「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】
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スマートフォン・タブレットを中小企業のビジネスに活用しよう!
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第1回 「スマートフォン・タブレットでビジネスがどう変わる?」
はじめまして! ITコーディネータの野中栄一と申します。
今回から3回にわたって、中小企業のビジネスの現場で、スマートフォン・
タブレットをどのように活用していけばよいのか、わかりやすく解説して参り
ます。
第1回目の今回は「スマートフォン・タブレットで中小企業のビジネスをど
のように変えるのか?」をテーマにお話しします。
…とその前に、皆さん、通勤や移動の際に、電車の中をよく見まわしてみて
ください。
以前に比べて、従来型の携帯電話ではなく、スマートフォンやタブレットで
インターネットでニュースを見たり、メールを書いたり、はたまたゲームや動画
や音楽を楽しんでいる人、増えていませんか?
さらによく見ると、若い人だけでなく、年配の人もタブレットを持っている
人が増えてきているのも発見できるかと思います。
意外に思われるかもしれませんが、実は今、年配の方にもタブレットが急速
に普及してきています。それはなぜでしょうか? 3つ、ポイントを挙げます。
1つ目は、画面が大きいこと。見やすく、そして軽いのです。
ワードやエクセル、PDFの資料がそのままのサイズで開けますので、閲覧にピッ
タリ。営業の現場で人に資料を見せたり、防水・防塵対応のスマホ・タブレット
を使って水に濡れるような現場で全員で図面を見たり、持ち運ぶなど便利です。
2つ目は、パソコン用インターネットサービスがほぼ全部使えて、業務で使
えるアプリ(機能)も充実していること。
どんどん自分好みのアプリを入れることができますので、使い勝手が格段に
向上するのです。
3つ目は、意外に思われるかもしれませんが、キーボードがないこと。
キーボードがなくても、音声入力や手書き入力を使って、スムーズに文字が入
力できますので、キーボードが苦手な方にも好評を得ているのです。
まとめますと、画面が広い、軽い、パソコンとほぼ同じことができて、かつ
パソコンが苦手な人にも使いこなせる、ということです。
・・・あれ? これってつまり、言い換えますと、
『中小企業の従業員でも、全員が使いこなせる端末が出てきた』
ということですよね!?
大企業ならともかく、中小企業でIT化を阻害している理由の1つが「パソコ
ンが使えない人がいるから」というのが現場の実際の声です。それが改善され
るとしたら…?
実際、私のとある顧問契約先の企業(従業員40名)で、パソコンを使ったこ
とがなかった人が多かったのですが、1回の導入会で、全員が使いこなせるよ
うになりました。
そのおかげで、会社内での情報共有がスムーズになり、業務の効率化、また
営業力の強化につながった、という事例があります。
次回は、具体的にビジネスで使えるスマートフォン・タブレットの活用法に
ついて解説します。
第2回「ビジネスですぐに使える!スマートフォン・タブレット活用法」
ITコーディネータの野中栄一です。
2回目の今回は、ビジネスですぐに使えるスマートフォン・タブレットの活
用法と題して、いくつかの便利なアプリを紹介いたします。
まず、定番アプリとして、『Googleマップ』『Yahoo!乗換案内』『そら天気』
の3つは、すべてのビジネスマンにオススメのアプリです。
『Googleマップ』に、「千葉県産業振興センター」と声で呼びかけると(音
声入力)、WBGマリブイーストの地図が出てきます。
「千葉市美浜区中瀬2-6-1」と住所で呼びかけても、同じく地図が表示されま
す。GPSボタンを押すと、地図が自分を中心に回転しますので、目的地までの徒
歩ナビとしても使えます。
『Yahoo!乗換案内』も、同じく音声で「○○から△△まで」と呼びかければ、
その通りに到着の早い順、乗り換えが楽な順、安い順の経路が出てきます。
例えば、「東京スカイツリーから東京ディズニーランドまで」とマイクに向
かってしゃべって、その通りに出てくると、ちょっと感動しますよ。(笑)
『そら天気』は、あらかじめ登録しておいた地域の天気予報をすぐに表示し
てくれるアプリです。自宅と会社、それとよく行く取引先の地域を登録してお
くと、必要なときにすぐに天気を確認することができて便利です。
また、『Skype』『LINE』『Viber』といったコミュニケーションアプリも入
れておきましょう。
『Skype』は言わずと知れた、音声通話・チャット・ビデオ会議アプリで、ビ
ジネスでよく使われています。データ定額に入っていれば、24時間無料で会話
が可能です。
私のクライアントのある食品卸の会社様では、Skypeを使って世界中の仕入担
当者と密に連絡を取り合っています。
テレビ会議の経費削減の効果もさることながら、社員間のコミュニケーション
の密度と速度が上がったことが何より喜ばれています。
『LINE』は、今や世界中で大人気の音声通話・チャットアプリです。楽しい
絵柄(スタンプ)が充実しているのが特徴で、プライベートだけでなく、ビジ
ネスでもスタッフ間での気軽なコミュニケーションに使われ始めています。
私の事務所でも、このLINEのグループチャット(複数人でのチャット)を使
って、メールで長々と書くより、チャットでどんどん連絡事項や意見交換を伝
え合うことで、業務スピードを上げています。
音声通話の品質を気にされる方は、『Viber』というアプリもありますので試
してみてください。
最後に、名刺管理アプリ『CamCard』『World Card Mobile』もご紹介します。
名刺管理アプリは、名刺をスマホ・タブレットのカメラで撮影するだけで、
すべて文字データに変換して保管してくれます。
ですから、相手の名前や会社名によって、すぐに目的の名刺を探し出すこと
ができます。これも1度使うと手放せなくなるビジネスアプリです。
いかがでしょうか? 今回はスペースの関係で代表的な「いますぐ使えるビジ
ネスアプリ」だけを中心にご紹介しましたが、このほかにもビジネスで使いたい
便利なアプリがまだまだたくさんありますよ!
