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千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】


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             ◆ 連   載 ◆
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  「ビジネスコーチング―部下の力を引き出して、成果を上げる方法―」
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   第1回 コーチングの必要性「生産性をアップするコミュニケーション技術」

 働き方改革や人材不足により、多くの中小企業が労働生産性をどうやって向上さ
せるかという課題に直面しています。
 単純に残業時間を減らせば労働時間は削減されますが、売上やサービスの質が低
下するだけでなく、職場環境が悪くなるケースもあります。職場環境を改善しよう
と新しい人材を採用しても、なかなか若い人が定着しないといった現状もあり、深
刻な人手不足に頭を抱える企業も多いようです。
 職場環境を悪化させずに労働生産性を上げるには、どのような取り組みをすれば
良いのでしょうか。

<組織の成功循環モデル>

 マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した「組織の成功循環モ
デル」をご紹介します。組織の成功には、(1)関係の質、(2)思考の質、(3)
行動の質、(4)結果の質という4つの質の循環が欠かせない、という考え方です。

 お互いに尊重し共に考えられる関係が構築されると((1)関係の質)、良いディ
スカッションができるようになり、改革のためのアイデアを出し合えます。((2)
思考の質)自分たちで出したアイデアは実行したいと思うものです。自然と自発的
な行動が生まれ((3)行動の質)、成果が得られる((4)結果の質)ということ
になります。
 思うような成果が得られると信頼関係が強化されるため、更なる(1)関係の質の
向上に繋がり、組織の成長循環が生まれます。
 この理論のポイントは「(1)関係の質」の改善からスタートする、ということです。

 何故なら、(4)結果の質 からスタートすると逆に悪循環となるからです。
 例えば、成果を焦り過ぎると質より量が重んじられる傾向になり、思うような成果が
得られません。((4)結果の質)上手くいかないと、組織内では対立や責任の押し付
け合いが発生しやすくなり、関係性が悪化します。((1)関係の質)大抵は、経営者
やリーダーが命令してこの状況を打破しようとしますが、このやり方では、受け身で聞
くだけで考えない従業員を増やすことになってしまいます。((2)思考の質)
 従業員は、積極的に行動しなくなりますから((3)行動の質)、結果として成果が
上がらない((4)結果の質)という悪循環に繋がります。

<コミュニケーションを改善し、個人やチームの生産性を上げる>

 労働生産性を組織単位で分解してみると、「1人ひとりの労働生産性を上げる」また
は「チームの生産性を上げる」という考え方ができます。
 すると、効果測定という点では難しくなるものの、取り組みとしては至ってシンプル
になります。つまり、従業員一人ひとりのやる気を引き出し、良いチームを作るために
コミュニケーションを改善すれば良い、ということです。

そこで登場するのが、コーチングです。コーチングは目標達成や自己実現を支援するた
めのコミュニケーション技術です。
相手のやる気を引き出し、行動を促すことを目的に発展してきましたから、まさに、組
織の関係性改善にピッタリと言えます。

さて、今回は労働生産性を向上させるために、コミュニケーションの改善から取り組む
べき、という考え方をご紹介してきました。様々な方法論がありますが、企業の継続的
な成長を考える上で人材育成が欠かせないことは明白です。
次回は、組織内コミュニケーションに効果的なコーチングについて、もう少し詳しくお
伝えします。


      第2回 生産性を上げるコーチングとは(概要と基本的な考え方)

 前回、チームの成果を上げるためには「関係の質」から改善する必要があり、コー
チングが効果的であると述べました。

 コーチングは、自己実現のためのコミュニケーションスキルです。
 元々はスポーツが発祥で、大事な試合で選手が結果を出すためのメンタルトレーニ
ングや、チームの能力を最大限に引き出すためにコーチが選手達にどう関わるべきか、
といった研究から発展してきました。同じコミュニケーションスキルであるカウンセ
リングが、精神疾患の患者を治療するために発展してきたことを考えると、目的や対
象となる人の違いは明白です。
 そういった背景から、コーチングは目標達成を重視するアスリートや経営者といっ
た特別な人たちを対象に広まっていきました。近年では教育の現場や職場でも取り入
れられていますが、これだけ浸透した理由は、コーチングが目標達成だけでなく、組
織や個人の抱える課題解決に広く効果があると実感されているからでしょう。

