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千葉県産業情報ヘッドライン(連載特集)今さら聞けない!非対面型ビジネス入門1 オンライン活用 バックナンバー

  • [2020年11月16日]
  • ID:2797

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    今さら聞けない!非対面型ビジネス入門1 オンライン活用

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     第1回 「コロナ禍で拡大する非対面型ビジネスと補助金情報」

<コロナ禍の状況>

 「コロナ」が価値観を変え、先が見えない時代となりました。今は淡々と出来る

ことをやるしかない、でもモチベーションはどこから引き出せばよいのか、そして

何をすればよいのか、そんな経営者の声が聞こえてきます。中小機構の発表(第

160回 中小企業景況調査) した中小企業の業況判断DI(令和2年4-6月期)を見

ると業況感はリーマンショック時を下回る過去最低の水準で、下げ幅も過去最大と

なりました。世界中に大きな変化が起こっており、今までのビジネスモデルでは通

用せず、特に不特定多数を相手にするBtoC対面型ビジネスモデルは、「非対面」へ

の変革が迫られています。

<非対面型ビジネスについて>

 2020年5月度のネットショッピング利用世帯(2人以上の世帯が対象)の割合が、

初めての5割超えとなる50.5%となり、それまで縁のなかった高齢者の世帯でも家族

や知人の勧めもあり、電話などでの通販以外にネットでの購入も増加しています。

 そんな中、対面での形態を変更せざるをえない業界では、「非対面型のビジネス

モデルへの転換」への取り組みが急速に進んでいます。

 例えば、小売業の場合、ECサイト導入と共にセルフレジの導入が進んでおり、購

入者が自らバーコードを読ませて代金を支払うフルセルフレジが先行しています。

日本では2003年にイオングループが試験導入して以来多くのスーパーが導入を進め、

今ではセルフレジにも行列が出来るようになりました。 この先、米国や中国が先行

しているAIによる画像認識やセンタータグ付き商品の増加で完全無人化が進むと考

えられています。また無人でなくとも なるべく接触を減らすキャッシュレスでの支

払いも増え、若い人が現金での受け渡しをしている風景はあまり見なくなりました。

次世代の常識はいつのまにかキャッシュレスになったのです。

 飲食業の場合は、「BASE」などネットショップアプリを使った食材の販売や、「ウ

ーバーイーツ」などデリバリー アプリを使った宅配が多くなりました。なお、ネッ

トショップもデリバリーもハードルが高い面があり、中小の飲食店では、テイクアウ

ト対策への取り組みが進んでいます。「menu」などテイクアウトアプリを使うと事前

に予約や決済が出来るため、無駄の少ないビジネスモデルになり、お勧めです。また

イートインでもお客様の注文方法によって、非対面の度合いが変わります。店員が客

席まで出向き注文を取るよりは、店が用意したセルフオーダー端末で注文した方が、

接触は少なくなります。なお、テーブルごとのタブレットの用意にはコストが掛かっ

ていましたが、現在はお客様が「自身のスマホで注文する」といったモバイルオーダ

ーが増え、端末導入コストを下げています。さらに配膳ロボットを導入するケースも

増えてくると考えられます。そして、お会計時のキャッシュレスアプリ活用は、小売

業と同様に効果的です。

<IT導入補助金の活用について>

 国の補助金では、「非対面型ビジネスモデルへの転換」に関する申請の場合は補助

率が上がっています。IT導入補助金では、通常の補助枠に加え特別枠(C類型)が設け

られ、新型コロナウイルス感染症が事業環境に与えた影響への具体的対策として、 

「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレ

ワーク環境の整備等」に取り組む事業者への補助率が最大3/4に引き上げられていま

す。

補助金の詳細はこちらのポータルサイトを参照してください。 

https://www.it-hojo.jp/

 なお現在予定される公募は2020年11月2日が最終締め切りとなっておりますので、

これから申請を検討する企業様はまず下記の動画などを参照し事業の概要をご確認く

ださい。

・支援事例(IT導入補助金ポータルサイト) 

