株式会社国際情報ネットの尾形 廣秋と申します。中小企業が無理なく取り組めるデジタル化のポイントと、現場目線の活用方法についてお伝えしていきます。
ITは今や中小企業にとっても必要不可欠な存在であり、スマートフォンやパソコンは日々の業務開始の合図として当たり前に使われています。しかし、社内課題や時間不足、IT操作への不慣れから「必要と分かっているのにデジタル化を進められない」という声が多いのも事実です。通信機器やネット環境が整っているのに活用しきれていない小規模事業者も少なくありません。
しかし、少子化や人手不足が深刻化する中で、生産性向上と売上確保のためにはデジタル化による業務改善が必須です。重要なのは「無理な計画を立てず、今必要なことから優先して取り組む」ことです。デジタル化を活用し、社内状況を正確に把握しながら次の戦略を描き、実行する力が求められています。
私自身が支援した現場でも、KPI(重要業績評価指標)や売上・利益などの数字を即時に把握できる体制を作ることが、企業の活性化と経営改善につながってきました。
現状の課題を洗い出し、優先順位を決め、「こんな仕組みがあったら便利だ」というところから小さく始めることをおすすめします。
例えば、多くの企業で課題となるのは人・物・金の管理です。これらが適切に把握できないと、日々場当たり的な対応となり、経理会計でBS・PL・CFの理解が曖昧なまま不安を抱えながら日々の業務を続けることになります。変化に対応し、想定外の事態にも備えるためには、経営数値を可視化し、日々のKPI確認を習慣化することが重要です。
そのための第一歩として、社内の基幹業務を整理し、以下のような取り組みからデジタル化を進めてみてください。
1.従業員管理(個人情報・勤務実績など)のデジタル化
2.見積・請求書発行の電子化によるペーパーレス化
3.在庫・発注管理の効率化
4.自社ホームページの活用で情報発信力を強化
これらは大きな設備投資がなくても始められます。大切なのは、自社に合ったペースで段階的に進めることです。
最後に、自社の成長を目指すには時代の流れに合わせた変化が必須です。そのためには、労力・時間・資金の投資が必要であることを理解し、恐れずに取り組むことが重要です。
次回以降は、県内の中小企業で私が伴走支援してきた具体的なデジタル化事例(外構インテリア卸売業、そろばん塾、建築設計事務所、東日本地域120病院での検診システム導入など)をご紹介していきます。
身の丈に合った一歩から、自社の未来を切り拓くデジタル化を共に進めていきましょう。
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