さて、次回は最終回として、中小企業の中でも有効に活用されている事例の紹
介、またビジネスで使う上での注意事項などを解説いたします。
第3回 「中小企業でタブレット・スマートフォンを活用する成功事例」
ITコーディネータの野中栄一です。
最終回は、実際の中小企業の現場で、どのようにタブレット・スマートフォンが
活用されているのか成功事例を交えて紹介します。
■成功事例1:本社と現場とで、写真・図面の共有化
ある製造業の会社なのですが、今まで写真や図面データの受け渡しにUSBメモリを
利用されていました。
しかし、この方法だと、いざ離れた現場にデータを渡したいときに時間がかかり
すぎて困っていました。
ところが、下記のオンラインストレージサービスを利用することにより、リアル
タイムに写真・図面を共有できるようになりました。
本社からの情報発信、また現場からのフィードバックも瞬時に行われるようにな
って、業務効率が格段に上がりました。
【Dropbox(ドロップボックス)】https://www.dropbox.com/
【EVERNOTE(エバーノート)】http://evernote.com/intl/jp/
■成功事例2:スケジュールの共有化・日報の電子化
直行直帰の業務形態が多いあるサービス業の会社で、どうしてもスケジュール調
整を全員が集まってやりにくい、とのことで、グループウェアを導入しました。
これで、全員のスケジュールがどこにいても登録・把握できるようになりました。
【サイボウズLive(ライブ)】https://live.cybozu.co.jp/
スケジュール共有の次に、「FAXでやりとりしていた日報を電子化して、いつでも
登録・検索できるようにしたい」との要望がありました。その会社では独自開発の
アプリを作って実現し、FAX用紙の削減、通信費の削減につながりました。
なお、独自開発が難しい会社でも、下記のような日報アプリもありますので、ぜ
ひご検討ください。
【NICE(ナイス)営業物語】http://www.systems.nakashima.co.jp/dutiessolution/eigyoukyouka/smart2/
■成功事例3:タブレットでPOSレジ、クレジット決済
私のクライアントの1社で海外のお客様が多い店舗を運営されている方がいます。
今まで現金(日本円)を中心に商売されていましたが、やはりクレジットカード
に対応してほしいという要望も多く、下記のようなカード決済ソリューションを導
入されました。
【Square(スクエア)】https://squareup.com/jp
【楽天スマートペイ】http://smartpay.rakuten.co.jp/
【PayPal(ペイパル)】https://www.paypal.jp/here/
固定費無料、決済手数料は3.25%前後のところが多く、これならすぐに導入できる、
と取り組まれました。
また、飲食店に行くと気づくと思いますが、タブレット・スマートフォンのPOSレ
ジや、お客様にタブレットを渡してセルフオーダーできるお店も多くなってきましたね。
【Ubiregi(ユビレジ)】https://ubiregi.com/ja
■成功事例4:音声で商品カタログ検索
最後にちょっと変わったネタで、食品卸売業の会社さんが、「大量の商品の中から、
商品を音声で検索して、お客様にすぐにお見せしたい」との要望から、下記のような
開発サービスを使って開発されています。
これも、驚くほど低コストで実現され、営業マンの営業力強化につながっています。
【Kintone(キントーン)】https://kintone.cybozu.com/jp/
最後に、ビジネスで使う上では、セキュリティに注意する必要があります。
画面ロック機能を有効にすること、危ないアプリをインストールしないこと、
Androidにはセキュリティ対策ソフトをインストールすること、などが基本です。
MDMというセキュリティ設定を一元管理できるサービスもあるので、そちらも検討
してみてくださいね。
いかがでしたか?
タブレット・スマートフォンで、今まで以上に効率的に仕事がこなせること、
また営業力の強化につながることがご理解いただけましたでしょうか。
ぜひ、御社にもタブレット・スマートフォンの導入をご検討されてみてはいかが
でしょう?
私も、千葉県産業振興センターのIT専門家派遣事業など通じて、千葉県の中小企
業の皆さんのIT導入をご支援できればと考えております。
ITコンサルティング事務所 NARTS 代表 野中栄一(ITコーディネータ)