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千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】


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         地方中小企業における副業人材の活用
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  第1回 マスコミが騒ぐ、副業解禁の本当のところをあなたは理解してる?

 皆さま、はじめまして。今回から表題をテーマに6回に渡って連載することになり
ました、株式会社groovesの鈴木と申します。どうぞよろしくお願い致します。

 さて、会社を経営される皆さまには少子高齢化に伴う人材不足や、東京一極集中
による人口減少が、より現実感を伴い重い悩みとなっているのではないでしょうか。
 ・将来の事業展開・拡大に向けた各種戦略の構築
 ・組織全体の生産性向上を図るための人材育成
 どちらも「経験豊富な人材」が必要なのは言うまでもありません。

 そんな経営者の悲痛な声が届いていないのか、厚生労働省は2018年1月「副業・
兼業の促進に関するガイドライン」を公表しました。従業員に他社での副業を解禁
しなさいというのです--!

<副業解禁は中小企業の超・大チャンス到来!!!>

 「皆さん、貴社も副業解禁すべきです!」なんてオススメするつもりはありませ
んのでご安心ください。私はむしろ、「したたかに活用しよう!」という立場です。

 政府の「副業解禁」発表を契機に、トレンドに敏感な大企業やITベンチャー企業
などが、続々と副業解禁を発表しています。Yahoo!やロート製薬、サイバーエージ
ェント、サントリー、メルカリ……名だたる有名企業がその名を連ねています。
 つい最近で言えば、みずほフィナンシャルグループの副業解禁が大きく報道され
ました。

 圧倒的な資本力、ブランドを武器に優秀な人材を集め、生産性向上、新規ビジネ
スの最先端を追求する超有名企業が副業を解禁する。
 もう少し砕いて言えば、そこに勤める「優秀な人材」が他社で働くことを解禁さ
れたわけです。

 一方で中小企業の皆さまは経験豊富で優秀な人材確保(正社員採用)が難しい。
 私が超・大チャンス到来という真意が伝わったでしょうか?

<これまでの「副業者」との圧倒的な違い!>

 おそらく、読者の皆さまは「副業」と聞いて、心理的にあまり良いイメージを持っ
ていないかもしれません。かくいう私も以前はそうでした。

 副業といえば、お金目当て。利己主義。怪しい商材……。現にインターネットで
検索すれば、そうした射幸心を煽る文言が飛び交っています。つまり「お金」に飛
びつく人材層というイメージが、あまり良くない印象を醸成しているのです。

 しかし、2018年からの副業者は全く違います。すでに正社員として高待遇を受け
ている彼らは「お金」より「社会貢献」や「新しいやりがい」を求めて副業を探し
ています。
 しかも最先端のビジネススキルを有し、それを活かす副業先を求めています。
 正社員採用が難しくても「他社の正社員を副業で雇い入れる」ことで、事業に新
しい風を取り入れ、次世代に生き残る企業への変革を模索することができるのです。

 自己紹介が遅れましたが、私はこうした地方中小企業と、都市部人材を副業でマッ
チングする「Skill Shift」というサービスを運営しています。
 サービスを通じて、すでに全国各地で成功事例が生まれつつある中、私は立地に
恵まれる千葉県の経営者の皆さまにも発想の転換を提案したいと思い、今回筆をとっ
ている次第です。

 次回は「人材採用における地方中小企業の本当の課題」についてお伝えします!



              第2回 人材採用における地方中小企業の本当の課題

 皆さま、こんにちは。groovesの鈴木です。先月、政府より重大発表がありました
ね。
 2020年度から5年間の地方創生の方向性を示す「まち・ひと・しごと創生会議」に
おいて、「地方企業での副業受け入れ促進」が主要政策として発表されました。

 奇しくも、本連載で伝えたい内容そのままが政府戦略になったわけです。
 いよいよ政府も本腰を入れ始めた副業人材活用。皆さま、今回も最後まで是非お付
き合いください。

 <中小企業に、最も足りない「◯◯人材」とは?>

 もはや時候の挨拶のようにすらなった「人材が採用できなくて〜」というフレーズ。
気がつけば、ついつい口にしていませんか?
 優秀な経営者である皆さまには釈迦に説法かと思いますが、今一度「人材」の分類
について整理したいと思います。

