公益財団法人千葉県産業振興センターのサイトへ
中小企業経営に役立つホットなメールマガジン!

千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】


     ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
             ◆ 連   載 ◆
     ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

          ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
                ホームページ活用のノウハウ
          ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

     第1回 試行錯誤をしながら、PRの仕方を見つけよう!


 ホームページに関するご相談で、次のような悩みを多く聞きます。

 「ホームページ制作会社に会社案内を渡して、会社の内容を汲み取ってもらい
製作してもらった。
 しかし、美しいホームページが出来上がったが、実際の営業活動中で説明して
いるアピールポイントと乖離して連動できていない。
 内容更新を依頼すると費用が発生するので自社で修正しようとしたら、レイア
ウトが崩れそうになったので放置してある。」

 「自社で制作ソフトを買って担当者に勉強させて制作したが、担当者が退職
してしまいソフトを使える人がいないので昔のままになっている。」

 中小企業では、専任の広報部や宣伝部を設置する余裕がありませんから、
説明の仕方や見せ方等のPRのやり方に慣れていないことが通常です。

 また、制作会社に任せきりだと、制作会社がすべて業界知識を持っているわけ
ではないので、その企業の特徴や強みを汲み取って、短期間で完璧に表現出来る
わけではありません。

 ホームページが美しく仕上がってもターゲットになる顧客に“思い”が届いて
いない場合もあります。

 自社で試行錯誤しながら表現して見ることが大切です。

 そして、完成したホームページを眺めて、お客様の感想を聞き、文章表現を
磨き直したり、写真撮影のアングルを変えたり、意識して撮り貯めしたりする
ことを繰り返せば、専門の宣伝マンでなくても徐々に表現力や知恵がついてき
ます。

 制作会社に何度もリニューアルを頼めば、そのうち、近づいてくるかもし
れませんが、かなりの投資金額が必要です。

 新規にホームページを作る場合だけでなく、既存のホームページのほかに、
特定の商品や事業の専用サイトを作る場合も同様です。


 自分で試行錯誤をして工夫を重ねるには、ホームページを自分で操作できる
必要があります。

 ブログと同様にワープロ感覚で文章を書き換えられるツールを使う必要が
あります。

 そのツールには、中小企業基盤整備機構やITコーディネータ協会が連携
団体になっている、中小企業向けの「みんなのビジネスオンライン」をお勧め
します。

 費用は1年間無料で、2年目から\1,470/月当たり(ドメインやサーバー利用
料を含む)で利用できます。
 これは、ホームページ制作ソフトが不要で、インターネットに接続できるパソ
コンならどこからでも利用できる「クラウド型」です。
 業種向けの“ひな形”が用意されているので、初心者でも取り掛かり易いです。

 自社の表現の仕方が見つかれば、制作会社にうまく伝えて本格的なホームページ
にステップアップする選択肢もできます。
 プロに投資をすれば「個性的な美しいデザイン」「コピーライターが磨いた
文章表現」「カメラマンの本格的な写真」にグレードアップできます。
 PR方法を伝えられない時に発注するより効果的な投資になるでしょう。

 なお、千葉県産業振興センター主催の研修で、「みんなのビジネスオンライン」
を教材にした研修を9月に実施します。 詳しくは下記URLをご覧ください。
http://www.ccjc-net.or.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=1607





     第2回 まずは最低限の集客・ゴールへ誘致するシナリオ


 前回から3回にわたって、「ホームページ活用のノウハウ」についてお伝えして
います。

 第2回目のテーマは、「まずは最低限の集客・ゴールへ誘致するシナリオ」を
お話しいたします。

 ホームページ活用において、ビジネスに繋げるための作戦を大雑把な切り口
で考えてみます。

1.集客(初めてホームページに来ていただく・リピートで何度も来ていただく)

2.ページを見て頂きビジネスに繋げる(このホームページに探しているものが
あるか判断する始めの3秒、対象顧客に合わせた説明、ゴールへ誘致するシナリオ)