<ティーチングとコーチング>

 組織で成果を上げるためには「お互いを尊重し、共に考えられる関係」から始める
必要があります。実際、経営者から「会議で、活発に意見が出るようにしたい」と言
われることが度々あります。あまり意見が出ていない、ということは、参加メンバー
に意見がないか、受け身になっているかのどちらかです。

 例えば、経営会議で活発に討議して欲しくても、経営知識が乏しければ討議にはな
りません。こういったケースでは、まず経営の基礎知識を教えること(ティーチング)
から始める必要があります。基礎知識が身につくと徐々に応用力が求められますが、
そこで効果を発揮するのがコーチングです。

 コーチングでは「相手の中に答えがある」と考え、それを引き出すことで問題を解
決します。具体的には、会話を通して相手に考えさせるのですが、すでに答えを持っ
ている人からすれば、教えた方が早いと感じます。しかしながら、ティーチングには
デメリットが2つあります。
 一つは、相手が受け身になりやすいことです。教わったことだけやらせていると、
それが当たり前になり、自分で工夫しない人になる可能性があります。
 二つ目は、自分の答えややり方が相手にとっては合わない場合があることです。能
力や得手不得手は人によって違いますから、自分にとって一番簡単でも相手にとって
は苦手な方法で逆に時間がかかることもあります。

 コーチングとティーチングのどちらを使うかは、その都度見極めが必要です。ただ
し、長期的には、自ら考えて問題解決できる人材を増やす方が効率よく成果が出るた
め、全体的にはコーチングを増やした方が良いでしょう。

<否定せずに話を聴くことから>

 会議で活発に意見がでないもう一つの理由として、参加者が受け身であることが考
えられます。実際、よくあるのは「発言すると、怒られる。」というケースです。み
んなの前で頭から否定するような上司がいれば、発言が少なくなるのは当然です。

 「何を言っても大丈夫。」「自分の意見も尊重される。」と感じれば、誰もが自信
を持って発言できます。そのためには、まず経営者やリーダーの話を聴く姿勢が大切
です。

 コーチングの基本は、相手の話を評価・判断せずに聴くことです。時間のない経営
者にとって、口を挟まずじっくり話を聴く、というのはなかなか難しいことですが
「相手の立場で聴こう」「まずは、否定せずに受け止めよう」という意識が大切です。

 次回は、「やる気の引き出し方」についてご紹介したいと思います。


               第3回 コーチングでやる気を引き出す

 前回は、コーチングの概要と基本的な考え方について述べました。コーチングの得意
分野は目標達成の支援ですが、最終的に結果を出すには本人の行動が欠かせません。

 結局、行動しなければ何も変わらないからです。そこで、考えたいのが「やる気」で
す。

<行動に必要な動機付け>

 コーチングでは、毎回、アクションプラン(行動計画)を設定します。セッションは
進捗を確認することから始め、最後は、次回までのアクションプランを決めて終えます。
目標達成のためにPDCAサイクルを回すわけです。
 しかし、期間が長くなるほど行動し続けるのは難しくなります。始めたばかりの頃は
やる気に満ち溢れ計画通りに行動できていても、時間が経てば意志の力や気力だけで続
けるのは難しくなるでしょう。

 そこで大事なのが、目標達成の動機付けです。目標を達成する魅力的な動機があれば、
やる気は自然に湧いてきて自発的に行動できるものです。動機付けをより魅力的なもの
にするには、本人の個人的な目標や大切にしている価値観を見つけ、それを取り入れる
ことです。