https://www.it-hojo.jp/vendor/ouentai.html 

 また、IT導入補助金以外に、「小規模事業者持続化補助金」、「ものづくり・商業

・サービス補助金」でもコロナ対策に関する取り組みに対し同様の特別枠が設けられ

ております。各補助金で公募時期が異なりますのでご注意いただくとともに、申請に

あたり不安な点がある方は下記のような支援制度もご活用いただけます。

中小機構・生産性革命推進事業ポータルサイト https://seisansei.smrj.go.jp/

千葉県よろず支援拠点 https://yorozu.ccjc-net.or.jp/

 今回は以上となります。次回はオンラインを活用したビジネスモデルについて事例

をご紹介いたします。お楽しみに。


     第2回 オンラインを活用したビジネスモデル事例

 前回は「コロナ禍で拡大する非対面型ビジネスと補助金情報」というテーマでお

伝えいたしました。今回は事例を中心にお伝えしていきます。

 まずBtoCモデルでの非対面型のオンライン活用の事例を見てみましょう。

1 ECサイト採用または強化

 独自のネットショップを立ち上げたり、Amazon、楽天等のショッピングモールに

出店したりする企業が多数となり、競争が激しくなっています。お中元・お歳暮を

はじめとするお客様が店頭に来て高額なギフトを選定、購入して送付していたビジ

ネスモデルにおいても、お客様が店舗に出向かずネットで商品を選びギフトを送付

するサービスが増えています。こだわりの「自分消費」も同様です。当然、顧客と

の対面での商品説明ができないため、ネットでいかに商品の良さなどを伝えるかが

勝負となります。

事例)IKEUCHI ORGANIC(株)(今治タオル)のオンライン接客「ZOOMストア」

https://www.ikeuchi.org/information/2020/04/23/online/

 ビデオ会議システム(ZOOM)を使い、顧客の予約時間になると店舗の担当者と繋

がります。「ふわふわで吸水性の高いタオル」といった顧客の要望を伝えることで

合致する商品数点の紹介や画面に商品を近づけながらの解説などが約40分間無料で

受けられます。この接客モデルは、顧客の評判も良く、また商品の細部まで解説が

できるため、商品力で勝負する同社に合った販売方法となっています。

 その他の事例として、アパレル企業が「チャット接客サービス」を開始したケー

スがあります。サイトで商品探しなどに迷った時、現場の店員にチャットで相談で

きるサービスで、相談を持ち掛けると担当者から数分後、チャットでアドバイスを

もらえる仕組みとなっています。

2 コト消費

 モノが動かないコト消費の提供も様変わりしています。顧客が求めているコトは

何で、それが現場でなくても提供できるのかどうか?と問う時代になっています。

コト消費のオンライン化では、すでに常態化している「受験対策」、「語学教育」、

「ヨガ」、などがオンライン上でしのぎを削っています。また下記の飲食を伴う珍

しいサービスも提供されています。

事例)日本酒BARあさくら(日本酒専門バー)の「ZOOMオンラインバー」

https://note.com/sakuramm

 営業は木曜日から日曜日までで、参加費は1000円/週(何回でも参加OK)となっ

ています。オンラインなので、お酒とおつまみは自分で準備し、店(ミーティング

ルーム)に入ります。店主が常連さんを中心に、会話を盛り上げてくれ、「バーは

お酒を飲むだけでなく、話に来る場でもある」という店主のコト作りが常連さんを

生み出しています。イベント時には、日本酒を販売・郵送し、参加者が同じお酒を

堪能しながら、会話を楽しんでいるとのことです。

 その他の事例として、「茶会」をネット上で行っているケースがあります。こち

らもイベントのテーマに合わせた特製の茶菓子を用意し、販売・事前郵送していま

す。

 また「コト消費」が進化した「トキ消費」(成長過程などの時間をともに過ごす

消費)や「イミ消費」(消費することで、SDG’S(持続可能な開発目標)など、社

会的に意味があるか?を問う)のビジネスモデルがオンライン上でも進むと言われ

ています。

 今回は以上となります。なお、BtoBモデルで活発化している「オンライン営業」

については、別の機会に紙面を譲りたいと思います。次回は「オンライン会議・オ

ンラインセミナーの始め方」のテーマで解説いたします。

お楽しみに。


       第3回 オンライン会議・オンラインセミナーの始め方

 前回は「オンラインを活用したビジネスモデル事例」というテーマでお伝えいた

しました。今回はコロナ禍であっという間に広まったオンライン会議・オンライン

セミナーについて、お伝えしていきます。

まずオンライン会議ソフトの種類から見てみましょう。

・ZOOMミーティング (ZOOM Roomsは、テレビ会議システム用)

・Microsoft Teams

・Cisco Webex

・Google Meet 

などなど

皆さんも名前を耳にした経験はあるのではないでしょうか?

