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オンラインショップを上手に運用するために 購買意思決定を促す仕掛け作り

すでに自社サイトにおいて商品を購入したことがあるリピータが、再購入目的のために自店のサイトを訪れて商品を購入する場合は、商品内容もすでに知っているために、意思決定までの過程は単純で早い。しかしながら、初めて商品購入をしようとする顧客は、購入意思決定および購入後の評価に至るまで、様々な思考過程を経るとともに、そこの複雑な消費者心理が働いている。

購入までのプロセス 消費者心理にもとづく行動およびアプローチ
ニーズの認知 (1)イメージを売り込む
(2)価値観に訴える
情報の収集

選択肢の評価
(1)権威(専門家であること)を売り込む
(2)情報を提供して、安心感を与える
(3)限定販売による希少性
(4)購入者が参考にする他人の意見や購買行動を表示する
(5)『こだわり』を前面に押し出す(連合の原理)
購入の決断 (1)残量(期間・数量)による購入の決断を促す
購入後の行動 (1)認知的不協和の解消(買って良かったと思わせる)

1. イメージを売り込む

自社サイトに訪れた顧客は、自分のニーズに合致する商品があるかどうかを探索し始める。ただし、必ずしも、全ての顧客が明確なニーズを持っているとは限らない。このような顧客に対しては、商品を使っているイメージを具体的に見せることで、ニーズを気づかせるが必要である。

図

商品の説明を詳細にホームページ上に記述することは必要であるが、このような詳細な情報収集行為は、次のステップ「情報の収集・選択肢」である。自社サイトに訪れた直後の購買者は、自分のニーズに合致しているかどうかを短時間で判断するため、顧客にイメージを喚起させることが必要である。例えば、商品の写真を掲載する場合にも、商品単独を掲載するのではなく使っている状態を演出した写真を掲載することで、使っているイメージを抱いてもらう。

2. 価値観に訴える

日用品を購入しようとする消費者の場合には、「非日常性」を求めることは少ないが、やや単価が高い商品を購入しようとする顧客の場合には、顧客が持つ価値観に訴えることが必要である。

  • 「自分へのご褒美」、「自分へのプレゼント」
    消費者の中でも、特に女性は、「自分へのご褒美」「自分へのプレゼント」は、購買動機に結びつきやすい。
    あるデパートの調査では、「バレンタインデーのチョコレートを自分用に買う」とする女性は、全体の約80%になり、その購入予算は、「本命」チョコレートよりも平均約200円上回るという結果もある。「自分へのプレゼント」という非日常性においては、財布のヒモも緩みやすいと考えられる。
    このことから、店主が厳選した商品を「自分へのプレゼント」コーナーに掲示するなどの販売方法も女性購買者に対する訴求力が大きいと思われる。
  • 「○○の記念日」
    「自分へのご褒美」と同様に、「○○記念日」というのは、「非日常性」を感じやすく、これも財布のヒモが緩みやすくなる。
    このように、購入する理由を提供することにより、購入者が抱く「こんな買い物をしても良いのだろうか」「高すぎないだろうか」という気持ちを緩和することができる。これは、消費者の「認知的不協和の解消」といわれ、自らの消費行動を正当なものと理由づけを行い、「心のバランス」を保とうとするものである。

3.「権威」(専門家であることを売り込む)

消費者は、専門家の意見に対して、「権威」を感じ、この人が薦める商品は良い商品であると考える傾向がある。ここでいう「権威」を感じる専門家というのは、下記のように、その商品に関連する領域を長い間、専門的に研究してきた人を言う。

『権威』を感じる専門家
 ● 商品に関連する知識や技術を専門領域として研究している大学教授
 ● 商品に関連する知識や技術を専門として何年も携わっている研究家
 ● 数多くの経験を積み重ねてきた研究家(例:ラーメンの食べ歩き)
 ● 確立されたブランドや機関から認定を受けた人

