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千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】



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              中小企業の事業承継
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    第1回 【いちばん優しい事業承継ガイド】
        事業承継の本質とは何か?<事例 親子での引継ぎ>

 はじめに、筆者は15年間にわたる事業承継相談実務のベテラン中小企業診断士。
既に66歳となり、自分のコンサル会社の事業承継を済ませて会長職に就任。渡す側
の心得や辞める人間の寂しさを実体験しています。
 より詳しい情報が必要な場合は、事業承継センターのホームページを参照してく
ださい。
http://www.jigyousyoukei.co.jp/

 まず事業承継とは何でしょうか。
 事業承継とは、「個人」から「経営」と「資産」を切り離すことから始まります。
愛して、守り育てた会社から、自分という人間が切り離される時を迎えるのが、事
業承継なのです。

 経営権と会社の資産、個人の財産は、株式によって密接に関係しています。
 「経営権には、株式という会社の資産が含まれ」、そして株式は「個人の財産の
中に含まれ」ています。
 株式が個人の財産のまま引き継がれることになると、後々スムーズな事業承継が
できなくなってしまう可能性もあります。
 だから、事業承継を円滑に行うためには、会社の株券だけは、「誰に渡すか」を
早めに決めましょう。
 事業承継計画表を作り手順良く移譲を行う必要があります。

 次に事業承継を行わないことのリスクはあるのでしょうか。
 何も手を打たないと2つのリスクが発生します。

 まず外部との関係では「取引の劣化」が起きる可能性があります。
 元請さんや発注企業で長年親しんだ発注者が自分より先に役職定年で居なくなる
とします。新任の発注担当者は、成果を上げようと、価格の見直しを行うかもしれ
ません。
 つまり、今までのような随意契約による馴れ合いの発注を行わなくなるのです。
 その結果、他社に仕事を奪われたり、大幅なコストダウン競争に巻きこまれてし
まいます。

 もう1つのリスクは社内にあります。
 ワンマン社長は、権力も人望も、すべてが自分に集中しています。それを一気に
渡すのが事業承継ですが、後継者に対して「まだ経験が足りない」「一人前とは認
めない」と、現役にこだわる傾向があります。
 その結果、後継者は「責任ある仕事」を任せてもらえず、せっかくの成長チャン
スを奪われ、経営を学ぶことができません。
 その中で経営者後継者の両者に不平不満がたまり、両者の関係悪化、最悪の場合
後継者を失うこともあります。
 以下は、そのような事例です。

【事例】
 現社長は創業者で、裸一貫からこの会社を育ててきた。会社の事は何でも知ってい
るし、従業員も慕っている。
 その会社に他社での修業を終えて、各種の免許を取得した長男が帰ってきた。

 盆休みとなり、納期に遅れが出ているので現社長は休日を返上するという。長男に
も後継者として仕事をするように要求した。
 長男は赤ん坊が生まれたばかりである。一時でも永く家族と居たいと思う時だが、
そんな事情にはお構いなく、仕事の割り振りを父に勝手に決められてしまった。

 その後も何かにつけて、父は子に対して厳しい要求を行う事が増えた。
 この休日出勤の事件から、親子関係は完全に没交渉となり、長男は社員の前でも現
社長の批判をするようになった。
 経営方針とか戦略とかいう前に、「人間としての価値観」、「時間に対する感覚」、
「家族への接し方」がまるで違っているのだ。
 がむしゃらに働くことで、当社を伸ばした現社長から見れば、休日出勤くらいで音
を上げるようでは、「経営者としてやっていけない」と思えてしまう。

 長男は度重なる言い合いが嫌になり、ある日、退職の意思を固めてしまった。
 それを知った現社長は烈火のごとく怒り狂い、「勘当」という言葉を口にしてしまっ
た。


 「父と子」は、「似た者同士」と読みます。
 互いの違いを認めながら、尊敬という言葉で分かり合う事ができるようになるまで、
ジックリと時間をかけて、話し合う姿勢が必要です。
 上手に話し合いが行われ、チーム運営ができれば社長は後継者を失うことも、息子
を失うこともなく、「最高の組み合わせ」となったことでしょう。



    第2回 【事業承継支援集中10年間】政府の統計の意味とは?
         事業承継では何をすべきか? <すべての経営者にリスクがあります>

 平成の世が終わり、これから20年にわたり、大量の中小企業経営者が、一気に引退
時期に差し掛かることが、政府の統計で明らかになりました。
(中小企業白書2017年版より)
 この事態を放置すれば、経営者が70歳を超える後継者未定の127万社に上る企業が
廃業に追い込まれてしまいます。
 その事態を重く見た政府は、中小企業・零細企業への事業承継支援を実施する方針
を固めました。

 始めにどのくらいの割合の企業が中小・零細企業に該当するかを確認すると、一部
の大企業とその連結決算子会社などを除いた大多数の企業が含まれます。

<中小企業基本法における中小企業の定義> 
※資本金、従業員数のどちらかが合致すれば中小企業
・製造業その他  …  資本金3億円以下   従業員数300人以下
・卸売業     …  資本金1億円以下   従業員数100人以下
・小売業     …  資本金5千万円以下  従業員数50人以下
・サービス業   …     〃       従業員数100人以下

<小規模企業者の範囲>
・製造業その他    … 従業員20人以下
・商業・サービス業  … 従業員5人以下

 割合にして99.7%が中小・零細企業に該当します!