 それぞれ無料バージョンがあり、気軽に始められるという利点もありますが、い

ざ仕事で使うとなると「それぞれの特徴」や「ルール設定」を知らないと効果的な

会議やセミナーができないことが多々あります。

 以下、共通的な注意点について説明していきましょう。複数人が参加する会議室

と外部(別の会議室)をつなぐ形式の場合、会議室に(ZOOM Roomsなど)「テレビ

会議システム」等の設備が常備されているのであれば、利用した方が運営しやすく

なります。また、同一の場所で複数のオンライン会議ソフトをつなぐ場合、ハウリ

ングが起きやすいなど、かえって音声が効きとりにくくなるケースがあります。

・参加者が主催側の作成した招待URLにアクセスすると会議をスタートできますが、

参加者側にどんな形(メール)で伝えられるのか、打合せ時間前に思い出せるよう

リマインドメールを会議開始前に送る等の工夫をするなど、参加者側の視点での対

応マニュアルなどを整備する必要があります。

例:参加メールをもらい「承諾」で返信。そのメール本文が受信トレイから無くな

  る仕様だったため会議前に入室URLが見つからずに焦った。(Teams)

 オンライン会議ソフトが持つセキュリティ機能を確認し、可能な限り使用してく

ださい。

例:部外者が入室してこないように、「待機室を有効化」もしくは、参加者が揃い

  次第「ミーティングをロック」するなどの工夫が必要。(ZOOM)

 どのソフトが自社に合うか、まず無料版で試してみてから導入を決めてはいかが

でしょうか?