消費者が、この人は専門家であると感じなければ、その人の発言に「権威」を感じることはない。長い間、商品に関する研究や知識の蓄積をしてきたことをホームページ上に告示するとともに、「権威」を感じさせる背景や身なりを準備することが必要である。(「連合の原理」)
例えば、「職人の手作り」というキャッチフレーズで商品を売り込む場合、いかにも頑固そうな親父が気難しいそうな顔つきで商品を作っているシーンを演出し、この写真をホームページ上に掲載するのである。
また、自社の商品を初めて購入しようとしている顧客の購入意思決定を促すためには、「頑固な職人が選んだ逸品コーナー」のように、「権威」を感じる専門家が薦める商品を提案することが効果的である。

4. 限定販売による「希少性」を売り込む

消費者は「希少性」というものに価値を感じる。この希少性というのは、「自分しか持っていない」(オリジナリティの希少性)と「数量に限りがある」(限定販売)という点である。
オリジナリティの希少性は、オーダーメイドが代表的なものであるが、ここで、消費者が自らの好みを反映させ、選択して組合わせることができるものも「オリジナリティ」に含まれる。このように消費者が自らの意思に基づき決定した場合には、「コントロールの錯覚」(自ら選択したモノの価値は、自分で選択しない場合よりも価値が高まる)という心の状態が生まれ、消費者に価値を感じてもらうことができる。
また、限定販売は、その限定される理由がハッキリとしていなければ、消費者は価値を感じない。こだわった結果、数量が限定されているというものであれば価値を感じるため、必ず、限定販売の理由を掲載して、消費者にアピールすることが必要である。

図

5. 他人の意見や購買行動を表示する

消費者は、周囲の人の意見や行動に少なからず影響を受けて、購買行動を行う傾向にある。購入時に他人の評判を参考にする人は多いので、ネットショップでは、商品の案内とともに購入した人からの商品に関するコメントを掲載することで、他人の意見を容易に参照することができるようにすると良い。
また、周囲の人の行動に同調する傾向も強く、「売れている商品は良い商品である」と考える。このような購買行動に対応するために、商品の販売履歴(販売数量)を表示し、売れているというイメージを与える。

6. 「こだわり」を前面に押し出す

ネット販売による商品購入は、商品を直接見たり、触れたりすることなく商品を購入するため、消費者は、自らが収集した情報を組合わせて、その商品が良いものかどうかの評価を行う。

図

この中で、特に重要な情報は、ショップが持っている商品への「こだわり」である。どのようなこだわりを持って商品を製造しているか、または提供しているかを購買者にアピールすることが必要である。なお、この「こだわり」に共感を覚えてくれる人が顧客になるのであるから、「こだわり」に関する情報提供には力を入れるべきである。

7. 残量(期間・数量)による購入の決断を促す

テレビの通販番組などで、現在までの注文数量と在庫数量を表示し、在庫数量が減っていくのを視聴者にアピールするのを見たことがある人も多いであろう。これは、商品に関する情報提供も受けて、最後の購買意思決定段階に至ったが、なかなか購買意思決定に踏み切れない顧客お背中を押す効果的な方法である。

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目の前で、どんどん商品が売れていくのを見ると、「売れている商品は良い商品」と言う評価にもつながる。また、売り切れになった場合でも、ホームページ上に、その売れ行きを掲載することで、次の販売時には購入したいと思わせることにより、更なる購買につなげる事ができる。

8. 買って良かったと思われる努力

購入者は、商品購入後も、自らの判断(購買意思決定)が正しかったどうかを検証する。この時に、自らの行動が正しかったと思えれば、その顧客は満足をして、次の購買(リピート購買)につながっていく。この傾向は、高価な商品を買った時に顕著である。

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商品購入後に、別の店でもっと安い値段で売っていたのを知り、購買したことを悔やんだり、車の購入後、自動車専門誌に掲載されている自分が購入した車に対する良い評価を見てうなずいている、これらの行為は、全て購入後の意思決定の評価である。
なお、「売り切れ」の状態の商品をホームページい掲載しておくことは、自分が購入した商品を多くの他人も購入していると安心することができるため、効果的である。

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