 このように、何もしないままでは、中小企業の大廃業時代が訪れることが分かりま
した。
 では、事業承継のために具体的に何を行っていけばよいのでしょうか。

 一般的に事業承継をするには5〜10年間の期間が必要だといわれています。
 以下で、その10年間を3段階に分け、テーマを説明します。

・第1段階 プレ事業承継(事業承継の準備)の3年間

事業承継の準備の手順をハッキリと意識することの重要性を理解しましょう。
具体的には次の5項目を行っていきます。
1.1 セルフチェックシートの記入 ⇒ 気づきのためにも、専門家に相談しましょう
1.2 仕事の見える化       ⇒ 自社の本質を数字で掴むこと
1.3 事業承継に必要な課題発見  ⇒ 事業承継する前に修正点を発見
1.4 渡すべき会社の磨き上げ   ⇒ 今まで先送りしてきた経営課題を解決
1.5 事業承継計画表を作成    ⇒ スケジュールを中心にすべてをまとめる

 この段階での注意点は、継ぐべき企業の存在意義や、「今日まで生き残ってきた」
「目に見えないパワー」を引き継ぐために、徹底的に「見える化」する事です。
 後継者がこの事実に気が付き、自分が「継ぐモノの本質」に迫らなければ、本当の
事業承継は出来上がりません。
 引退する側も、自分が「身を引くための整理」の作業と、「後継者の育成」を同時
に進めなければなりません。

・第2段階 事業承継の「その時」は2年間

 決算書2期分をかけて税務対策を行います。
 多数の株主がいる場合の整理や、一族の相続問題も解決しなければなりません。
(株価対策・家族会議・退職金…専門家の同席による具体的な支援が必要)

・第3段階 ポスト事業承継(事業承継後の取り組み)は5年があてられる

 代表交代が新社長のスタート。会社を経営できるには、しばらくは背中から支える
事が必要です。引退する側はサポートを行い、後継者が独り歩きできるように訓練し
ます。
 金融機関の与信形成や、経営計画の作成や返済計画の遂行には、後継者の伴走者
(専門家)が必要です。

 政府が発行している下記冊子にも「事業承継には何が必要か」等の情報が分かりや
すく掲載されているので、よろしければご覧ください。

会社を未来につなげる−10年先の会社を考えよう−
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170327shoukei.htm

円滑な事業承継のための3ステップ
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2018/180403shoukei.htm


    第3回 【経営承継円滑化法の真の活用法】単なる納税猶予ではない
         <事例:経営革新への道が見えた>

 経営承継円滑化法の大幅改正が今年4月に行われました。その一番の目玉は、事業承
継にかかわる自社株式の相続税と贈与税の猶予割合が100%に拡大(事業承継時の税負
担は実質ゼロ)となります。
 詳細は以下を参照してください。

平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2018/180402shoukeizeisei.htm

 今回の連載では、どうしても税制に目が行きがちな経営者の方に対して、もっと別の
視点から、このタイミングを活用してもらいたいと思って書いています。
 それは、この経営承継円滑化法では「民法の遺留分の除外」という「遺産相続で親族
が争うこと」の防止が可能なのです。

 私たちが経営支援に入る時に、初めにチェックするのが「家系図」と「株主名簿」です。
個人に相続される財産の中には「会社の株式」等も含まれ、何も対策をしないと、「遺留
分として平等」に株式が遺族に分散し、将来に禍根を残す場合があります。
 大株主の現経営者から、生前贈与で株式をもらう後継者と、もらえない法定遺留分を持
つ相続人の「思いのスレ違い」を防ぎ、「将来必ず起きる相続問題」にケリをつける決定
打が、この法律に含まれているのです。

