「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】
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実践クラウドコンピューティング
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第1回「名刺をクラウドで管理しよう」
みなさん、こんにちは、4年前に千葉でITコンサルタントを起業しました、
オフィス・ゴーフォースの関根と申します。
近年、クラウドコンピューティングという言葉をよく耳にするようになり
ましたよね。
このヘッドラインでも昨年は「中小企業で生かせるクラウド」が連載されまし
たので、クラウドってなに、という方は是非、バックナンバーで理解していた
だければと思います。
https://www.ccjc-net.or.jp/headline/bn/h23rensaibn.html
今回は、クラウドを使って、より実践的な利用方法をご紹介したいと思い
ます。
さて、仕事に欠かせないのが名刺交換ですが、もらった名刺の整理に困った
ことはありませんか。通常は、名刺フォルダーやケースに整理しておくものです
が、パソコンソフトで管理している会社さんも増えてきました。
ところで外出先で急に訪問先の名刺を確認したくなって困った経験をお持ち
の方もいるのではないかと思います。
そんなとき、会社にある名刺が携帯端末で見られる名刺管理術を今回はご紹介
します。
まず、揃えるものは、パソコンに繋ぐことができるスキャナです。スキャナ
つきのプリンタでも結構ですが、名刺が曲がって読み込まれても向きを補正して
くれる機能のついたスキャナがベストです。キャノン、エプソン、富士通あたり
から、1万円から3万円程度の値段で購入することができます。
次に、揃えるのは、無料のクラウドストレージサービスと呼ばれるものです。
パソコン苦手という方には、ここが勝負の分かれ道です。使えるサービスと
しては、DropboxやEvernoteなどがあります。DropboxとEvernoteの特徴を述べる
だけの紙面がありませんので、割愛しますが、興味のある方はネットで検索して
みてください。
最後に、揃えるのは、読み込んだ名刺をクラウドに登録するソフトです。
このソフトがなくても、手作業で、読み込んだ名刺をクラウドに登録することは
可能です。通常は、スキャナを購入すると、付録でついてくるソフトにクラウド
連携の機能がついていますので、それを使うとよいと思います。
以上の3つの準備ができましたら、クラウドサービスをパソコンと携帯端末と
両方にインストールして同じIDでログインできるようにセットアップすれば、
準備完了です。
いよいよ、名刺をクラウドに登録します。
まずスキャナからパソコンに名刺を画像またはPDFとして読み込んだら、その
ファイルをクラウドサービスに登録します。手作業でやるとちょっと面倒くさい
ですが、先ほどの付録ソフトでクラウド連携をすると、直接クラウドに連携
してくれるのでらくちんです。
ここでノウハウを一つ、クラウドに登録するときに検索可能なデータとして
登録しておくと、いざ携帯端末から名刺を呼び出すとき、名前や会社名で検索
することができるので、ぜひこれは実施してください。付属ソフトにその機能
がついているものや、クラウドサービスが自動的にやってくれるものもあります。
さあ、名刺をクラウドで管理していつでもどこでも、名刺を検索して、ビジ
ネスに大いに活用してください。
第2回「顧客をクラウドで共有しよう」
みなさん、こんにちは、今回は、会社の顧客情報を全社で共有するというお話
です。
ほとんどの社長さんは、うちの会社の顧客情報(お客様情報)は、パソコンで
管理しているよとお答えになります。年賀状のときは、ハガキソフト。郵便物を
出すときは、ラベル印刷ソフト。請求書を作成するときは経理ソフト。それぞれの
部門が、Excelや専用のソフトを使て独自にお客様情報を管理していることでしょう。
ところで、同じお客様情報があっちこっちに分散していて、何とか一か所に集約
できないものかと思ったことはありませんか。
一度社内の情報を整理して、情報をまとめたけれど、結局それぞれが別々に管理を
初めて、また元の木阿弥になってしまった経験はありませんか。
情報の一元化をはかったのは良いけれど、最新情報の印刷物を手元において仕事を
しているうちに、最新の印刷物があっちこっちに出回り、どれが最新情報かわからなく
なってしまった、という笑えない話も結構あります。
なぜ、顧客管理はうまくいかないのでしょうか、原因は冒頭にお話ししました
ように、情報が分散してしまっているからです。