3.アクセス状況を分析して、継続的なホームページの改善を繰り返す。

その中から、抜粋して解説します。


■まずは最低限の集客

 まったく会社名・商品名を知らない方に対して、検索エンジンで上位に表示
されることで“新規顧客”を誘致できることが一番良いのですが、そのためには
いろいろな工夫・努力をしなくてはなりません。
 この話は「SEO(検索エンジン最適化)」という大きなテーマになるので
今回は省略させていただきます。

 名刺交換をした方や、何かの記事等で会社名・商品名を目にした方がホーム
ページで詳細を調べようとするときに、最近はURL(http://wwwで始まるインター
ネット上の住所)を入力せずに、会社名・商品名を入力して、ヤフーやグーグル
等の検索エンジンで検索する方が増えています。

 「また、検索すればいいや」と、“お気に入りに登録”をしない方も増えて
います。
 ですから、検索エンジン上で最低限「会社名・場所」「自社商品名」で上位
に表示されるようにしたいところです。

 検索エンジンの仕組みは、「ウェブ クローラ」と呼ばれるソフトウェアが、
定期的にインターネット上のホームページを周回して、そこに記載されている
文字を持って帰りデータベースに蓄積します。
 そして、検索窓に入力したキーワードが掲載されているホームページを紹介
するのです。

 ホームページで最低限工夫することは、会社名、場所、自社商品(サービス)
がある場合は商品(サービス)名称が、次のように記載されているか確認して
ください。

(1)ホームページのタイトル

 ブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)の一番上に表示されるものです。
 閲覧者がタイトルを見てそのページに何が書かれているかを推測することと
同様に、検索エンジンはタイトルに記載されている内容をそのページの主だった
テーマと判断します。
 「ようこそ、我が社のホームページへ」は、一番もったいない例です。
 「○○(場所)で△△△をする○○株式会社」等、具体的なキーワードを盛
り込みましょう。

(2)本文中に何度もでてくるか。

 説明文は、「当社は・・・」と書かずに、「○○社は・・・」と社名を記載
したほうが良いです。


■ゴールへ誘致するシナリオ

 ビジネスにつなげるには、ホームページを見始めてから、次にどこを見せて、
どのようにビジネスにつなげるかのシナリオを決めているかをご確認ください。
 また、ゴール(ホームページ上で得たい効果)は次のような目標設定を明確
にしましょう。

 商品購入、実店舗への誘導、サンプル請求、資料請求、カタログ等のダウン
ロード、見積依頼、問合せ(電話・FAX・入力フォーム等)、会員登録、メルマガ
申し込み、既存顧客の維持・拡大の為の再訪問化(商品検索・マニュアル閲覧・
金額シミュレーション・有益な情報発信)、採用エントリー、等

 2回目の記事でご案内しましたが、9/4(月)の千葉県産業振興センター主催
のITセミナー「すぐできる!魅力的なホームページを作って自社をPRしよう!」
で詳しく解説いたします。
(現在、申込人数が上限に達したため、「キャンセル待ち」となっております。
ご了承ください)
http://www.ccjc-net.or.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=1607

 また、9/11(月)に開催するITセミナー「実践!ネットショップで売り上げ
を増やそう!」を実施します。
 「みんなのビジネスオンライン」のショップ機能を利用して、ショップ初級
者向けにネットショップの機能を実習により理解していただきます。
(みんなのビジネスオンラインを開設済みの方が対象になります。)
 詳しくは下記URLをご覧ください。
http://www.ccjc-net.or.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=1619





         第3回 自社商品のネットショップ販売のすすめ

 前々回から3回にわたって、「ホームページ活用のノウハウ」についてお伝え
しています。
 最終回のテーマは、「自社商品のネットショップ販売のすすめ」をお話しいた
します。

 今回は、自社商品(オリジナル商品)をお持ちで、実店舗のみで販売をされて
いる方、及び、製造業でエンドユーザーへ直接販売をしたことがない方へ、ネット
ショップを活用して“新しい販売ルート”を拡大させる作戦をお話しします。

 一般大衆向けの量産品は、価格比較サイトで最安値のものを見つけられる時代
ですが、オリジナル商品(自社商品)は、購入する方により価値観が違うので、
欲しい人にとっては平均的な金額に関係なく購入してもらえます。