 経営承継円滑化法の申請にあたっては、各都道府県に要件確認を行う事が必要になりま
す。
事業以外の不動産業(賃貸不動産等)の総資産に占める割合が70%を超える場合などの事
例を除いて、法律の適用範囲に自社が収まっているかどうかを確認しなければなりません。
 また、民法特例にも関する書類として、法定相続人全員が記名捺印する「除外合意の同
意書」(または「固定合意の同意書」、「固定除外の同意書」)が必要となります。
 「除外合意」とは、後継者に株式を集中し、それ以外の相続人の法定遺留分を取り除く
ことです。
 事業承継が決まったら、「後継者に、いつ・何株・贈与」するか、「いつ代表取締役の
交代」を行うかを記載する「事業承継計画表」を作成しなければなりません。そのうえで
家族会議を開き、後継者とそれ以外の子どもたちに「どのように資産を分けるか」を決め
ることになります。
 同意書の作成ができなければ、経営承継円滑化法での「民法の遺留分の除外」の採用は
難しくなります。
 一族の宥和がキーとなります。法律に合致すれば公庫や信用保証協会からの支援も受け
られます。
 
*事業承継サポート保証「みらい」
http://www.chiba-cgc.or.jp/guarantee/mirai/

 次に、3年・5年・10年の締切を確認します。
 自社株式を贈与する場合は、後継者が「3年以上前から取締役に登記」されていることが
必要であり、さらに経産省大臣の確認、家庭裁判所の許可が必要となります。
 また、「5年間のうちに法律の適用申請」を各都道府県庁に行う必要性や、「10年間で株
式移動と代表交代」が行われることが必要になる場合もあります。
 次の事例は、「民法の遺留分の除外」を事前に行っていたことにより、スムーズな事業
承継ができた例です。

【事例】
 現社長は高齢化のためか、新規投資案件はことごとく断ってきた。経営目標が無借金経営
にあるからだ。
 後継者は我慢に我慢を重ねてきたが、新型機械の購入について反対されたことが、どうし
ても許せなかった。
 いよいよ「会社を辞めようか」という時に現社長が病に倒れたが、事前に「民法の遺留分
の除外」について合意がなされていたので、周囲の反対も無く、全株式の贈与が実行された。
 そのタイミングで「経営革新計画の申請」がされ、県の補助金の獲得が可能となった。
 後継者は経営革新を目指し、過去の仕事のやり方を「IOTによって近代化」することができ
た。

経営承継円滑化法で「一気に渡された」ので「思いきった変化」が出来たのだろうと、後継者
は述懐しています。


   第4回 【後継者の進む道】後継者塾で学ぶ卵たちの実像 
        <勇気が持てる自分に、誇りが生まれた>

 私達は事業承継の完成を「後継者が一人前の経営者に成長すること」に置いてい
ます。
 そのための具体策として千葉県内では京葉銀行とタイアップして後継者塾の運営
を3年間にわたり行って来ました。すでに全国で550名を超える卒業生を輩出してお
り、今期も14か所で受託運営していますが、彼らを見ていると事業承継の難しさが
改めて浮かび上がってきます。

 事業承継の現場では、現社長「渡す側」と後継者「受け取る側」での、思いのす
れ違いがたくさん起きていることです。その典型が親子でのコミュニケーション不
足です。継いで欲しいのにハッキリと言わない親。言われていないのに、何となく、
流れで、いつの間にか後継者になった子供。

 「うちの子なんだから当たり前」「阿吽の呼吸でわかるだろう」「いちいち口に
出して言うのは恥ずかしい」などと、対話不足も甚だしい現状です。これはいった
いどうしてなのでしょうか?

 現社長は「すでに一度、事業承継を体験した人」を除けば、事業承継の素人だか
らです。
 人から学んだことのない人が、自分で教える側に回ることは出来ないのです。

 だからこそ後継者への外部教育の場が重要と言えます。後継者塾は高度に洗練さ
れた人間育成のプログラムです。経営はどれほど業種業態が違っていても、共通の
メソッドで学ぶことが可能です。
 そして、そこでは後継者の「胆が据わること」「腑に落ちる事」が求められます。
その点は教壇からの一方通行では教えきれません。学ぶ仲間が互いにその存在を通
じて「半学半教」を体現することで、互いに磨き合うことができるのです。
 後継者塾の講義が終わった後で、塾生が飲み会で思いを吐露する場面が多いです。
不安で眠れない夜もあり、現社長に反論できない悔しさ憤りをぶつけ合うこともあ
ります。そして仲間たちに支えられて、心が決まっていく。
 「僕がやらずに誰がやるのか」「私には宿命がある」「自分の運命と闘うつもり
だ」と。彼らの心の中から「本音が出てくる」と、代表交代のハードルは大きく下
がっていきます。

 ある時、現社長から驚きの言葉をもらいました。「どうせダメだろうと思ってま
したが、ためしに後継者塾に入れてみた。半年たって本人から『僕がやることに決
めた』という発言が出たんですよ!」
 「ハッキリしない」「何を考えているか分からない」「世代間ギャップが乗り越
えられない」そういう感覚がなくなったそうです。その理由が、後継者からは遠く
に見えていた現社長の実態が見えてきたからだといいます。

