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千葉県産業情報ヘッドライン

「千葉県産業情報ヘッドライン」バックナンバー
【連載特集】


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            事例から学ぶ、結果を出す広報のポイント
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                 第1回 広告と広報の違い


 株式会社マジックマイスター・コーポレーションの大谷と申します。
 弊社は大きく2つの事業を行っており、一つはマジック(手品)を活用して
企業の商品やサービスを宣伝する「広報PRマジック事業」、もう一つはプレス
リリースを活用してマスコミへPRする「広報コンサルティング事業」を行って
います。

 ある時、良いマジックと良い広報には共通点が3つあることに気が付きました。

 それは共に
(1)印象に残ること
(2)感動すること
(3)不思議(WONDER) が必要だということ。

 この3つの要素がなければマジックも広報PRも良いものができません。
 この共通点に気がついたことで、「企業の強みをマジシャン的な感覚で探して
PRする」という現在の支援方法が誕生いたしました。

 そして、良く聞かれることが「広告」と「広報」の違いについての質問です。

 広告というのは、広告費用を支払い、自社の商品(サービス)などをテレビや
新聞、雑誌などで紹介してもらうものです。

 一方、広報はマスコミ向けのプレスリリースを作成し、マスコミを通じて自社
商品等を宣伝してもらうことです。
 広告と広報の大きな違いは、広告は一度の効果しか得られませんが、広報は
一度マスコミに紹介してもらうとドミノ倒しのように次々と掲載依頼が派生する
ことです。
 しかも広報は費用がかからないので、広告のように多額の費用をかける必要が
ありません。

 もし、プレスリリースを実施し、その結果、テレビや新聞に掲載されると、
その効果は絶大です!

 主なメリットは次のようなものです。

(1)費用がほとんど掛からない(郵便代、印刷費用程度)
(2)見込み客からの問い合わせが増える(特にテレビの場合は効果大)
(3)ホームページのアクセス数が急増
(4)金融機関や顧客の信用力が上がる
(5)一度掲載するとそれに付随して次々と取材が来る など。

 そして何より、本人も含め従業員やその家族の方に喜んでもらえることが
大きなメリットです。

 広報を成功させる為には、マスコミ向けに提供するプレスリリースが重要と
なります。
 マスコミ関係者の印象に残り、感動させ、不思議(WONDER)を感じて
もらうことがプレスリリースを成功させる秘訣になります。

それでは次回はどうすれば、効果的なプレスリリースが作成できるのかについて
考えてみたいと思います。

              
                   第2回 効果的なプレスリリースの作成方法


 広報(プレスリリース)の専門家、株式会社マジックマイスター・コーポレー
ションの大谷と申します。
 第2回目は「効果的なプレスリリースの作成方法」についてお話をさせて頂きます。

 プレスリリースを作成するまでの工程は大きく7つのステップに分かれています。

 第1ステップでは、広報ヒアリングシートを記入してもらいます。
 ここでは「どのような商品・サービスをPRしたいのか」「どのような宣伝が
したいのか」について概要を考えていきます。

 第2ステップでは、マニュアルを用いて宣伝内容を具体化します。
 (1)ターゲットはどのような顧客か、(2)PRの切り口は何か、(3)どのメディア
に発信するのか、(4)WONDER(不思議・驚き)は何か、(5)プレスリリースの
タイトル(コンセプト)はどのようにするのか、といったことを決めていきます。

 第3のステップでは、広報年間計画シートを作成します。
 ここでは、企業が年間を通じて、何を・いつ・どんなタイトルで・どのマスコミ
にPRするのか、といった具体的な計画を立てます。