 ただし、商品の機能・価値にマッチする方をインターネットで集客する必要
があります。
 集客のためには、試行錯誤をして工夫を重ねていく必要がありますが、まず
はネットショップを小さく始めて準備をすることをお勧めします。
 特にエンドユーザーに販売をしたことがない製造業の方は、小売業として必要
なことを勉強していきましょう。

例えば、
・機械的な梱包ではなく、少量で丁寧な梱包発送。
・売掛取引ではなく、毎回の代金回収管理。
・エンドユーザーへの説明の仕方


■まずは小さく始める

 商品数は数点で良いので、自社の象徴になる“一押し商品”を対象にして、
PR表現を磨き上げましょう。ダイレクトに商品の仕様説明をする前に、お客様
が購入してから、どのような良いことがあるか、この商品を作るのにどのような
”思い”や”苦労・工夫”があるのか等をお伝えしましょう。


■ 仕組みを理解して運営しましょう

 最近のネットショップのシステムは、パソコンにソフトのインストールが不要
で、申し込むとすぐに始められる「クラウド型サービス」が、安価で多種存在し
ますので、最初はそれをお勧めします。
 全体デザイン・商品登録・商品の並べ方・買い物カゴ・管理面(受注・発送・
回収)など、ネットショップ運営に必要なものが揃っています。
 重要なことは、ネットショップシステムの仕組みがどのようになっているかを
理解して運営しないと、お客様の満足度を下げてしまうことです。

・どこに入力した内容が、ページのどこに表示されるか。
・自動メール(お礼・連絡等)がどの時点で、どのような文書で送信されるのか。
・送料設定・消費税設定がどのように反映されるのか(複数購入購時はどうなるか)

 その他にも多数ありますが、このようなネットショップ一連の流れを、実際の
ネットショップの実践をとおして理解しておきましょう。


■ネットショップを自社で始めた事例を紹介します

 今回ご紹介する事例の「アルガマリーナ」様は、もと漁師の社長が、房総の
イワシの加工品を製造しています。
 農林水産大臣賞の「贅沢いわしフィレ」をはじめ、いくつも受賞商品をお持ち
です。

 小売店や卸売店への販売だけでなく、”直営食堂”で定食や一品料理を提供
しており、観光客にも有名になっています。
 その直営食堂でテイクアウト用に販売していたものを、帰宅後に”お取り寄せ”
をしてもらうために、クラウド型の「みんなのビジネスオンライン」に切り替えて
ネットショップの機能を利用し始めました。

 以前から制作会社で製作したホームページがありましたが、ショップ機能がなく、
また、自社で変更できないために文章も更新せずにそのままでした。
 今般、自社で更新をできるスタイルに切り替えたことで、まだ洗練中ではあり
ますが、説明文章や写真は気が付いた時に何度も修正を繰り返しています。最新
の「お知らせ」も自分たちのタイミングで掲載できています。

アルガマリーナHP http://www.algamarina.jp/

■9/11(木)に、千葉県産業振興センター主催のITセミナー「実践!ネットショッ
プで売り上げを増やそう!」を実施します。

 「みんなのビジネスオンライン」のショップ機能を利用して、ショップ初級者向け
にネットショップの機能を実習により理解していただきます。
(みんなのビジネスオンラインを開設済みの方が対象になります。)

詳しくは下記URLをご覧ください。
(執筆時点で、定員まで残りわずかとなっておりますので、満席の場合はご了承
ください)

http://www.ccjc-net.or.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=1619


 3回にわたって「ホームページ活用のノウハウ」について解説してきましたが、
今回は基礎的なことを中心に執筆いたしました。
 ビジネスでホームページを活用することが、電話やFAXを送るのと同じような
感覚になり、その先で、応用的活用や新しいアイデアを加えることで、経営効果が
更に向上することを期待しております。


             (一社)千葉IT経営センター 理事 鬼澤 健八
                        (ITコーディネータ)
 


このページの先頭へ一覧ページへ登録・解除ページへ