 「プレ事業承継の3年間」に行う事は、(1)会社の実態の把握、(2)会社の見え
る化、(3)会社の磨き上げの3点です。どれも後継者の教育に必要な視点です。
 会社の数字、利益を生み出す仕組みを把握できるようになって、初めて「やる気」
が出てきます。
 モチベーションの原点は「利益を生み出す仕組みの理解」です。どうやって儲け
るのか。なぜ、今日までこの会社は食べて来られたのか。顧客の信頼を、どうやっ
て勝ち得てきたのか。
 それらはすべて、現社長の頭の中にしまわれています。ブラックボックスの中身
を「見える化」する事から後継者の教育が始まるのです。
 後継者塾の宿題で、「会社の儲ける秘密を現社長から聞き出して来い」と言われ
て、初めて本気で会社経営の真髄をインタビューした後継者は、その重みを知り、
現社長に対する尊敬心が芽生えたと言っていました。

 事業承継において、親子のコミュニケーションは「意識して場を作り」、テーマ
を設定しなければできないものだと思います。



   第5回【勇気ある撤退戦略とは】会社を清算する時に
      <仕事の手仕舞いガイダンス>

 私の事業承継メルマガも最終回になりました。
 会社にも寿命のサイクルがあります。
 創業⇒発展⇒停滞⇒廃業…そのまま丸ごと捨てるのはもったいないですね!何も
しなければ企業の寿命は30年程度と言われております。それを越えて行くためには、
「企業は生き残り、人は亡くなる」という生命の摂理を受け入れ、「人と企業の分
離」を行い、事業承継を仕組み化してくことが必要です。上手につないで行ければ、
企業は永遠の命を刻むことも可能です。日本には創業100年以上となる老舗企業は、
全国で3万3,069社もあると言われております。(東京商工リサーチ 2016/12/2)

 経営トップという仕事ほど、この世に面白いことはありませんね。代表取締役と
いう高所大所から判断できる立場、その「役職と肩書き」がもたらす刺激、達成感、
称賛、それらすべてが、「社長という人生そのもの」だからなのでしょう。
 社長が会社に出社すれば、社員全員の注目が集まります。立ち上がって最敬礼す
る会社もあります。
 長年の取引先や関係会社から宴席やゴルフのお誘いも多く、立場上、乾杯の音頭
やあいさつに立つ機会も多いことでしょう。これは社会的承認という「評価価値」
そのものです。
 つまり周囲が勝手に自分の価値を高いものと評価して、それにふさわしい立場や
序列、役割を用意してくれるからなのです。半面、長期政権の末期には組織の腐敗
が進行し、汚職にまみれて信用を失墜するのは、人間という動物のサガなのかもし
れません。そんな悲惨な末路をたどらないためにも、「自分の最後は自分で決めて」
おかねばなりません。
 本田技研工業を起こした本田宗一郎は、いち早く社長の任期10年というルールを
決めていました。また、後継者は60歳での退任を約束させられました。それ以後
「任期10年」ルールは申し送られて、固く守られております。

 かくいう私も、本年2月末日代表取締役を譲り、株式の大半を譲渡し、他人である
副社長に事業承継を行いました。現在は取締役会長として、補佐役に徹しておりま
す。会社経営はすべて任せておりますが、一人のコンサルタントとしては人生経験
も長く、まだまだ後継者には追い付けるはずがありません。ですから「現場で一人
の職人として」生き生きと楽しく活動させてもらっております。

 そのために私は、株式会社の退任後の受け皿として「一般社団法人」事業承継協
会を設立し、代表理事の役職を作り、自ら創立者として収まっております。
 つまり、利益追求が必要で従業員の雇用や取締役会の運営が不可欠な、「会社と
いうものは譲って」おりますが、「社会貢献を目的とした一般社団法人」ならば、
「高齢者でも切り回して行ける」のです。
 いまやシルバー世代の活躍なしには、少子化の世の中は維持できません。生涯現
役をめざすなら、会社を譲ったのちに、誰にも迷惑をかけない組織を作り、運営す
ることができるように、現役時代からの準備をお勧めします。

 さいごに、「会社の清算は悪いことではありません」。遠慮なく手仕舞いしてく
ださい。
 ただしルールも法律もありますので、無理無駄を排除して、しっかりと準備をい
たしましょう。人生の最後を乱すことのないように専門家に早めに相談をし、「会
社の終活」をきちんと行ってください。

 世の中はすべて「リサイクル可能な循環社会」が出来上がってきました。会社も
使えるところは他人に譲って再活用してもらいましょう。
 企業のリサイクルこそ事業承継の意味であり、社会的責任を全うすることにつな
がります。(拙著「会社の終活読本」より)




             事業承継センター株式会社 取締役会長 内藤 博

              

          


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