 経営の最も重要なリソースである「ヒト」を、ざっくり分けると「労働人材」と「
中核人材」に分類されます。労働人材は、特殊な技能はないけども事業運営に欠かせ
ない人材で、いわば今ある現場・事業を維持する役割。
 一方で中核人材は高い専門性や豊富な経験を持ち、経営の基盤となる人材。いわば
将来に生き残るための道筋を策定する役割です。

 地方の中小企業において、最も採用が難しいのが、この「中核人材」です。
 なぜなら、彼らは例外なく、都市部を中心に資金力の豊富な企業により高待遇で囲
われていて、転職時でも表に出てくることは殆どありません。

 この中核人材が採用できないため、企業はじわじわと深みへ足を引き込まれ、気が
つけば身動きの取れない状態になるのです。

 <中核人材が来ない。そこに潜む負のスパイラル>

 日本の歴史を紐解けば、徳川幕府による鎖国時代、日本のGDPの伸びはほぼ横ばいで
した。つまり、経済発展がなかったわけです。明治維新後に西洋文化が入り、それを
貪欲に取り込んだ結果、世界第二位の経済大国にまで日本は驚異的な経済成長を遂げ
ました。国家レベルでのイノベーションです。

 現代の企業成長においても原理は同じです。豊富な経験を持つ優秀な人材が中途入
社することにより、その会社は「人材」を通じて他社の知見や新しいノウハウを入手
する。そうすることで業務改善やIT化、新規事業などを迅速に実行し事業拡大ができ
るわけです。

 事業であろうが、国であろうが成長には外部の知見を取り入れることが必要不可欠
なのです。

 競合他社は、毎日少しずつ進化する。自社は鎖国したまま。気がつけば何から手を
付けていいか分からないほどその差が広がる。これは非常に怖いことです。
 人口減少・流出により正社員採用という道が塞がれた今、こうした状態に陥らない
ために出来ることが「副業人材」の活用だと思いませんか?

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
 次回は「副業人材ってどんな人たち?」をテーマにお伝えします!



       第3回  副業人材ってどんな人たち?

 皆さま、こんにちは。groovesの鈴木です。2018年から解禁され続々と増える副
業人材について今回は事例を通じてご紹介していきたいと思います。優秀らしい
ことは分かったんだけど、いまいちイメージが湧かないな……という皆さま、必
見です!

<お金目当てで副業しない!の本音>

 第1回で、いま副業解禁されているヒトは「お金目的じゃない」とお伝えしまし
た。
 これ、もう少し正確にご説明すると「報酬が高いと怖い」が本音なのです。

 彼らは正社員として本業を持っています。何十万もの報酬が設定されている仕事
は、当然、高い成果を要求されるという「圧迫」があります。時間の融通がきくプ
ロのコンサルタントならいざしらず、本業を抱えながらやるには少々無理です。
 このため、不思議なことに忙しくて稼いでいる人ほど、それほどお金を要求しな
い傾向にあります。

 私が運営する副業マッチングサービス「Skill Shift」では月に1回の会社訪問に
よる面談+本業の合間にアドバイスや資料作成といった業務サポートを基本の副業
スタイルとしています。企業が提示する報酬は平均で5万円程度と決して高額では
ありませんが、これまでの実績としては非常に多くの人材から応募があります。

<業務スキルの幅を広げたい!>

 群馬県のとある企業で外国人観光客向けのマーケティング戦略を副業で行ってい
る人物をご紹介します。彼の本業は金融業で、マーケティング部の部長。
 本業の金融商品の戦略ばかり考えていると、専門性は高まりますが自分のできる
マーケティング領域が「狭まる」という危機感があったそうです。

 「本業とは違う事業のマーケティングを手伝うことで、自身のキャリアの幅が広
がり、結果的に、労働市場における自分の価値を高めることが出来る」

 実はこうした理由で地方企業での副業を希望する方は、比較的多いのです。競争
の激しい都市部でいかに自分の市場価値を高めるか。
 規模が小さく、仮説や応用を「実践」できる地方中小企業は、スキルアップの良
い機会なんだそうです。

<帰省+地域貢献したい!>

 岩手県出身で、東京のITベンチャー企業に勤める方の事例です。これはもう、見
出しの通りです。将来的にUターンも考えているものの、生活のベースは東京にある。
 これを今すぐ崩して地元に戻るのはなかなか難しい。