 一般的な仕事の動機付けとしては、ボーナスやインセンティブといった給与面での優
遇や、昇進などのキャリアアップを思い浮かべるでしょう。こういったメリットでやる
気が出ることもありますが、それほど魅力的に感じられないことも多いものです。
 特に、仕事に関する価値観は多様化しており、給与やキャリア以外の何か・・・例え
ば、やりがいや貢献感、仲間との関係性など・・・を企業に求める人もたくさんいます。

 そこで、従業員一人ひとりの「やる気」がどこにあるのか、掘り下げて話を聞く必要
があります。

<未来志向で考える>

 やる気を引き出す簡単な方法の一つは、理想の未来を具体的かつ自由にイメージして
もらうことです。できるだけ制限のない状態で「本当はどうなったら良いのか」を想像
するのです。
 なんの制約もない状態で描く理想の未来には、その人がワクワクしたり、感動したり
する「心を動かすエッセンス」が含まれています。心が動く、ワクワクするような未来
を想像したとき、「理想の未来を実現するために、早く行動したい!」という気持ちに
なり、自然とやる気が湧いてくるのです。
 このワクワクな未来を実現するための通過点の一つが、仕事の目標達成と感じられれ
ば、このやる気を仕事への動機付けとして利用できます。

 例えば、心が動く理想の未来の一つに「息子に尊敬される父親でありたい。」という
のがあったとします。これは、仕事とは全く関係のない理想の未来です。
 しかし、「売上目標を達成できたら、尊敬される父親像に近づく」と本人が感じられ
れば、「息子に尊敬される父親になるためにも、売上目標の達成を頑張ろう!」と思え
ます。

 目標達成の動機付けがしっかりできたら、あとは、時々、動機を思い出すことです。
行動を続けているうちに、目の前にあるやらなくてはいけないことに追われ、肝心の動
機を忘れてしまうからです。
 初心にかえる、と言いますが、目標を設定した時のことや、何故、目標達成したいと
思ったのか、などを思い出し、継続的な行動に結びつけましょう。

 次回は、アクションプランのコツについてお話しします。


               第4回 行動促進のためのコーチング


 前回は、目標を達成するために動機付けが大事であることをお伝えしました。
 コーチングでは毎回アクションプラン(行動計画)を設定し、目標達成のため
のPDCAサイクルを回します。そこで、今回はアクションプランを立てるコツにつ
いてご紹介します。

<実行しやすい容易さが大事>

 どんなに素晴らしいアクションプランでも、実行できなければ意味がありませ
ん。
 目標達成が遠のくだけでなく、メンタル面でも自信を喪失し「目標が達成でき
ないのではないか」という不安が生まれます。こうなってしまうと、やる気を出
すのに一苦労です。動機付けをし直したり、目標設定を一からやり直すなどして
仕切り直すほかありません。

 この最悪の自体を避けるためには、小さなことで良いので行動し続けられるよ
うにすることが大事です。「ベイビーステップ」と呼ばれますが、赤ちゃんの踏
み出す一歩くらい小さくて簡単なアクションが良いのです。

 実際、大きな成果はいきなり上げられるものではなく、小さな成果の積み重ね
からできているものです。ですから、「そんなに簡単なことで良いのか」という
くらい、簡単に行動できることにしましょう。特に最初は、「行動できている」
という自信を付けたいので、成果よりも良い状態を作ることに心を配ると良いで
しょう。

<ベイビーステップの作り方>

 プロジェクトマネジメントでは工程表を作成して進捗管理をしますが、工程表
を作るように行動を分解することでベイビーステップが作れます。

 例えば、新規顧客を獲得するために、キャンペーンを実施する、というアクシ
ョンプランを立てたとします。キャンペーンを実施するまでの工程としては企画
書作成、販促ツールの作成、広告・・・などがありますが、アクションプランに
落とし込むためにはこれを更に分解します。
 企画書作成を例にとると、「企画書作成のための費用対効果情報を収集」→「
過去のキャンペーン実績を調べる」→「以前の担当者に話を聞く」→「メールを
送る」という具合に、行動を分解したり、更にその行動をする一つ前の行動を書
き出します。