 第4ステップでは、第3ステップまでの工程で決まった内容を基本にプレスリリー
スを作成していきます。

 第5ステップでは(テレビにプレスリリースを発信する場合)どの番組に発信
すればいいのか?番組のタイトル、内容、テーマに基づき送り先を選定します。

 そして第6ステップでテレビ・雑誌・新聞社へ情報発信を行い、第7ステップで
掲載となります。

 これら7つのステップの中で特に大事なことは2つあり、その一つがPRの「切り口」
です。
 マスコミへPRする際の「切り口」は全部で10項目あります。
 「最新情報」「おすすめ情報」「季節ネタ」「街ぶら」「ストーリ(人&商品)」
「ランキング」「食べあるき」「クイズ・対決」「ドキュメント」「見学・体験」の
10項目です。
 何か新しい商品(サービス)が出来たらまずは「最新情報」としてPR、そして、
次に例えば「季節ネタ」、さらに切り口を変えて「クイズ」としてプレスリリース
を作成し情報発信を行います。
 半年に切り口を変えて同じ商品を3回プレスリリースすることが成功させる秘訣
です!

 もう一つ大事な事は、プレスリリースを実施する際にコンセプトを明確にすること
です。
 そこで私が行っている手法についてお教えします。
 まずはAとBの2つのキーワード群から宣伝内容にふさわしいワードを一つずつ
選んでもらいます。
 Aはテレビでいうならば視聴率を上げる為のワードです。
 「感動」「面白い」「好奇心」「価値」「新規性」の5つがあります。
 Bは、宣伝したいものを示すキーワードです。
 「商品」「人物」「会社」「イベント」「サービス」の5つです。
 この2つのキーワードを組み合わせることで、例えば「感動×商品」、「新規性×
サービス」といったようなコンセプトができます。
 このコンセプトを明確にした上でプレスリリースを作成していくことがとても
重要なことです。

 また、広報を行なう上での注意点(失敗例)についてもお話をしておきます。

 (1)取材時に際しての失敗例
 
・企業側の意図と違う内容で掲載(放送)された
・取材時に準備不足(特に数字に関して)で質問に答えられなかった

<解決策>
・特にTVや雑誌の場合はメディア側に質問状や企画書を用意して頂き、その内容
 を確認した上で取材を受ける
・取材を受けることになったからには、想定される質問に対しての回答を用意して
 おくこと(Q&Aの作成)
 
(2)記者との信頼関係

・まず広報担当者を明確に決めること(兼任であってもメインスピーカーを決め
 情報発信の一元化を行なう)
・記者様から電話の着信があったら5分以内を目処に折り返しの電話を行なう。
 また、質問事項に関してもすばやく調べて返事する(すぐに返事できない場合
 は返事できない理由を伝える)
 
(3)アフターフォロー

・掲載(放送)された当日もしくは翌日までに担当の方に必ずお礼の電話(メール)
 をすること。
・また2〜3カ月後にメールや手紙で、お礼を兼ねてその後の反響や事業の進捗
 を報告。(次の取材に繋がる)
 
(4)言ってはいけない事

・反射的に「ノーコメント」とは言わない。はっきりわからないことは誠意を
 もって回答できない理由を説明する。また回答に時間がかかる場合については、
 いつまでに回答するかお伝えする。
・あいまいな内容や根拠のない数字。
・掲載される前に記事内容を確認させて欲しい
・掲載の確約をして欲しいとの要望

 以上が留意点です。
 次回、3回目は広報の考え方、そして広報と販路開拓について考えていきます。              


            株式会社マジックマイスター・コーポレーション
                       代表取締役 大谷 芳弘



         第3回 広報の考え方・広報と販路開拓


 広報(プレスリリース)の専門家、株式会社マジックマイスター・コーポレー
ションの大谷と申します。
 第3回目は「広報の考え方・広報と販路開拓」についてお話をさせて頂きます。

 まずは広報の考え方からご説明致します。
 広報には大きく、広報のやり方と考え方の2つがございます。
 やり方については第1回目、2回目でご説明をさせて頂いたプレスリリースの
作成の方法(ノウハウ)です。
 そして、考え方とは、その企業が持つ@企業理念、Aコンセプト、Bビジョンに
なります。
 この考え方が整理できていないと、いくらプレスリリースで情報発信をしても、
消費者からはその商品・サービスに“共感”されず売上げUPにつながりません。