 「活気が無くなる地元を元気にしたいけど、どんな役に立てるかわからない」

 こうした地元愛にあふれる地方出身者も東京には多くいます。自分の持っている
ビジネススキルが、地元経済の活性化に少しでも役に立てるなら……。と、地方に
立地する中小企業での副業を希望されるのです。

<まとめ>

 今回は、一番多いパターンの副業動機例をご紹介いたしました。他にも「趣味の
サーフィンで訪れるついでに」「移住のお試し」とか「妻の実家が…」など理由は
千差万別です。

 共通しているのは「今ある単調な生活に刺激がほしい」といった欲求かもしれま
せんね。
 さて、次回は実際に副業者をどう受け入れているのか?
 千葉県・銚子市の企業の事例をご紹介致します。



   第4回 副業人材の活用でイノベーションが起きた!(狩猟民族編)

 皆さま、こんにちは。groovesの鈴木です。前回、都市部人材が副業する理由を中
心にご紹介しました。今回は実際に副業人材をいち早く受け入れた企業の事例を元
にご紹介させていただきます。

 また、副業人材を活用するに当たって「相性」もありますので、よくある人物の
タイプ分け「狩猟民族」と「農耕民族」のイメージと共に事例をお伝えします。
 (今回は狩猟民族編です!)

<狩猟民族型人材ってどんなヒト?>
 酸いも甘いも噛み分けた読者の皆さまであれば、なんとなく想像がつくかと思い
ます。
 狩猟民族タイプは、自分の意見や仮説を行動に移すヒト。
 こういうタイプは本業で満ち足りることはあまりなく、何らかのストレスを抱え
ています。
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 30代女性向けの商品を中心に販売する企業に勤める、営業部のAさん。
 30代女性の行動や関心を熟知し、営業成績は非常に良いものの、最近、会社が開
発する新商品に不満がある。

 「自分なら、もっと良い商品を作れる!会社はユーザが求めるものを理解してい
ない!」

 と、思うものの、営業として培ったキャリアを捨て、新たに商品企画やマーケテ
ィングに異動希望を出すほどの決意はない。営業という仕事自体が好きなのだ。
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 例えば、こんなヒトは世の中にゴロゴロしています。
 興味の範囲が広く、あれもしたい!これもしてみたい!という知的好奇心が旺盛
です。

<事業課題や打ち手が不明瞭なときにベスト!>

 こういう人材は、事業課題や打ち手が不明瞭な場合に力を発揮して、企画を提案
・推進してくれます。前回お伝えした金融業のマーケティング部の部長のような人
材をイメージしてもらえると良いかもしれません。

<株式会社銚子スポーツタウンの副業人材活用>

 銚子スポーツタウン(代表取締役:小倉和俊氏)は銚子市経済活性化を目的とし
て、旧市立銚子西高校をリニューアルさせ、2018年4月スポーツ合宿施設を開設し
ました。銚子市内にはスポーツ者向けの宿泊施設が無く、それが地域の活性化に結
び付くと考えたそうです。

 「開始からある程度の利用者数は伸びたものの、認知度の向上、利用者数の更な
る増加には『新しい企画』が必要だと、ある時を境に強く感じるようになった」
(小倉社長談)

 数少ないスタッフでアイディアを出し合っても、どこかでやっているようなもの
ばかり。とは言え、新しく「広報」や「マーケティング」人材を募集する事もでき
ない。そこで着目したのが、都市部人材の副業募集でした。

 現在、銚子スポーツタウンは月額3万円の条件で、都市部を中心に副業者を5名採
用しています。16名の応募者の中から、銚子スポーツタウンを活用して「実現した
い具体的な案」を持っている人材を選りすぐり、採用したそうです。

 「プロフェッショナルを1人正社員で採用すれば、どんなに低く見積もっても、
年収500万円は必要。副業人材なら1/10以下で済む。彼らは、私が思いもつかない
ような面白い提案をしてくれる。1人分にも満たない人件費で、複数の意見を取り
入れられるし、彼らも面白がってプロジェクトに参加してくれている。数値に反映
されるのはもう少し先だが、非常に活気を帯びてきた」(小倉社長談)

<まとめ>

 小倉社長のように「全く新しい打ち手(新商品や新規事業含む)」といった企画
力が欲しい場合、何らかの仮説を持っている人材=狩猟民族を探し出すと非常にう
まくマッチすると言えます。小倉社長はひたすら「ウチで何がしたいか?できそう
か?」を面談で聞いたそうですよ。

 次回は「農耕民族編」を企業事例とともにご紹介いたします!