 (1)「これならすぐに出来る」と感じられる容易なもの、(2)「これをする
ことで目標に一歩近づける」という達成感が感じられる具体的な行動、(3)「や
りたい」と思える手段、という3つの条件が揃うのが理想です。全ての条件が揃わ
なくても、(1)実行する本人が簡単と感じられ、(2)手帳に書き込めるくらい
具体的な行動であれば実行できる割合が上がります。

 特に意外と見落としがちなのが、行動の具体性です。「キャンペーンをやる」
とか、「まずは、企画書を書く」というのは頭でわかっていても、どこから手を
つけるか、までは考えていないことも多いものです。自分の頭の中では分かった
気になっていることが盲点で実行を妨げますので、手間を惜しまずに分解した行
動を書き出してみてください。
 見える化することで、実行率は上がります。

 小さな行動を継続することが最終的な大きな成果につながりますから、「こん
な簡単なこと」と無視せずに、小さな行動も評価しましょう。

 次回は、コーチング実践のポイントについてお伝えします。


                     第5回 コーチング実践のポイント

 この連載も5回目となりましたので、これまでを少し振り返ってみましょう。

 第1回目では、組織の生産性を上げるためには「成果主義」に偏り過ぎず、関係
性の向上からスタートすることが大切だと述べました。そこで具体的なコミュニケ
ーションの方法として、コーチングが効果的だとご紹介致しました。
 続く第2回目ではコーチングの概要について、ティーチング(教える)と比較し
て特徴をお伝えしました。コーチングは相手の中に答えがあると考え、答えを引き
出す技術なので「聴く」ことが大切でした。
 第3回目は、コーチングの得意分野である目標達成についてでした。目標を達成
するには、本人が継続的に行動する必要があり、やる気を引き出すこと(動機付け)
で無理なく続けられます。
 そして、前回はアクションプランの立て方について、具体的な行動に落とし込む
のがコツでした。

 組織で成果を上げるには、現場の担当者が目標に向かってコツコツと行動するし
かありません。嫌々ながら仕事に取り組むのではなく、やり甲斐や楽しさを感じて
仕事ができれば生産性は上がります。
 そのための気持ち良いコミュニケーションスキルがコーチングです。

<反応は一人ひとり違う>

 第3回目「コーチングでやる気を引き出す」でも述べましたが、未来志向で考え
るのがコーチングの定石です。具体的には、「本当はどうなりたいか?」といった
理想の未来についてよく質問します。

 しかし、同じ質問をしても、相手や状況によって返ってくる答えは千差万別です。
 ワクワクする未来を想像するのが得意な人もいれば、逆に、「絶対にこうなりた
くない!」といったネガティブな未来を避けるために行動するのが上手な人もいま
す。イメージすること自体が苦手な人もいれば、自分の意見を話すことに恥ずかし
さを感じる人もいます。
 こういった違いは個性であり優劣ではありません。しかし、質問する側に欲しい
答えがあったり、価値観の違いを受け入れられなかったりすると、相手を低く評価
したり、批判したりしがちです。
 しかし、そこはぐっと堪えて、まずは相手の立場で話を聴くようにしましょう。

 相手の個性や価値観の違いを知って活かすことが、組織の成果を最大化する方法
です。傾聴は、一見、遠回りに感じられるかもしれませんが、中長期的な視点で着
実に成果を出すために、じっくりと取り組みましょう。

<変化を観察すること>

 コーチングのノウハウはある程度学べても、実践は試行錯誤の連続です。結果が
出るまで、最低でも3ヶ月と言われますが、小さな変化に気づくことが大事です。
いつもより慎重に観察してみてください。
 特に、良い変化に気づいた時は相手に伝えると、お互いに変化や成長を共有する
ことができるため、結果が出やすくなります。

