一般に「署名」というと、手書きの「サイン」を思い浮かべます。また、日本では署名の代わりに「印鑑」が商取引において広く使用されています。この手書きのサインや印鑑はどのような役割を果たしているのでしょうか。
手書きの署名であれば、受取人は本人の特徴的な筆跡により、その本人が確かに署名したことを確認できます。また、「印鑑」を使用した場合には、その印影によって本人の使用した印鑑であること、そしてその本人が確かに押印したことが確認できます。このように署名や印鑑は、文書を作成した相手方を確認する役割を果たしているのです。
パソコン上で署名や印鑑と同じ機能を果たすのが電子署名ですが、厳密にいえば電子署名だけで相手方の確認ができるわけではありません。第三者である「認証機関」の存在がその前提となります。(後述)
すなわち、「電子署名」と認証機関による「電子認証」の技術が相まって、ネットワーク上で署名や押印が果たしている機能を実現することができるのです。そして、ネットワーク上でこのような機能を実現するために、様々な暗号技術が用いられています。 |