メルマガの種類と目的 |
メルマガは企業や個人に最も身近なコミュニケーションツールとなっていますが、発行者はもちろん内容や目的は様々です。
例えば、企業が発行するメルマガでは、主に企業の動向、製品情報であったり、通販会社であれば特売情報を知らせる等、広告として利用されています。また、個人が発行するメルマガであれば、趣味の映画情報や、懸賞や占い、特定の分野についての講座的な読み物等が発行されています。更にメルマガは官公庁からも発行されており、内閣の政策情報や世論調査などを提供するためのものも多くあります。
|
表1 発行者別の使用目的
発行主体 |
目的 |
内容・種類 |
効果 |
配信方法 |
企業 |
企業PRや商品売上アップを図る |
・企業の動向
・商品、サービスの紹介
・ネット通販の特売情報等 |
・顧客の囲いこみ
・ホームページへの誘引
・広告収入が得られる
|
独自システム
配信スタンド |
官公庁 |
政府、内閣の意見等を発信する |
・内閣の政策情報
・世論調査等 |
・政治の関心が高まる |
独自システム
配信スタンド |
個人 |
様々な情報、個人の意見等を発信する |
・趣味の映画情報
・懸賞、占いなどの娯楽
・特定分野の講座等 |
・ホームページへの誘引
・広告収入が得られる |
配信スタンド |
|
上記の表1から分かるように、メルマガは発行者によって使用目的が異なり、様々な分野で活用されていることがわかります。
|
メルマガ発行のメリット・デメリット |
メルマガを発行するには次のようなメリットやデメリットがあります。
メリット
- 配信は一般的に無料なので、企業で見込み客を開拓する際、低コストで顧客が集められる。
- 地域も年代も超えて、世界中の人へ情報発信ができるので、ホームページよりも積極的に相手に情報が伝えられる。
- 購読者のための役立つ情報を配信しているので、発行者と購読者の間に信頼関係を築くことができる。よって企業であれば購買率が高くなる可能性がある。
- 発行部数によっては広告収入が得られる。(発行部数が10万部程度の人気メルマガの場合は、5〜10万程度)
- メルマガはひとつのコミュニケーションツールとなっているので、規模が大きくなれば、その分信頼性が増す。
- ホームページとの連動によってアクセス件数の増加が見込める。企業であれば新規顧客の獲得にもつながる。
デメリット
- インターネット利用者しか購読できない。
- 発行周期が一定しないものや定期発行ができないと購読者の信用を失う可能性がある。
- テキスト形式※1が一般的なので、ホームページと比較するとインパクトが弱い。
- ほとんどの配信スタンドは、あらかじめホームページを開設しておかないと登録させてもらえない。
- 1通分のメールの容量が決められているので、ホームページのように大量の文章を一度に読んでもらうことができない。
- 内容が飽きられてしまうと、簡単に購読を解除されてしまう。
メルマガにはいくつかデメリットがありますが、これはホームページの併用により、メルマガで説明しきれない部分を補ったり、過去のメルマガ作品(バックナンバー)を掲載したりといった形で補うことで、ある程度解決できます。
※1 テキスト形式
文字の大きさや色等を変更していない、純粋な文字だけで作成されたメールの形式。
|
メルマガを発行するには |
実際にメルマガを発行するには、どのような準備が必要なのでしょうか?メルマガの発行手順は次の通りです。
@メルマガの配信方法の選定
メルマガを配信するには、配信するためのシステムが必要です。これは大きく分けて4つの方法があります。
メールソフトのBCCを利用する
Outlook Express等のメールソフトにあるBCC※2を利用して、購読者へメールを配信します。人数が増えると管理が大変ですが、少人数でメルマガを発行するには適しています。ただし、購読者の獲得は自力で行わなければいけません。また万が一、発行者のパソコンがコンピュータウィルスに感染してしまった場合は、その被害が購読者へ及ぶ危険性があるので、セキュリティ対策に十分注意が必要です。
※2 BCC(ブラインド カーボン コピー)
電子メールの機能の1つで、BCC欄に複数のアドレスを指定すると、同じ内容のメールが一斉に送信されます。受信者は同内容のメールが第三者にも転送されたことは通知されないので、プライバシーの問題にも考慮できます。
無料の配信スタンドを利用する
代表的なもので「まぐまぐ」や「melma!」といった配信スタンドがあります。作成したメルマガを配信スタンド側がある程度宣伝してくれるので、購読者が集めやすいです。また、配信できなかったメールの処理や管理もしてもらえるので、手間やコストがかからないのがメリットとなります。