 また、いつもと違うコミュニケーションを実践する時によく起こるのが、ネガテ
ィブな反応です。
 例えば、「いつも厳しい上司が、急に優しくなって気持ちが悪い。」などと部下
に言われると、頑張って笑顔を増やしている本人はショックを受けます。しかし、
これは変化が始まった良い兆候です。
 当たり前ですが、最初は相手も戸惑います。その後、慣れてくると「どうせ続か
ないだろう」と言った不信感が生まれます。それでも継続して初めて、「本当にあ
の人は変わった」と信頼されるのです。

 信頼関係ができるまでには時間がかかります。しかし、一度良い関係性が構築で
きれば、小さなことでは揺らぎません。焦らず、変化を楽しむ気持ちで取り組んで
頂ければと思います。


                第6回「リーダーのためのコーチング、まとめ」

 これまでは組織の生産性を上げるためのコミュニケーションとして、コーチング
を紹介してきました。
 リーダーが一人で奮闘するのではなく、従業員一丸となって課題に取り組み、組織
の力を最大化する・・・その具体的な方法として、従業員のやる気を引き出し、継
続的な行動を支援するコーチングのノウハウや考え方をお伝えしてきたわけですが、
今回はリーダーシップという観点からコーチングを紹介したいと思います。
 
<次世代型のリーダーシップ>
 
 サーバントリーダーシップ という言葉をご存知でしょうか。
 「サーバント」は英語で「召使い」や「奉仕人」などと訳され、「サーバントリ
ーダーシップ」とは、部下に尽くすタイプのリーダーシップとして紹介されていま
す。

 昔のリーダーと言えば「俺について来い。」と有無を言わさず命令するような、
カリスマ性がある強いリーダー像を思い浮かべます。こういった従来のリーダー像
は「指示型リーダーシップ」と呼ばれています。1人のリーダーが組織のトップに
君臨し、たくさんの部下が1人のリーダーを支えるようなイメージです。
 一方、サーバントリーダーシップは真逆の構造です。リーダーは縁の下の力持ち
的な存在で一番下から多くの部下を支えます。
 
 どちらのタイプのリーダーが優れている、というわけではありません。ただ、働
き方や仕事に対する価値観が多様化する現代で、従来の指示型リーダーシップでは
肝心の部下が付いて来ないケースも出てきました。そんな中、一人ひとりの個性や
価値観を尊重し、自発的な行動を促すサーバントリーダーシップが、次世代型リー
ダーシップと言われ多くの人から受け入れられているのです。

 サーバントリーダーの特徴は、部下を力で従わせようとするのではなく、まず、
リーダーが部下に尽くし信頼されることで、自然と人が従う『リーダーシップ現象』
が起こるという点です。
 部下がリーダーと認め「この人について行きたい」「この人の夢を一緒に叶えた
い」という気持ちになると、自ら組織に貢献しようと自発的な行動が起きるわけで
す。
 そして、従業員一人ひとりが自ら考え行動することで、能動的に成長する理想的
な組織へと変化していきます。

 しかしながら、まず部下に尽くす、とは、具体的に何をすれば良いのでしょうか。
 組織や環境によって変わると思いますが、会社と従業員について考えると、従業
員の自己実現を支援すること、と言えるのではないでしょうか。従業員は職場での
役割をとおして自己実現を目指し、リーダーはそれを支援するとともに、組織の力
で自己実現を目指すわけです。

 自己実現を支援する時に有効なコミュニケーションはコーチングです。
 理想の未来を描き、やる気を引き出し、小さな行動を促します。夢に向かう過程
では、きっと上手くいかない時期もあるでしょう。そんな時、支援してくれる存在
は心強いものです。
 少しでも行動し続けること、小さな一歩を促すことが、着実に理想の未来へと近
づく方法です。

 理想の組織を創るためのツールとして、小さなことから実践して頂ければ幸いです。



                        SPIRIT FREE 代表 小島佳織


          


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