    
   第5回「副業人材の活用でイノベーションが起きた!(農耕民族編)」

 皆さま、こんにちは。groovesの鈴木です。前回は「狩猟民族編」と題して副業人材
を受け入れた銚子スポーツセンターの事例をご紹介いたしました。
 今回は「農耕民族」のイメージと共に事例をお伝えいたします!

<農耕民族型人材ってどんなヒト?>

 狩猟民族タイプは、自分の意見や仮説を行動に移すヒト、というのは前回お伝えし
た話。では農耕民族はどんなタイプか?
 私は「緻密な計画を立ててから行動し、積み重ねの仕事をするヒト」と定義します。

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 社会の潮流にのり、自社でも働き方改革や副業解禁が導入された。
 自分なりに色々な情報を収集し、副業に興味があるけど、どんなことをやったらよ
いか、自分の能力が通用するか非常に不安でもある。

 「こんな自分を必要としてくれるなら、誠心誠意尽くすのだけど…」
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 能動的でやりたいことが明確な狩猟民族よりも、日本人はこうしたタイプの方が多
いのではないでしょうか?

<農耕民族は「縁の下の力持ち」>

 農耕民族の多くは受動的です。計画の元となる課題や目標が与えられた方が動きや
すいのです。部署ごとの「生産性向上」や「人材育成」といった、明確な経営課題が
ある場合に、力を借りるといいでしょう。

 帰属意識、貢献意欲が高く0→1を立ち上げるより、「仕組みを改善」することが得
意なのです。

<農耕民族7名を活用する株式会社オキスの事例>

 鹿児島県鹿屋市に立地する農業法人「オキス」。いまや40名規模の組織となり、さ
らなる事業拡大を目指しているものの、それを阻む大きな課題があったそうです。
 それが「生産性向上」と「人材育成」です。

 より大きく事業を展開するためには、営業部はじめ管理部などの生産性向上が必要
不可欠。これまでのやり方では通用しなくなることが目に見えています。
 そこで、ハローワーク、求人広告、人材紹介会社などあらゆる手段を活用し、中核
人材となる経験豊富な人材の採用を進めてきましたが……。

 「これという人材の応募すらなかった。困った挙げ句、高いコストをかけて経営コ
ンサルに依頼したこともあったが、人材育成にも、生産性向上にも費用に見合う効果
はなかった」(同社経営企画室・岡本さん)

 致し方がなく、本来、経営戦略を担うはずの社長が各現場の指揮を取り続ける状態
が続いていたそうです。

<副業解禁に、いち早く着目!>

 こうした状況をなんとか打破するために着目したのが「副業人材の活用」でした。
 「駄目で元々」程度の期待で副業人材を募集したところ、約1ヶ月で26名もの応募が
殺到したのです。

 「地元では絶対に出会えないような優秀な経歴の人たちが応募してきた。彼らは自
分たちの知らない手段をたくさん知っている。彼らと一緒に仕事をすることで、これ
までの従業員の視座も上がり、都市部企業の業務ノウハウを取り入れることができた」

 例えば、営業部には誰もが知るグローバルIT企業のマーケティング部に所属する人
材が参画しています。これまで属人的だった営業施策を数値で可視化し、効果検証を
することで、既存の営業人員の動きがガラリと変わりました。

 「生産性向上や人材育成は、一朝一夕ではできないが、少なくとも目に見えて変化
は起きている」

<まとめ>
 ここまで狩猟民族、農耕民族のタイプ別で副業人材の活用についてご紹介してきま
した。皆さまの経営課題に活用できるイメージは湧きましたでしょうか?

 第6回となる次回は「副業人材採用におけるマメ知識」です。これまで副業人材活用
をしてきた全国の経営者様から頂いたノウハウをご紹介します!

   

        第6回「副業人材採用におけるマメ知識」

 皆さま、こんにちは。groovesの鈴木です。副業人材活用についてお伝えしてき
た連載も、早いもので最終回です。今回はこれまで副業人材を活用してきた経営者
様からのノウハウをまとめたマメ知識をお伝えしていきます!

<応募があったら、まずは情報交換がてら話してみる!>

 副業の応募をしてくれる方が、どんなことを求め、何が出来るのか不安じゃあり
ませんか?それは、副業者も一緒です。経営者が何を考えどんなことを目指してい
るのか?