ただし、メールに必ず広告が入る制限や、発行者側から購読者のメールアドレスを知ることが一切できないので、顧客情報等を必要とする企業での使用は不向きとなります。
メール配信ASPを利用する
メール配信ASP※3のサービスは有料となりますが、無料の配信スタンドと同様にメルマガの宣伝や配信できなかったメールの処理や管理はもちろん、発行したメルマガをより多くの人の目に留まるように、検索結果の上位に優先して表示してくれるようになります。更に自社のシステムや顧客データと連動させることができ、広告等も入らないので、企業でよく利用されています。
主なメール配信ASPは次の通りです。
|
表2 主なメール配信ASP
|
初期費用 |
月額費用/配信数 |
A社 |
10,000円 |
2,300円/5万通 |
B社 |
100,000円 |
25,000円/5千通 |
C社 |
100,000円 |
50,000円/無制限 |
|
※3 ASP(Application Service Provider)
ビジネス用のアプリケーションソフトをインターネットを利用してその機能をユーザーにレンタルする事業者のこと。
メール配信ソフトや独自のシステムを利用する
メール配信ソフト等を利用して配信することができます。購読者のメールアドレスを自分で管理できるので、特定の購読者へ情報を発信したり、添付ファイルで詳細情報を送ることができます。ただし、配信できなかったメールの処理や管理、新規購読者を獲得するのも全て自力で行わなければならないため、新規顧客獲得の窓口がどうしても弱くなります。
更に独自のシステムを利用する場合は、運営も自力で行わなければならないので、配信システムを外注に出したり、他社の既存システムを利用するにしても時間とコストがかかります。仮に自社で配信システムを構築するにもプログラミング言語の習得やサーバ設置等、高度な知識が必要となります。また、ウィルスや情報漏洩といった、セキュリティ対策にも十分注意が必要となります。
メール配信ソフトの機能には次のようなものがあります。
- 大勢の送信にメールを一括送信できる、同報メール送信に特化したソフト
- 他のソフトを使用せずに、一連の作業ができるように設計されている個人ユーザー向けソフト。
- タイマー送信や差込機能(各メールの顧客名を入れる)等機能を備えたソフト。
手軽にメルマガを配信するには、独自システムやメールソフトを使用するより、配信スタンドを利用した方がメンテナンスの必要もなく、利用しやすいでしょう。
※これ以降、無料配信スタンド「まぐまぐ」でメルマガを発行することを前提に話を進めます。
A自分のホームページを作成し、公開しておく
「まぐまぐ」はもちろん、ほとんどの配信スタンドはホームページを持っていないと発行できません。まずはホームページを作成しておきましょう。
Bメルマガの概要を作成し、公開する
どんなメルマガを作成したいのか概要をまとめて自分のホームページに公開します。
- メルマガの概要
タイトル、テーマ、発行日、説明文等を考えます。
- メルマガのサンプル
実際に発行する同内容のメルマガを作成し、見本としてホームページに載せます。
C配信スタンドに発行申請をする
発行申請をすると、申請受付メールが送信されてきます。ここには申請内容や、マガジンIDや読者登録・解除フォームの設置方法が記載されています。
D申請内容のチェック
ここでは、説明用ホームページや登録・解除フォームが設置されているか、またサンプルのメルマガがチェックされます。申請後に審査が行われます。
E承認通知
審査が通り、承認通知後に新着ページ及び新着マガジンに掲載されます。
Fいよいよ創刊
掲載後、読者登録が集まり、創刊号が発行されます。それ以降次号を発行していきます。
|
メルマガ作成の注意点 |
メルマガを作成するには次のような注意が必要です。
作成編
- 誰を対象に、どんな目的で発行するのかを明確にする
- 内容に個性や専門性を出す
- 文章は適度な長さにすること(1行30〜40文字程度まで)
- 罫線や記号を使ったり、改行を増やして見やすいレイアウトを心掛ける
- 文字化けしやすい特殊文字(@、梶AпAT等)はなるべく使わないようにする
- 目次を設けて、内容をわかりやすくする
|
図1 メルマガのサンプル
|
|
発行編
- 購読者からのメールには必ず返信する
- 自分が守れる発行間隔を設定し、定期発行を守る
- 発行元、配信解除の方法を必ず明記する
- 毎回の内容を同レベルに維持する
- 広告を必要最低限に抑える
|