電子署名法制定の背景 |
今まで「電子署名」がインターネットにおける電子取引等の場面で本人認証の有効な手段であることを説明してきました。
しかし、電子署名や暗号化技術が定着する一方で、今まで電子署名が法律的にどのように扱われるのかは、明らかではありませんでした。また、電子署名が付加されたファイルを署名・捺印がされた紙の契約書等と同様に、証拠として扱えるのかという重要な問題について、法律上の取り扱いがはっきりしていませんでした。
電子署名の法的な位置づけが不明確なままでは、電子取引を始めとするネットワーク上の通信が妨げられるのではないか、法的に明らかにするべきではないか、という要求を受け、2001年4月に「電子署名法」が施行されたのです。
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電子署名法の目的・構造 |
- 国民生活の向上及び国民経済の健全な発展
- デジタル情報の流通・IT化の促進
- 電子署名の円滑な利用の確保
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@電磁的記録の真正な成立の推定 |
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裁判上の効力を明定 |
A特定認証業務に関する認定の制度 |
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第三者認証業務の信頼性を確保する |
Bその他 |
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国家的施策としての援助等 |
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電子署名の定義 |
電磁的記録について行われる処置 |
@認証機能 |
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当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること |
A安全性保持機構 |
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当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること |
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電子署名の法的効力 |
電子署名法3条の構造 |
要件 |
@電磁的記録
A情報を表すために作成されたもの
B本人による
C安全な電子署名
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効果 |
電磁的記録の真正な成立の推定 |
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電子署名法制定により、電子署名の付加された文書は、電子署名法によって紙の文書と同様の証拠として価値を持つに至ったのです。このような法的効力が明確化されたことは、電子署名を利用して行う取引にかなりの安心感を与えることとなるでしょう。
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