 正社員採用の場合はやらせたい業務内容が明確ですが、副業人材には「何らかの
新しい風」を期待するわけですから、書類選考では到底わかりません。まずは話し
てみることが重要です。
 そうすることで、経営者の皆さまも自分の頭の中が整理される。その結果、「実
は◯◯を先にやったほうが良いのか!」と気づきを得ることも多いそうです。

<超簡単!副業人材選考ノウハウ>

 新規事業の企画や部署の生産性向上は、どちらもプロセスに正解がありません。
また、経営者自身がその領域を正確にジャッジできる知識もありません。そうした
状況で、どうやって自社に合う人材を見つけているのか?

 答えは簡単。「とことん質問する」です。

 もしマーケティングに関するアドバイスを求めるのであれば、「うちの商材をWeb
で集客できるか?どうやって?」「どのくらいの期間でいくら必要?」「あなたは
何をしてくれて、私たちは何をすれば良い?」「進捗確認の方法は……?」など納
得いくまで質問しましょう。その分野に精通した人材であればすべての質問へ明確
に回答できるはずです。

 また、「30歳、ITベンチャーのマーケティング部です!」と語る人材が副業で応
募してきたとしましょう。経営者の皆さまから見れば若者の領域かもしれませんが、
彼らは業務を通じてマーケティングを実践し、常に試行錯誤しているプロフェッシ
ョナルです。質問に対する回答がイメージしやすい内容であればそのヒトを採用し、
答えられない、または回答が抽象的でイメージしにくい場合は実力不足と判断して
お断りすればいいのです。

<募集しても応募者が来ない求人内容>

 副業希望者の多くは経験豊富で、正社員としての仕事を持っている人材です。
 そういった人材に対し、以下のような求人を出しても応募はありません。

 1.時間を拘束する:毎週20時間仕事しろ!
 2.作業の領域:テレアポ30件やれ!チラシを配布しろ!
 3.金額と見合わない:これも、あれも、それも、どれもやってほしい!
 4.成果報酬型:やった分に応じておカネを支払います!!
 5.納品・作業型:◯月までにHP制作お願いします!
 6.知的財産系:技術者募集!

 副業者は、実践的な知識やノウハウを社外から提供してくれる役割。これらの内
容は「経営者に都合の良い労働力」としての扱いですので応募もありません。

<応募の集まる求人内容例>

 農耕民族:生産性向上や人材育成
 狩猟民族:新規事業や商品開発といった企画
 上記のタイプに沿って、自社の課題解決を募集すると非常に集まりやすくなりま
す。

 例えば「人事」業務の改善で、生産性向上・人材育成を求める場合は……
 「人事強化!業務改善のアドバイスをお願い致します!」となるでしょうし
 新しい人事制度の設計などは狩猟民族の方が向いていますので……
 「弊社の事業に即したユニークな人事制度設計を求む!」となります。

 どちらも共通するのは、意見を聞きたい!助けて!一緒にやろう!という姿勢を
示すことがキーポイントとなります。

<契約あれこれ>

 最後に契約についてです。内容については、どういう業務になるのか不明ですの
で、ここでは触れませんが、主に契約期間についてご紹介します。

 「副業での関わり」という未知のスタイルに、経営者も副業者も不安がいっぱい
です。ですので、6ヶ月とか長い縛りを設けず、1ヶ月の自動更新などにしておくと
良いそうです。その場合、契約時にお互いの認識を確認しておくことをお忘れなく。

 「あなたの本業が忙しくなることもあるだろうし、弊社もどうなるか分からない。
どちらかに無理が来たときは、お互い相手の状況を尊重して身軽に対応しよう」

 その一言があるだけで、副業者の心も非常にラクになるそうです。多くの場合は、
長期間に渡って副業者が活躍しているようですが、「ちょっと違うかも……」とい
う相手を選んでしまう可能性もありますので、その時のリスクヘッジにも繋がりま
す。

<まとめ>

 副業人材活用についてこれまで6回に渡ってご紹介してきましたが、皆さまいか
がでしたでしょうか? 
 皆さまの事業が、副業人材活用で活気に満ち溢れることをお祈りしております!


                               株式会社grooves
                 Skill Shiftゼネラルマネージャー 鈴木 秀逸


 


        


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