジネス活用のヒント

 こんにちは、WEBマーケティングコンサルタントの上野です。この連載も今日
で最後になりました。最終回ではソーシャルメディアが注目されている理由、
そして中小企業におけるビジネス活用のヒントについてご紹介いたします。

 なぜ今、ソーシャルメディアに注目が集まっているのでしょうか?その背景を
表すデータが総務省から報告されています。

 総務省の調査では「この10年で消費可能情報量(※1)は33倍になったのに対し、
選択可能情報量(※2)は530倍になった」と報告されています。これは情報の
総量が爆発的に増大したことにより、企業として発信する情報が消費者に届き
にくくなっていることを意味しています。

※1消費可能情報量:情報の消費者が実際に受け取り、消費した情報の総量
※2選択可能情報量:情報の消費者が選択可能な状態で提供された情報の総量

■	総務省 平成18年度 情報流通センサス
URL http://bit.ly/3hCxsR (該当箇所は報告書のP24)

 これまでと同じような手段では、消費者に情報を伝えることができなくなりつつ
ある現在、ターゲットとなる消費者が使っているソーシャルメディアに注目が
集まるのは自然なことでしょう。企業は消費者との新しい接点を持つために、
ソーシャルメディアを視野に入れ始めているのです。

 それでは中小企業がビジネス活用する際のヒントは何があるのでしょうか?成功
するための大原則、それは「ビジネスをしない」ことです。第1回目の記事(http://bit.ly/pNHNzW)
で書いたように、ソーシャルメディアとは、利用者(消費者)の会話の場であり、
主導権は利用者が握っています。もしあなたが友人と話している会話の中に、いき
なり企業が割り込んできて、商品の説明や魅力を語り出したらどう感じるでしょうか?
歓迎することはほとんどないでしょう。

 しかし、大企業は別として、ソーシャルメディアを活用している中小企業の多くが、
この大原則を守っていないのが現状です。ソーシャルメディアの強みは、長期視点
での顧客との関係作りです。成功している中小企業は、自社の製品の投稿よりも、
メンバーの顔や社風など会社の内側をみてもらうような投稿をしています。投稿内容
の反応をチェックし、トライ&エラーを繰り返しています。成功するための大原則は、
「ビジネスをしないこと」です。

 私はソーシャルメディア黎明期からユーザーとして使用していましたが、ビジネス
として注目するきっかけは、運営するネットショップのサイト分析をしていた時でした。
mixi等のソーシャルメディアを経由してきたお客様からの購入率が、何も対策して
いないのにも関わらず、検索エンジンから来たお客様よりも倍以上も高かったのです。
今後は検索エンジンマーケティングと同じように、ソーシャルメディアへの取り組み
が重要になってくるでしょう。

 このコラムがソーシャルメディアへの理解が深まる手助けとなり、一人でも多くの
人々の仕事がより充実したものになるとしたら、私にとってこれほど嬉しいことは
ありません。お付き合い頂き、どうもありがとうございました。


               株式会社 LUPINUS 代表取締役 上野 信治

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