 次に、オンラインセミナーソフトについてご説明します。

多様なソフトがありますが、オンライン会議システムを既に導入済の場合は、両者

の親和性が重要です。例えば、「ZOOMミーティング」を採用している場合、アカウ

ント管理などが一元管理できる「ZOOMウェビナー」をお勧めいたします。

 オンラインセミナーを開催する場合の注意点は、以下の通りです。

・お互いの立場や名前を明確にする会議と違い、セミナーは参加者同士の個人情報

 の扱いに留意する必要があります。また、知っている人だけが集うセミナーで、

 講義後にディスカッションも行うなどの場合は、オンライン会議ソフトでのセミ

 ナー開催も有効的です。

・講師から参加者の表情が見えないため、講師が話しにくいという意見が良く見ら

 れます。目の前で聞く人を会場に入れるなどリアルとの同時開催にすることで、

 臨場感を出す工夫も必要です。

・セミナー参加者を募る申込方法は別途検討する必要がありますが、オンラインセ

 ミナーソフトの機能範囲に留意し、セミナー開催前後についてはリアル開催のセ

 ミナーと同様の検討が必要です。

 次に、ZOOMミーティングとZOOMウェビナーを例にとり、導入方法を解説いたしま

す。

1.無料版でまず試行し、有料版の機能とコストを確認し、どちらにするか決定しま

 す。

⇒ZOOMミーティングの無料版は、3人以上での会議は40分で終了となるため、その

 制約で運用できるかどうかが最大の意思決定ポイントです。

2.会議のホスト役となるアカウント数を決定。有料版は1アカウントずつの契約の

 ため、必要最低限とする。

⇒ZOOM有料版はホスト役の貸し出しを前提とした「ライセンス」という概念もあり、

 ホスト役が定まらないようであれば、アカウント数は増やさずに、1アカウント

 に有料版機能を紐づける「ライセンス契約」で運用するのが望ましいです。

3.「ZOOMウェビナー」は上記の有料アカウントにセミナー機能を付与する形の契約

 となるため、どのアカウントにぶら下げるかの検討が必要です。

⇒会社のメイン(共通)アカウントを決めておき、「ライセンス」や「ウェビナー」

 を紐づけておく運用が望ましいです。

4.上記が決定されたら、契約行為を実行します。

⇒ZOOMサイトからの契約が分かりにくい場合、専門家にご相談ください。

5.参加するデバイスにZOOMをインストールし、ホスト役からの会議やセミナー連絡

 を発信します。URLをクリックして参加してもらいます。

⇒参加方法を理解していない参加者のために時間を浪費する事例が多く見受けられ

 ます。事前に参加マニュアル(環境面、操作面、セキュリティ面など)を配布し

 ておくことをお勧めいたします

 今回は以上となります。是非チャレンジしてみてください。

 次回は「テレワーク・リモートワークによるビジネス競争力向上」のテーマで解

説いたします。お楽しみに。


    第4回 「テレワーク・リモートワークによるビジネス競争力向上」

 前回は「オンライン会議・オンラインセミナーの始め方」というテーマでお
伝えいたしました。
 最終回となる今回はテレワーク・リモートワークの課題を押さえながら、ビ
ジネス競争力を上げていくためのコツをお伝えしていきます。

<テレワークの課題>
 「アフター・コロナを見据えて、政府が要件や規制緩和すべき働き方・推進
すべき取組」というアンケート(調査:日本商工会議所・東京商工会議所)に
おいて、「時間にとらわれない柔軟な働き方」を挙げた企業の割合は35.9 %
となっており、3割以上の企業がアフター・コロナ後もテレワーク・リモ-ト
ワークを継続しながら、その環境整備を求めています。
 
 2020年6月時点においてはテレワークの実施率は67.3%であり、4月調査と比
較し41.3ポイント増加しており、たった2か月でそれまでの数十年を上回って
います。
  なお、50名以下の中小企業におけるテレワークの課題は、社内体制の整備(
38.8%)とハード面の整備(29.3%)となっており、社内変革を迫られている
現状が浮かび上がります。
(注:自社にテレワークする業務があると答えた企業のみ)

(参考1)「人手 不足の状況、アフター・コロナを見据えて推進すべき働き
         方に関する調査」結果概要 2020(日本・東京商工会議所)
https://www.jcci.or.jp/20200914_pressrelease.pdf

(参考2)「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」調査結果を取り
         まとめました~緊急事態宣言発令以降テレワーク実施率は67.3%と
         急増~(東京商工会議所)
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1022366

<経営者の生の声>
  一方、コロナ禍の前から、クラウドサービスを活用し、テレワーク・リモート
ワークを進めていた企業の経営者の主な声は以下の7つになります。

  1.従来型の形態と比べた場合、交通費やオフィスの維持管理費が軽減
  2.従来型の形態と比べた場合、事務作業負担が軽減
  3.ネットワークを経由したシステム利用を踏まえて、セキュリティを十分に
  確保した
  4.スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からもシステムを利用す
  ることができるようになった
  5.社外や移動中においてもシステムを利用することができるようになった
  6.国内外に新たな拠点を設けた場合も、そこから手軽にシステムを利用する
  ことができるようになった
  7.他のアプリやサービスへ、必要に応じてデータをやりとりすることができ
  るようになった

<ビジネス競争力について>
 上記の声から、業務のスピードアップ、固定資産や固定費を抑えた低コスト体
質、フレキシブルな拠点戦略、デジタル化の推進などのキーワードが浮かび上が
ってきます。

  つまり、このようなメリットが得られるような業務プロセス&ルールに社内を
変えていく必要があります。

 例えば、ハンコを無くす、FAX取引を止めてEDI(商取引に関する情報などのビジ
ネス文書を、専用回線や通信回線を通じて、企業間でやり取りを仕組み)に変えて
いく、RPA(ソフトウェア型ロボット)などでシステム間連動を試みる、などです。

 コロナ禍で生き残れる会社とそうではない会社について、論じられている場面
が多くなっています。「進化論」と同じく環境に適応する会社のみが生き残れる
のは間違いないでしょう。

 変化は「非対面」を含めたソーシャルディスタンスへの対応であり、自社内の
活動そのものとお客様との接触について、「よりよく変化」できることが重要で
あり、そのためには顧客の声を真剣に聞いていくこと、自社の活動の本質を診て
いくことに尽きると思います。

 今からでも遅くなく、より良い変化に向かって、ともに考えていきましょう。

 さて「今さら聞けない!非対面型ビジネス入門1 オンライン活用」と題し、
全4回にわたり、ご紹介してまいりました。お付き合いいただき、ありがとうござ
いました。

                         野村IT経営支援オフィス
                                 野村 真実

                       

 

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