 それでは広報の考え方についてご説明を致します。

 企業理念とは「過去」からの“想い”です。会社を創業した際の言わば、その
経営者の『志(こころざし)』になります。
 簡単な言葉やキーワードで示すものです。

 そして、コンセプトとは「現在」で“主張”したいことは何か?つまり今、
どんな商品(サービス)を今、売りたいのか?そのコンセプトを明確にすること
です。
 これは、広報のやり方の中でお話をしています。

 最後にビジョンとは「未来」で“あるべき姿”を示します。
 商品を使って頂き、お客様にどのようになって欲しいのか?また、自社がどの
ようになるのか?また、どのように地域・社会に貢献していくのか?を示した
ものです。

 この「過去」「現在」「未来」についての考え方をYTT情報と呼びマスコミ
で取材される際に必ず聞かれる内容です。
 これらを整理した上で情報発信(プレスリリース)を実施し、そして、それが
マスコミで取り上げられ認知度がUPして、ようやくその商品(サービス)は
ブランド化し、売上げUPに繋がります!

 そして、お話をしたいもう一つの内容が広報と販路開拓の関係性です。
 特に販路を新規で開拓したいBtoBの企業様にとっては大変重要です。
 小規模の製造業にとって、大手との販路拡大・取引は売上げに直決します。
 信用力と資金力の低い小規模の製造業が大手と取引をすることはなかなか難しい
です。

 具体例でお話をさせて頂きます。
 災害時に使用するA4サイズの「非常用緊急毛布」を開発された会社があり
ました。
 元々は下請けがメインでOEM商品ばかり受注していましたが、海外からの
コストが安い商品が入ってきたことで、付加価値のある自社製品を作ることに
なりました。
 この商品の最大の特徴は大きな毛布が圧縮されコンパクトなA4サイズの箱に
入っていることです。
 これにより、会社の机の中や小スペースで保管ができます。
 販売に際して、広報戦略をきっちりと計画して、新製品が出たならば、まずは
地元の新聞社へプレスリリースを実施、そして、新聞に掲載された後、その記事
をきっかけとして販路拡大したい大手企業のバイヤー様へ営業を行いました。
 新聞で1回掲載されただけでは、なかなか新規の取引は難しいので、2回目、
3回目のプレスリリースでTV番組に掲載が決まった時が、勝負の時!再度、
大手企業のバイヤー様へアポイントを取り、「TV番組で取り上げれらることが
決まったので、ぜひ、御社を販売先の一つとしてTVで紹介をさせて頂きたい!」
と提案をしました。
 先方にとってもTVで取り上げて頂けるのであれば宣伝にもなりますし、また
TVで紹介されるのであれば売上げも見込めます。
 こうして、新規で広報を活用して販路開拓を行い百貨店、雑貨屋、そして大型
の書店でも「非常用緊急毛布」が取り扱われることになりました。

 最後に広報戦略のポイントは「シンプルに、ドギック(コンセプトが一目で
相手にわかるような表現)、分かりやすく」情報発信を行うことです。
 1回だけではなかなか、成果がでません。
 継続して、あきらめずに「切り口」を変えて半年に3回はプレスリリースを
実施して頂きたいと思います。
 私の好きな言葉で『百聞は一見に如かず』ならぬ『百考は一行に如かず』と
いう格言があります。
 まずは百考えることよりも、一つプレスリリースを実践して頂くことが大事
です。
 ぜひ、まずは身近なところから広報(プレスリリース)に取り組んでみて下さい。

             
            株式会社マジックマイスター・コーポレーション
                       代表取締役 大谷 芳弘

           
 以上3回にわたって「事例から学ぶ、結果を出す広報のポイント」をお送り
いたしました


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