目的別に専用のソフトを使ったり、Excelで管理したりするのは、仕事の効率を
考えるとやむを得ないと思います。しかし、そこで使う顧客情報は、一本化された
ものを共有して使う、ここがポイントです。
しかし、ネットワークで情報を共有するとなるとそれなりに専門知識が必要と
なりますし、やれサーバーだ、やれLAN構築だ、やれ本社と支店や店舗のネット
ワークは等々、なんだかお金がかかりそうな気がしますよね。
そこで、登場するのが、またまたクラウドです。
なにかおまじないのように思うかもしれませんが、クラウドを使えば、インター
ネットにつながるパソコンがあれば、それで準備完了なのです。サーバーやネット
ワークを構築する費用も、知識も不要です。
顧客情報が共有されると、日々の営業活動の情報をそこに追加したり、見積や、
売上の情報を追加すると、仕事も共有できるようになります。
一方で、注意しなければならないことは、情報の機密保護とかコンプライアンスに
対応した情報共有の仕組みでなければいけません。便利になる反面、共有する情報と
しない情報を管理する手間がかかります。
うちにはパソコンの専門家がいないから、という社長さんも、ここを乗り越えて
しまえば、仕事の効率も一気に向上します。
クラウドで顧客情報を管理する方法には以下のようなものがあります。
1、Googleスプレッドシートはクラウド上のExcelのようなもので、同時に複数の
パソコンから操作することができます。Googleのアカウントを持っていれば費用は
無料です。
2、MicrosoftのOffice365はExcelそのものをクラウドで共有することができます
ので、現在お使いのExcelをそのまま移行することができます。費用は月額1630円
から
3、セールスフォース・ドットコムはクラウドの顧客管理システムです。セキュリティ
がしっかりしているので、情報の機密保護をしっかりしたい企業に最適です。費用は、
月額600円から
さて、みなさんはどのクラウドをお使いになりますか。
第3回 「専門家派遣制度を有効活用しよう」
最終回となる3回目は、クラウドを採用するとき誰に相談すればよいかに
ついてお話しをします。
第1回、第2回でお話ししたように、クラウドはこれまでのITとは、ちょっと
違う物かもしれないと感じていただけたかと思います。
火事や災害に強いクラウド、インターネットにつながるPCとスマートフォン、
タブレット端末があれば、顧客管理ができてしまう、社員全員が情報を共有できる、
そこからどんな仕事が生まれるのか。
仕事の引継ぎがうまくできない、外出の多い仕事なのに、会社に戻らないと
パソコンの仕事ができない。
もっと効率よく仕事をするためにITを積極的に活用したい、そんな中小企業の
社長さんにお勧めしたいのが、クラウドコンピューティングなのです。
そんな相談をいったい誰にすればよいのでしょうか。
ひょっとすると、初期投資0円からスタートできるかもしれないとなると、
PCの代理店に相談するのも違う気がするし、PCショップに行ってもだめそうだし。
そんな時に頼りになるのが、県や国が実施している専門家相談というものです。
千葉県産業振興センター経営支援部総合支援室では専門家派遣事業を行って
いますので、是非相談してみてください。
また、千葉県のITコーディネータに相談するのもよいと思います。
・ITコーディネータ千葉ネットワーク
先ほども書きましたが、クラウドは0円から始ることができるので、試してから
採用することもできるのが特徴です。そして、サーバーの導入が不要なので、初期
投資が少なくて済むことも述べてきました、費用は月々の使用料で使う分だけ支払う、
不要になったらやめることもできるのです。
このような特徴を理解して正しく使えば、中小企業のIT化に大きく貢献することが
できるのです。
第1回の「クラウドで名刺管理」であれば専門家派遣を1日〜3日程度依頼すれば、
スタートできます。
より詳しく知りたい方は、12月4日(火)14:00〜16:00習志野商工会議所において、
「実践クラウドコンピューティング」と題して、セミナーが開催されますので、是非
ご参加ください。
クラウドが日本で認知され始めて、まだ5年足らずですが、今後10年間で従来の
システムの50%以上がクラウドに置き換わると予想されています。
従来、ITの進歩による恩恵は大企業を中心に行われ、中小企業が恩恵を受けるには
敷居が高すぎました。
これまでにもオンラインでサービスを受けるシステムは存在していますが、
クラウドの登場で初めて中小企業がITの最先端の恩恵を受けることができる時代が
やってきたのです。
千葉県の中小企業からクラウドによるITの高度利用のモデルが全国に発信できる
ことを願って、今回のメルマガを終了したいと思います。
オフィス・ゴーフォース 代表 関根 利彦